川崎重工は、大型ハイブリッドドローン試験機の浮上試験に成功したと発表。200kg以上の貨物を搭載し、100km以上の航続距離がある「空飛ぶ軽トラック」の可能性を検証する試験機だという。これに搭載される原動機は、なんとカワサキが誇るスーパーバイク「ニンジャZX-10R」のエンジン×3基なのだ!
Ninja ZX-10R のエンジン×3基で発電、8基のプロペラを回す
川崎重工は、大型ハイブリッドドローン試験機の浮上試験に成功したと発表した。これは全長約7m×全幅約5m×全高約2m の大型ドローンで、200kg以上の貨物を搭載し、100km以上の航続距離がある「空飛ぶ軽トラック」の可能性を検証する試験機なのだという。カワサキのスーパーバイク「Ninja ZX-10R」 のエンジン3台で発電した電力で、8基のモーター・プロペラを駆動している。
モーター駆動に必要な電力はエンジンで発電するため、バッテリーのみを動力源としたドローンとは異なり、大出力を長時間持続することができるのが特徴。ヘリコプターでは経済的に困難な近・中距離の中量物資輸送で、リーズナブルに利用できる空の物資輸送手段として、ヘリコプターと小型ドローンとの隙間を埋める位置付けとしている。
203psを発揮する並列4気筒エンジン。この超高性能エンジンを3丁掛け、つまり合計609psで発電するというのだから驚きだ。もちろん最高出力発生回転数で運転し続けるわけではないだろうが、軽量かつ高性能なバイク用エンジンを使うというアイデアは素晴らしい。
この試験機は、ハイブリッドシステムの成立性を確認することを主眼として、機体構想検討から設計・製作までを川崎重工業のモーターサイクル&エンジンカンパニーが、航空宇宙システムカンパニー、技術開発本部の協力を得て完了したものだ。
ちなみに、中国などでもこうしたエンジン付きドローンの開発は噂されてきたが、トップクラスの高効率&高性能エンジンを安価に調達する手段としては、国産あるいはドイツ、イタリアなどのモーターサイクル用エンジンに並ぶものはないだろう。
レギュレーションはともかく、重量的には人間を1~2人乗せることも可能で、山間部などへの荷物の配達も迅速に行える大型ドローンは、近未来の輸送業界に大きな変革をもたらすことが期待できそう。これをモーターサイクル用のエンジンが成し遂げるとすれば、バイクファンにとっても痛快な出来事だ。遠くない将来、大空に木霊するスーパーバイクサウンドが聞ける日も来るかもしれない。
KAWASAKI Ninja ZX-10R KRT EDITION[2020年モデル]
KAWASAKI Ninja ZX-10R KRT EDITION[2020年モデル]主要諸元■全長2085 全幅740 全高1145 軸距1440 シート高835(各mm) 車重206kg(装備)■水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 998cc 203ps/13500rpm 11.6kg-m/11200rm 変速機6段 燃料タンク容量17L■タイヤサイズF=120/70ZR17 R=190/55ZR17 ●価格:210万1000円(Ninja ZX-10R SE=270万6000円/Ninja ZX-10RR=298万1000円)
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