ドゥカティは「ムルティストラーダ」の最新版となる、V4エンジン搭載「ムルティストラーダV4」の生産を開始したと発表した。前方用/後方用レーダーセンサーを搭載したアドバンスト・ライダー・アシスタンス・システムを提供する世界初のモーターサイクルとしている。
軽量コンパクトな“まったく新しい”V4エンジンを搭載する第4世代ムルティ
ドゥカティは、2020年10月6日に前方用/後方用レーダーテクノロジーを搭載した世界初のモーターサイクル「ムルティストラーダV4」の生産を、本社のあるボルゴパニガーレのファクトリーで開始したと発表。ドゥカティ史上もっとも成功したモーターサイクルのひとつであるムルティストラーダは、シリーズ累計で11万台以上を生産している。
新型のムルティストラーダV4はドゥカティにとっても非常に重要な節目となるモデルとされ、来たる2020年10月15日に新しいV4エンジンの詳細を発表予定。さらに、11月4日にバイクそのものの正式発表を迎える。
すでにSNS等をはじめとしてV4エンジンを搭載するマシンのティーザーが始まっており、10月1日には全4回中の第2回となるティーザーを公開。世界各国向けのドゥカティ公式ホームページで同様のティーザーを展開する中、ある国向けのティーザーに170hpとの記述があった(のちに削除された)ことから、ムルティストラーダV4は170馬力のエンジンを搭載する“スーパー”なアドベンチャーマシンであることが判明している。
ムルティストラーダV4の明らかになった姿からは、従来のムルティシリーズのデザインコンセプトを踏襲していることがよくわかる。左はドゥカティのクラウディオ・ドメニカーリ社長。
前後のレーダーセンサーが「adventouring(アドベンツーリング:冒険の旅)」を変える!
さらに、今回公開されたプレスリリースによれば、ムルティストラーダV4はレーダーシステムを用いた高度なアシスタンスシステムを採用する。各レーダーセンサーはコンパクトなサイズ(70x60x28mmで、最新のアクションカメラと同様)を特徴とし、重量はわずか190g。ムルティストラーダV4本体のデザインと完全に一体化されているという。
コンパクトなサイズのレーダーユニット。
前方に配置されたレーダーセンサーは、アダプティブクルーズコントロール(ACC)の作動を制御。ACCは、30~160km/hの速度で走行中に、前方車両との車間距離(4つのレベルで選択可能)を一定に保つように、アクセルとブレーキを自動的にコントロールする。四輪自動車から派生したこのシステムは、モーターサイクルの挙動および人間工学を考慮に入れて、さらに進化を遂げている。特に、ライダーがどのような状況でも車両を常にコントロールできるように、減速と加速に関するシステムの介入は、一定のレベルを超えないように制限されるという。このシステムは、特に高速道路を利用したロングツーリングにおいて、より快適なライディングを可能とするだろう。
後方用レーダーセンサーは、ミラーに映らない、ライダーの死角に来た車両を検知して、ライダーに警告することが可能。このブラインドスポットディテクション(BSD)死角検知システムは、後方から高速で接近してくる車両の存在をライダーに通知する事もできる。
マシンの正式発表は、開催されるはずだったミラノショーことEICMA 2020のプレスデーにあたる2020年11月4日に行われる。
フロントのレーダーユニット。
リヤのレーダーユニット。
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