
’21年4月に本田技研工業の9代目社長となった三部敏宏氏は、就任会見の場で「’24年までに原付一種&二種クラスに3種類の個人向け電動バイクを投入する」と明言。“針小棒大”が信条(?)のヤングマシンでは、登場モデルをさっそく予想した。有力かつ我々が熱望する1台は、懐かし「モトコンポ」のEV版だ!!
●文:沼尾宏明 ●CG:白圡 学
時代を先ドリしすぎた伝説バイクよ、電動で復活を!!
世界最大の2輪メーカーであるホンダが、ついに電動化に向けて本腰を入れ始めた。
ホンダの三部新社長は’21年4月の就任会見にて「’40年までにすべてのクルマを電動化する」と発表。バイクについては、燃費改善やバイオ燃料を活用しつつガソリンエンジンを継続するとのことだが、クルマの流れを受けて電動(EV)化が加速するのは必至だろう。気になるのは、「’24年までにパーソナル領域の原付一種&二種に3機種の電動2輪車を、さらにFUN領域でも商品を投入していく」との発言だ。
ホンダ三部新社長の就任会見にて発表された資料。イメージ図のシルエットはダミーだろう。
その1台としてヤングマシンが有力候補に挙げたいのが、懐かしい「モトコンポ」のEV版だ。’81年発売の本作は、クルマへの積載を考慮し、密閉式タンクキャップや折り畳みハンドルを採用。”6輪生活”を提唱した先鋭的な1台だった。 当時は不人気に終わったが、このコンセプトはキャンプブームに沸く現代にこそふさわしい。モーター+バッテリーのEVなら、ガソリン車のように燃料漏れの心配がなく、縦や横に積んでもOK。現地までクルマに電動モトコンポを積んで移動し、テントサイトからのちょっとした買い出しや散策にクリーン&手軽なEVはサイコーだ!!
実際のところ、’11年の東京モーターショーでホンダは、モトコンポのEV版である「モーターコンポ」をコンセプト出品。このプロジェクトがホンダ社内で今も健在とすれば、満を持して投入される可能性はアリ、と我々は見ている。
他の2機種は、こちらもショーモデルとして発表済みのカブや、ディオなどのスクータータイプが濃厚か…?
いずれにせよ2輪EVは、バッテリーの性能アップ(小型軽量化/大容量化による航続距離向上)など、クルマより課題が多い。しかし、業界の盟主であり多くの技術革新を成し遂げてきたホンダなら、きっと道を切り拓くハズだ。
YM未来予想=ホンダ モトコンポ e:
【HONDA MOTOCOMPO e:】ヤングマシン予想モデル ※画像はイメージCG
【’11 HONDA MOTORCOMPO[CONCEPT MODEL]】’11東京モーターショーで話題を呼んだ「モーターコンポ」は、中央にバッテリー、前輪にインホイールモーターを搭載し、縦置きも可能。アウトドアなどの携帯用電源としても活躍できる。車体が超コンパクトなため、現行のホンダ共通バッテリーは積めない。
ホンダのEVは、共通の着脱式リチウムイオンバッテリー「モバイルパワーパック」を使う。重量は約10 kgで、寸法は298×177.3×156.3mm。これを積めるサイズのモトコンポだと……やや大柄になる?
他モデルのEV化、その可能性は…?
【’15 HONDA EV-CUB[CONCEPT MODEL]】’24年までの電動3機種として、「EVカブ」の可能性もあり得る。’15東京モーターショーの出品時には、実際の走行が可能で、’18年に発売が予定されていたが、現在も未発売のままだ。理由はバッテリー搭載スペースを確保できないため、との噂。この問題が解決できれば…!?
【’11 HONDA RC-E[CONCEPT MODEL]】FUN系の電動バイクとしては、登場年こそ明言されなかったものの、有力なのは「RC-E」。モーターコンポと同年の’11東京モーターショーにおけるコンセプト車で、マン島TTレーサーのRC系をイメージしたEVだ。登場すればハーレー・ライブワイヤーの対抗馬になるだろう。
【もう1台はクロスオーバーの可能性も?】’21年4月に公開されたホンダの特許に、ミニクロスオーバー風のEVが登場。NC750X風の外観で、グロムを思わせるサイズ感だ。スイングアームピボットにモーターを積み、バッテリーケースがフレームとして機能する合理的な設計。リヤビューカメラも搭載し、ナックルガード裏側に液晶を備える。
※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
あなたにおすすめの関連記事
パーソナルユースの2輪も電動化を推進 「ホンダは意志を持って動き出そうとしている人にパワーを与える会社になる。つまりは"Powered by HONDA"だ」と述べた三部社長は、以前からの目標「205[…]
PCXエレクトリックやベンリィe:などに続いて…… もはや電動バイクだけじゃない! ホンダとコマツは、ホンダがPCXエレクトリックなどの電動バイクに採用している交換式バッテリー「ホンダモバイルパワーパ[…]
これからは大型バイクだけじゃない!? ハーレーダビッドソンはLiveWireを単なる電動バイクの車種のひとつとはせず、電動バイクのブランドとして独立させる。日本ではライブワイヤー(車両)が間もなく発売[…]
シンプルな前2輪+後1輪構成の電動アシスト/フル電動3輪ビークル 川崎重工は、2020年9月に社内公募制度「ビジネスアイディアチャレンジ」の第1号案件として選定した「noslisu(ノスリス)」をクラ[…]
時代のニーズにいち早く動き、発売に一番乗りしたハーレーダビッドソン 2020年12月、日本政府から2030年代半ばにガソリン車の販売を禁止する方向で調整を進めているというニュースが取り立たされた。ホン[…]
最新の記事
- 【ホンダCB1000F コンセプト】1300の“乗ってみろ”から劇的チェンジ!! 次世代のCBは最新性能を気軽&快適に味わえる【開発者ロングインタビュー】
- [バイク駐車場問題]熊本市の繁華街を現地調査:「125cc以下の受け入れ多数! 」ただしそれより大きくなると…
- 「特製紙袋&クリアファイルをプレゼント! 」恒例ガラポン&愛車イラストも:東京モーターサイクルショー2025 ヤングマシンブース【3月28日〜30日】
- 「スズキの本気度が伝わる」約6000台が生産された国産唯一の市販ロータリー:1974 スズキRE-5【あの素晴らしい名車をもう一度】
- ホンダCB400 SUPER FOUR/BOL D’OR歴代モデル図鑑【2018年モデル:熟成のマイナーチェンジ】
- 1
- 2