バイクの世界でもEV化が現実味を帯びてきた今、ハーレーが発表したエレクトリック・ロードスポーツ「ライブワイヤー」に、『ウィズ・ハーレー』編集部・青木タカオ編集長が試乗! ハーレー初の電動スポーツは一体どんな走りをするのか!?
●文:青木タカオ ●取材協力:ハーレーダビッドソンジャパン ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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ハーレーにも電動化の波
ハーレーダビッドソンはエレクトリック・ロードスポーツ「ライブワイヤー」の全米販売をスタートし、年内にヨーロッパへのデリバリーも開始する。
電動なんて……。鉄馬を愛する既存のハーレー乗りたちは、歓迎しないかもしれない。ガソリンやオイルの滲む匂いやアナログ感があってこそハーレーと考える人が少なくないだろう。
しかし、ひとりのハーレー乗りとして胸を張りたい。大手バイクメーカーとしては初となる、スクータースタイルではない電動ロードスポーツモデル。それを我らのハーレーダビッドソンが先陣を切って発売したのだから。
かつて蒸気機関が、それまでの乗り物であった馬にかわり、内燃機エンジンがその座をまた奪った。そして、次の動力源は電気と言われて久しいが、そんな時代が本当に到来するのか疑わしいというのもホンネである。しかし、世界はEVシフトへ加速化しているのもまた事実で、ドイツは2030年までに、イギリスやフランスも2040年を目標に、エンジン車の販売を禁止する方針を打ち立て、その波はヨーロッパ全土に広がっている。
気になる航続距離は?
そんなことを考えつつ、ライブワイヤーを走らせた。これは間違いなく大きな一歩となるだろう。走行可能距離は、減速による回生充電の機会が増える街乗りでは最大235kmに達し、電力消費の多い高速道路を組み合わせた走行では142kmと公表する。ワインディングと市街地を65kmほど走ったが、電源を切るときのバッテリー残量は35%ほどだった。つまり、フォーティーエイトと同じくらいの距離は走りそうだ。それが充分か否かは、買う人が決めればいい。
では、どんな人が買うのか? まず一部富裕層がガレージに置く1台としてオーダーするだろう。ツーリングファミリーに相当する2万9799ドル(約315万円、米国仕様)という価格設定は、四輪のEVカーに比較すれば割安に感じるハズで、彼らは既存のライダーのように100kmを超えるツーリングなど頻繁にしないのだから、性能的にはもう申し分ない。
0→100km/h、たった3.0秒の衝撃的加速
ただ言っておくが、走りは侮れない。というより、リッタースーパースポーツ並みのダッシュ力を発揮するのだから、ハーレーダビッドソン・ナンバー1といっていい。0→100km/hへわずか3.0秒、100→129km/hへは、たった1.9秒と凄まじい。6軸IMU(慣性計測装置)からなる最新の電子制御は、予め設定されたライダーモード「スポーツ」「ロード」「レンジ」「レイン」を選べ、荒々しいほどのポテンシャルを余すことなくさらけ出す「スポーツ」にすれば、トラクションコントロールの介入レベルが低くなり、停止状態からのアクセルワイドオープンでは瞬時に発揮する最大トルク116.6Nmにタイヤが堪えきれず、その場で駆動輪を空転させて獰猛としか言いようがない。
大排気量Vツインエンジンを積むアメリカンドラッグレーサーのように豪快で、ダイナミックなスタートダッシュを決めることができるから、病みつきになるばかりだ。リミッターの効く180km/hに達するまでライダーはただアクセルを捻って加速に耐えるのみ。シフトチェンジもクラッチ操作も要らない。
全身を包み込むのは、胸高鳴るメカニカルサウンドと空気の壁を突き進む轟音だけ。早く日本の道も走ってみたい!
RIDING POSITION
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