今回紹介するFXBスタージスのオーナー・篠原雄太氏は、ショベルでもスポーティなライディングを楽しみたいと、タイヤにも強いこだわりを持つ。新作タイヤが出れば、いろいろと履いて試し、乗り味をチェックするほどタイヤにも精通している。なぜ知っているかって……!? それは筆者(ウィズハーレー編集長・青木タカオ)と旧知の仲だからだ。
NEWモデル SOFTAIL STANDARD 試乗インプレッション!! いかにもハーレーらしいミニエイプハンドルバーとチョップドフェンダー、ソロシートやクロススポーク仕様のホイールを備え、シンプルな[…]
’80 FXB スタージス×クルーズテック
篠原氏とはモトクロスコースで競技用マシンに乗って一緒に走ったりしていて、また彼がリッター・スーパースポーツマシンでサーキット走行を楽しんだりする無類のバイク好きであることもよく知っている。モーターサイクルに関することなら、新旧ジャンルを問わず探究心が強い。
今回の撮影にあたって、タイヤをメッツラーの「クルーズテック」に新調すると、”皮むき”と言いつつ一般道や高速道路、ステージを変えて200km以上も前もって走り込んでくれた。そして、そのファーストインプレッションをたずねると開口一番、こう切り出した。
「どこか悪い所を見つけて辛口でいこうと思っていたんだけど、すべていいんだよ。青木くんがいろいろなところで書いた試乗レポートは嘘じゃなかったね」
特にコーナー進入時、初期旋回がスムーズで、慣れるまでは車体を寝かし込みすぎるほど軽快だったとのこと。切り返しもクイックになり、旋回中も接地感が高く安心してコーナリングできるという。
「ブレーキの効きも良くなっているし、路面追従性が良く衝撃吸収性に優れるから乗り心地も向上した。前後タイヤからのインフォメーションが多く、路面状況を把握しやすいのもいい。荒れた路面でもグリップを維持し、ここが一番評価できる。メッツラーは欧州の石畳や悪路でのテストがしっかりされているんだろうね。どんな環境にも強く、頼もしいね」
まさに待望だったクルーザー向けハイグリップタイヤに巡り会えたと目を輝かせる。長距離や雨天でもショベルヘッドエンジンのハーレーでタフに走る篠原氏は、タイヤが減ってからの性能も気になると、もっとこれから走りたいと意気込む。
「新品時はものすごく良いけど、摩耗が進むと性能が極端に落ちるっていうタイヤもあるからね。クルーズテックにはロングライフも期待している」
そう言う彼の今後の報告も楽しみだ。貴重なロングレポートをお届けできるかもしれない。
一般道150km、高速50km走行後の篠原さんの感想
※タイヤ空気圧 フロント2.0 /リヤ2.1kPa
【高速】
●直進安定性◎
●橋の継ぎ目、段差通過、マイルドに衝撃吸収する
●レーンチェンジ軽い
【一般道(市街地/山間部)】
●路面状況が把握しやすい
●古いアスファルトの段差もマイルドに衝撃吸収
●低速時、交差点等での倒し込みが軽い。車体を倒しすぎるほど!!
【ワインディング】
●ブレーキング時、吸い付く感じのグリップが良い
●コーナーインがスムーズ、転がる感じでコーナリングできる
●倒し込みが軽い
●S字が続くような場所での切り返しが軽い、楽しい!!
●コーナーリング中のグリップ感良し
【悪路(山間部の落石等による砂利やアスファルトの傷み・凹凸が多い)】
●安心して走れる。
●砂の浮く一般道や、石畳など欧州の過酷なテストの結果! ?
【デザイン】
●もっとも自分の好み
メッツラー クルーズテック|METZELER CRUISETEC
リア側をデュアルコンパウンドとし、長距離走行後もセンターだけが極端に擦り減ってしまうことを軽減。ソリッドなトレッドパターンはタイヤのプロファイルを維持し、均一性のある摩耗により、タイヤ寿命全体にわたってハンドリングが維持される。
また、濡れた路面での信頼性と安全性の向上によりタイヤと電子制御の効果的な相互作用が実現。最新のコンパウンド配合と柔軟かつ堅牢なタイヤ構造との組み合わせにより、いわゆる”冷えている”時間も短縮したのもありがたい。高年式はもちろんショベルやエボなどにも相性抜群だ。
●取材協力:メッツラー ●文:青木タカオ ●写真:磯部孝夫 ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
ハーレーダビッドソン専門誌『ウィズハーレー』のお買い求めはこちら↓
あなたにおすすめの関連記事
ハーレーが最高のファクトリーカスタムを施したCVOシリーズの中でも、ホットロッドテイストが色濃く反映しているのがストリートグライド。特にカスタムカルチャーの伝統・フレイムスペイントが落とし込まれた20[…]
ハーレーダビッドソンのスペシャリストとして、国内はもとより本場アメリカでも広く知れ渡るサンダンス。「スーパーXR」は、数ある名作のなかでも特に名高い代表作のひとつと言っていいだろう。 1995年の発表[…]
チョッパーの語源は「チョップドバイク」。ごく初期において、古いバイクを切り刻むことでオリジナルバイクを安価で製作することから名付けられた。 チョッパー乗りは、当時のヒッピームーブメントを象徴していたと[…]
ハーレーの旧車ショップである鼓動館は、京都の九条通から神戸に向かう幹線国道171号線沿いにある。 その佇まいは、大きな倉庫を改造したようなビンテージ色の強い外観。広いパーキングの奥に、ショールームとサ[…]
2012年の夏に行われたディーラーミーティングで発表された「ブレイクアウト」。その翌年には、なんとそのままのスタイルでCVOモデルとして市場投入された。以前のロッカーCからのデザイナーモデルとしての位[…]
最新の記事
- スズキ「Vストローム250SX」と「Vストローム250」は何が違う? 身近な兄弟車を比較!
- 【2024年11月版】150~250cc軽二輪スクーター 国内メーカーおすすめ7選! 125ccの双子モデルからフルサイズまで
- SHOEIがシステムヘルメットのド定番モデル「ネオテック3」に新グラフィック「ANTHEM」を発表!
- SHOEIが「Z-8 YAGYO」を発表! 百鬼夜行をイメージしたバイクパーツ妖怪が目印だ!!
- 【SCOOP!】ついに「GB500」登場へ?! ホンダが海外で商標を出願!
- 1
- 2