
’19年のEICMAで公開され、デザイン性やコンパクトで楽しい走行性能がヨーロッパで高い評価を得ている中国の新興電動バイクメーカー・トロモックス[TROMOX]の電動ミニモト「ミノ(MINO)」。日本でも発売が決定したので早速試乗してみた。
●文:近藤スパ太郎 ●写真:輪 ●取材協力: MSソリューションズ XEAM事業部
楽しく遊べる電動バイク、こんなミニモト待っていた!
中国の電動バイクメーカー・トロモックスの初号機「ミノ」は、イタリアでデザインされ、欧州でも人気が高いが、いよいよ日本でもジーム(XEAM/福岡県)から発売される。初めて見た印象は「えっ、こんなに小さいの?」なにしろ10インチのタイヤを履くミニモトだ。でも、跨ってみると窮屈さを感じないから不思議。人間工学に基づいた設計で、誰でも快適なポジションで乗れるそうだ。
また、インホイールモーターが主流の原付クラスにあって、ミノはセンターモーターを採用してバネ下重量の軽減とマスの集中化を図っている。さらに、電動バイクで主流のベルトではなく、チェーン駆動を採用しているのも特徴だ。倒立フロントフォークの採用も走行性能にこだわっていることが想像できる。

【TROMOX MINO】●免許区分:原付一種 ●全長×全幅×全高(mm):1500×730×935 ●シート高:680mm ●車体重量:68kg(バッテリーを含む) ●原動機:センターレイアウト次世代モーター ●駆動方式:チェーンドライブ ●定格出力:600W ●最大出力:2500W ●定格トルク:6.3N・m ●定格回転速度:1800rpm ●最高速度:50km/h ●最大登坂角度:15° ●駆動用バッテリー:18650セル・リチウムイオンバッテリー ●バッテリー電圧/容量/充電時間:60V/31Ah (1860Wh)/約7.5時間 ●一充電走行距離:88km ●ブレーキ:F/R=ディスク ●タイヤサイズ F=90/90-10 R=100/80-10 ●車体色:エナジーブルー シークレットブラック フリーダムホワイト ●メーカー希望小売価格:29万9800円(消費税込) ※体重75kgのライダーが時速30km/h、気温26℃で平地走行した場合 ※スペックには理論値を含む [写真タップで拡大]

とてもコンパクトな車体だが、跨った感覚ではそれほど小ささやコンパクトさは感じない。というのも人間工学に基づいたデザインと設計がされているため、誰でも快適な姿勢を保つことができるそうだ。ステップ位置はスポーツ車としてはかなり前側にあり、これも窮屈さを感じないポイントの1つ。ハンドルの位置や高さも快適である。車重も軽くとても扱いやすいが、ハンドル切れ角はあまりない。[身長173cm/体重77kg] [写真タップで拡大]
さて、ちょっとワクワクしながらスマートキーで起動してスロットルを開けると、「シュイィィーン!」とモーターとチェーンの音を発しながら走り出した。イイね。なんか楽しいぞ。ゆったりと走るエコモードは最高速が30km/h。スポーツモードでも最高速は50km/hではあるが、パワーを感じる走りでメリハリがあって楽しい。前輪に荷重がかかる下りカーブでの走行安定性やブレーキングがとても良いのは、倒立フロントフォークの恩恵だ。ただし、ブレーキが作動するとモーターからの出力が遮断されるシステムなので、ブレーキをかけながらスロットルを開けることはできない。原付電動バイクには「あるある」だけど、これは改善されると良いなぁ…。
なお、一般道も楽しいが、ミニコースを走ってみたら、もっと楽しいことに気が付いた。フル加速やフルブレーキ、コーナーやパイロンスラロームなど、けっこうアグレッシブに走れるのだ。ボクはこれまで多くの電動バイクに試乗してきたけど、遊べる電動ミニモトはこのミノが初めて。車重も68kgと軽くて扱いやすく、車体の重心バランスも良いので、スロットル全開で走ってフルブレーキして、バイクを寝かせても怖さがなく、遊ぶのに絶妙! ちょっと物足りないパワーだからこそ、自分の手足のように扱える、そんな楽しさがある。
昔は原付で遊べるバイクがたくさんあったけど、排ガス規制などの影響で姿を消してしまった。ミノなら騒音や排ガス規制などを気にせずに、ミニモトレースも全開で楽しめる! こんな原付の電動バイクを待ってました。試乗してみれば、誰もが「楽しい!」と感じると思いますヨ。
トロモックス ミノ ディテール写真解説
【前後10インチタイヤと前後ディスクブレーキ】前後ともに、10インチタイヤ、対向2ポットブレーキキャリパー、180mmディスクローターを採用する。また、前後に倒立式サスペンションを採用し、特にフロントの倒立サスペンションは走行性やブレーキ性能に大きく貢献している。 [写真タップで拡大]
【灯火類はすべてLED採用視認性の高いメーター】夜間や悪天候時でも高い視認性を持つ高輝度LEDヘッドライトを採用。灯火類全ての光の屈折角を調整して360°の全方向から車両の存在が認識できるようにし、ライダーの安全を確保している。 [写真タップで拡大]
充電はプラグインでもバッテリーを外してもOKの2WAY方式
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