Z H2が過給機モデルの裾野を広げる

’20 カワサキ Z H2:スーパーチャージャー200psネイキッド【”Zの王”降臨】

KAWASAKI Z H2

過激ストリートファイターとして人気を博しているZシリーズ。頂点のZ1000を超える存在として、スーパーチャージャーを搭載した「Z H2」が’20年に投入される。カワサキ開発関係者によれば、ネイキッドとしたのは「スーパーチャージャーの裾野を広げることが目的」とのこと。未体験のスーパーチャージャーネイキッドは、’20年夏頃に姿を現すと予想される。

中低速に振ったスーパーチャージャーと専用車体で公道無双か!?

Zシリーズの頂点・Z1000を超える存在として、スーパーチャージャーを搭載した「Z H2」がまもなく降臨する。

KAWASAKI Z H2
【カワサキ Z H2】主要諸元 ■水冷並列4 気筒DOHC4 バルブ 998cc 200ps/11000rpm 14.0kg-m/8500rpm ■全長2085mm シート高830mm 重量239kg(装備) 6速 19L ■タイヤF=120/70ZR17 R=190/55ZR17 ●本誌予想価格:170~180万円 ●本誌予想発売時期:’20年夏
獲物を狙う獣をイメージした、シリーズ共通の「SUGOMI」(凄み)デザイン。ただしカウルがフレームマウントなのが独特だ。

スーパーチャージャーマシンとしては、’15年に登場したスーパースポーツのH2、’18年デビューのツアラーH2 SXに続く第3弾。カワサキ開発関係者は、ネイキッドとした理由として「スーパーチャージャーの裾野を広げるため」と話す。最高速はそれなりに、スーパーチャージャーにより中低速域の加速性能を向上。価格/性能の双方で敷居が高かったスーパーチャージャーがより身近になるという。そして肝心の走りは「Z1000より扱いやすい」というから興味津々だ。

これを実現するため、H2 SXをベースにした998cc直4ユニットは、専用セッティングを採用。マフラーも新作だ。最高出力と最大トルクはSXと同じ200ps&14kg-mながら、最大トルク発生回転数を1000回転ダウン。200psをキープしたまま、強化された怒濤の中低速トルクでストリートを駆け回る1台となるだろう。

KAWASAKI Z H2
キレた走りに期待。オートクルーズや走行モード×4、空力特性が良さそうなヘッドライトまわりなどツーリングも快適そうだ。

シャーシはH2/SXと同様、鋼管トレリスフレームを踏襲するが、形状はまったくの新設計。シンプルな構造で適度に剛性を抜き、しなやかな走りを実現するはずだ。さらに車重はH2 SX比で17kg減の239kg。フロントの足まわりはH2 SX/SEより1グレード上で、新作の両持ちアルミスイングアームまで与えた。電子制御系もH2 SXと同様、充実の一言。IMU付きのトラコンや走行モードなど豊富なサポート機能を搭載する。

KAWASAKI Z H2
【新設計フレーム+両持ちスイングアーム】H2SXのフレームは、ステアリングヘッドから過給器の周辺まで緊密なトレリス構造とするのに対し、Z H2では非常にシンプル。各パイプの径を変えることで剛性をバランスさせ、シートレールも簡素化されている。車体はZ1000の220kgよりヘビーながら「数値以上に軽く感じる」と関係者は話す。バランス型と呼ばれるスーチャーを持つ水冷直4はH2SXをベースに、インジェクター口径をφ40→38mmに変更するなど専用パーツを奢る。
KAWASAKI Z H2
ショーワ製フォーク= SFFBPに、ブレンボM4.3キャリパー+専用チューンのニッシン製マスターを組み合わせる。リヤアームは、H2/SXのアルミ片持ちに対し、ZX-10RR風の両持ちを投入。上下対応シフターも標準で備える。
1枚レンズに2眼ライトの顔はZ900を踏襲。メーターバイザーもシリーズの象徴だが、全体的に弟分よりボリューム満点だ。特にスーチャーの吸気ダクトが作り出す左右非対称デザインは、本作ならではの個性。ダクト奥から覗くライムのメッシュがエロい!
KAWASAKI Z H2
【H2&Zシリーズ初のフルカラーTFT投入】Zのアイコンであるファットなハンドルバーを装備。メーターはH2、Zシリーズを通じて初となるフルカラーTFT液晶を与えた。ユニット自体は新型Ninja1000と同様と思われ、ブルートゥース接続で車体情報やログの閲覧が可能だ。

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