トリッキーな電動オフロードバイク「ライトビーL1e」試乗インプレッション【こんな電動オフ車を待っていた!】

トリッキーな電動オフロードバイク「ライトビーL1e」試乗インプレッション

電動モトクロッサーに特化して研究開発/製造を手がける中国の電動バイクメーカー・サーロン。主力製品の「ライトビー」シリーズは欧州各国や北米でも大人気と噂だ。そのマシンがイオン海老名店(神奈川県)にオープンしたモトパラ@エビナで、なんと室内でも乗れてしまうということで、今回はシリーズの中の1台「L1e」に試乗した。


●文:ヤングマシン編集部(近藤スパ太郎) ●写真:輪 ●外部リンク:コハクジャパン

近藤スパ太郎[タレント/プロデューサー]:環境番組のパーソナリティを担当したことを機に、電動バイクの強烈なパワーにひと目ぼれ。俳優・MCの他、企画プロデューサー、芸能・制作プロダクションSPANCHOOSの代表を務める。[URL]近藤スパ太郎SPANCHOOSTwitter

初心者にも扱いやすい電動オフロードバイク

電動オフロードバイクを専門に開発するサーロン社(中国)のライトビー(Light Bee)シリーズがEUやアメリカで人気だ。日本では’20年からコハクジャパンが取り扱いを始め、’21年9月にはオフロードレースのサーロンカップも開催されるほど販売数が伸びている。さらにレンタル819のキズキがサーロンのレンタル&販売を始めたとあって、ボクはオープンしたばかりの「モトパラ@エビナ」に向かった。ここは電動バイク専用インドア走行施設「e-トレイルパーク」が併設され、ライトビーの原付一種「S」と、原付二種の「X」が1650円/20分で乗れる。免許がない方でも、雨天でも乗れる嬉しい施設だ。ボクが乗った「L1e」は、Xに保安部品が付いた車両だ(別途レンタル料が必要)。

【SUR-RON LIGHT BEE L1e】■全長×全幅×全高:1860×780×1275mm ■シート高:802mm ■車体重量:約51kg/約62kg(バッテリー装着時) ■原動機:Mid-Drive BLDC Motor+FOC Sine Wave Controllor ●定格出力:1000W ■最大出力:5000W ■車両区分:原付二種 ■最高速度:75km/h ■最大登坂角度:38度超 ■最大トルク:250Nm ■駆動用バッテリー:リチウムイオンバッテリー(脱着可能) ■バッテリー電圧/容量/充電時間:57.6V/31.9Ah(1837Wh)/約3~4時間 ■一充電走行距離:約100km(20km/h走行時) ■ブレーキ:ディスクブレーキ ■タイヤサイズ:70/100-19 ■車体色:赤 黒 青 緑 黄 銀 ■乗車定員:1名 ●価格:56万6500円

【ライディングポジション】シート高が802mmと高いが、オフ車なのでサスペンションが柔らかく、跨るとサスが沈み込むので足着きはベッタリ。ハンドル幅が広くて車体はとてもスリム。ステップがやや後方にあるのでポジションはモトクロッサーというよりもトライアルバイクに近い印象だ。シートもかなりスリムで座り心地よりも軽量化とオフロードでの操作性を重視した設計だ。[身長173cm/体重77kg]

L1eはシートが高いが、跨るとグンと沈むので小柄な方でも足着き性はいい。スリムでステップがやや後ろにあり、トライアルバイクに近い感覚で、車重も62kgと驚異的な軽さだ。

まずは一般道を試乗した。電動特有の力強さがあり、エコモードでは実走行距離で65km前後、最高速は50km/h程度。スポーツモードではさらに加速パワーが増して最高速は75km/hも出るとのこと。回生ブレーキが強く効くので、キビキビ走れて楽しさも倍増! ダウンヒル用自転車の前後サスペンションとブレーキが使われており、急制動でも安定して減速するため安心感もあった。

次はe-トレイルパーク内を走ってみた。室内のコースに木道/波状路/切り株やパレットを積んだ障害物があり、ライトビーを楽しむために作られた施設ではまさにL1eの本領発揮といった走り。やはり軽さと足着き性が良いことは最大のメリットだ。転びそうな時でも足がすぐに着けて車両を楽に支えられるから怖さがない。さらにミッションがないのでクラッチ操作が必要なく、エンストもないからスロットル操作やブレーキ操作に集中できる。パワー特性が異なるエコとスポーツの2つの走りを楽しめるのも面白い。マシンがスロットル開度にリニアに反応するから、段差を乗り越えるステアケースの体重移動練習に没頭してしまった…。少しは上手くなった実感もあり「これ面白いですね!」と言うと、「気に入りましたか? すぐに購入も可能ですよ!」。そう、モトパラ海老名では販売も行っており、すでに購入者が続出しているのだとか…。

モトパラ@エビナ以外にも、コハクジャパンのWEBサイトにはレンタル店のリストが掲載されているので、まずはライトビーの試乗体験をしてみては?

ライトビーL1e ディテール写真解説

【アルミ鋳造のフレームにセンターモーターを搭載】ハイグレード永久磁石を採用し、ライトビーのために開発された高性能センターモーターは金色の冷却フィンで覆われている。独自開発したモーターコントローラーにも放熱フィンが設けられ、走行風が当たる場所に設置される。

【調整可能なフロントサスペンション】左右のフロントサスペンション上部にはサスペンション調整ダイヤルがある。

48丁のスプロケットに420サイズの細めのチェーンを採用。リヤサスペンションはオリジナル設計のマルチリンクリヤサスペンションシステムに、好みに調整可能なKKE製サスペンションを組み合わせている。

柔らかいサスペンションがデコボコを吸収。電動バイクはエンストしないので、他の操作に集中できる点もメリット。

公道走行可能なエンデューロタイヤを標準装備。

ブレーキキャリパーなどのパーツはMTBの物をベースにしたサーロンオリジナル仕様。油圧ブレーキのオイルにはミネラルオイルを使用する。

【灯火類はすべてLED採用。EUの安全基準をクリア】日中でも明るいヘッドライト。実はハイビームのみでローがないEU仕様だ。

コンパクトなデジタルメーター内には走行可能距離目安も表示する。

エコとスポーツモードの切り替えは赤いボタンで。

2.4AのUSB電源口を装備するので多くの電子機器に対応可能!

細くてコンパクトなシート/ショートリヤフェンダー/ステップなどオフロード走行に適したパーツを搭載。サスペンションやブレーキなどはMTBのダウンヒル用のパーツを流用している。

テールまわりの灯火類。ウインカーもとても明るく視認性が良い。

スタンドを立てるとモーターへの電流が遮断される。

プラグインでも、バッテリーを外しての充電も可能な2WAY方式

【コンパクトな作りのバッテリーボックス回り】ボックスのカバーはメインキーでロック解除。収納スペースはなくバッテリーとブレーカー、配線のみ。

【バッテリーを外す手順#1】ブレーカーをOFFにする。

【バッテリーを外す手順#2】車体に繋ぐ2本のケーブルを外す。

【バッテリーを外す手順#3】バッテリーを引き上げる。

【専用充電器を使って3~4時間で充電完了】パナソニック社製18650リチウムイオンセルを57.6V・31.9Ah(容量1837Wh)で搭載。重量は約11kg。

【車体にケーブルを挿すプラグイン充電方式】バッテリーのチャージ状態はバッテリーカバーのパネルに表示される。

【取材協力:モトパラ@エビナ e-トレイルパーク海老名】海老名駅から徒歩5分、イオン海老名SCの1Fに「レンタル819」と日本初の電動バイク専用インドアスポーツ施設の「e-トレイルパーク」がある。●住所:神奈川県海老名市中央2-5-41イオン海老名別館1F ●TEL:080-3722-3861 ●営業時間:10~20時 ●休業日:月曜 ●利用料金[初めての方]:登録料550円 講習料1320円 コース走行料(20分/1回)1650円 (延長20分)1320円 レンタルヘルメット330円 レンタルプロテクター330円(各1回目)

【雨でも遊べて手ぶらでOK】室内のe -トレイルパーク海老名は雨天でも遊べる。初回のみ約20分の有料講習を受講。バイク初心者もすぐに乗れる。ヘルメットのレンタル(有料)もあるので、手ぶらでOKだ。


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