第47回マシン・オブ・ザ・イヤー2019

【試乗レポート】HARLEY-DAVIDSON LIVEWIRE

ハーレー初の電動ロードスポーツ「LIVEWIRE」に乗ったら凄かった! #ウィズ・ハーレー

  • 2019/11/12
LiveWire走行

水冷式三層ブラシレスモーターの出力を、ギヤボックスが90度変換させるときに発生する音を積極的に使ったサウンドチューニングが施され、ライダーに高揚感を与えている。この興奮、新感覚だ。

バイクの世界でもEV化が現実味を帯びてきた今、ハーレーが発表したエレクトリック・ロードスポーツ「ライブワイヤー」に試乗! ハーレー初の電動スポーツは一体どんな走りをするのか!?

文= 青木タカオ
取材協力/ハーレーダビッドソンジャパン https://www.harley-davidson.com/jp/

ハーレーにも電動化の波

ハーレーダビッドソンはエレクトリック・ロードスポーツ「ライブワイヤー」の全米販売をスタートし、年内にヨーロッパへのデリバリーも開始する。

電動なんて……。鉄馬を愛する既存のハーレー乗りたちは、歓迎しないかもしれない。ガソリンやオイルの滲む匂いやアナログ感があってこそハーレーと考える人が少なくないだろう。

しかし、ひとりのハーレー乗りとして胸を張りたい。大手バイクメーカーとしては初となる、スクータースタイルではない電動ロードスポーツモデル。それを我らのハーレーダビッドソンが先陣を切って発売したのだから。
かつて蒸気機関が、それまでの乗り物であった馬にかわり、内燃機エンジンがその座をまた奪った。そして、次の動力源は電気と言われて久しいが、そんな時代が本当に到来するのか疑わしいというのもホンネである。しかし、世界はEVシフトへ加速化しているのもまた事実で、ドイツは2030年までに、イギリスやフランスも2040年を目標に、エンジン車の販売を禁止する方針を打ち立て、その波はヨーロッパ全土に広がっている。

気になる航続距離は?

LiveWire走行

そんなことを考えつつ、ライブワイヤーを走らせた。これは間違いなく大きな一歩となるだろう。走行可能距離は、減速による回生充電の機会が増える街乗りでは最大235kmに達し、電力消費の多い高速道路を組み合わせた走行では142kmと公表する。ワインディングと市街地を65kmほど走ったが、電源を切るときのバッテリー残量は35%ほどだった。つまり、フォーティーエイトと同じくらいの距離は走りそうだ。それが充分か否かは、買う人が決めればいい。

LiveWire

では、どんな人が買うのか? まず一部富裕層がガレージに置く1台としてオーダーするだろう。ツーリングファミリーに相当する2万9799ドル(約315万円、米国仕様)という価格設定は、四輪のEVカーに比較すれば割安に感じるハズで、彼らは既存のライダーのように100kmを超えるツーリングなど頻繁にしないのだから、性能的にはもう申し分ない。

0→100km/h、たった3.0秒の衝撃的加速

LiveWire走行

最高出力105PS、最大トルク116.6Nm

ただ言っておくが、走りは侮れない。というより、リッタースーパースポーツ並みのダッシュ力を発揮するのだから、ハーレーダビッドソン・ナンバー1といっていい。0→100km/hへわずか3.0秒、100→129km/hへは、たった1.9秒と凄まじい。6軸IMU(慣性計測装置)からなる最新の電子制御は、予め設定されたライダーモード「スポーツ」「ロード」「レンジ」「レイン」を選べ、荒々しいほどのポテンシャルを余すことなくさらけ出す「スポーツ」にすれば、トラクションコントロールの介入レベルが低くなり、停止状態からのアクセルワイドオープンでは瞬時に発揮する最大トルク116.6Nmにタイヤが堪えきれず、その場で駆動輪を空転させて獰猛としか言いようがない。

大排気量Vツインエンジンを積むアメリカンドラッグレーサーのように豪快で、ダイナミックなスタートダッシュを決めることができるから、病みつきになるばかりだ。リミッターの効く180km/hに達するまでライダーはただアクセルを捻って加速に耐えるのみ。シフトチェンジもクラッチ操作も要らない。

全身を包み込むのは、胸高鳴るメカニカルサウンドと空気の壁を突き進む轟音だけ。早く日本の道も走ってみたい!

LiveWire電動

シームレスな加速や電動ならではの独特なサウンドは、エンジン車とはまったく異なる“別モノ”の刺激に満ちあふれ、内燃機エンジンが生き延びる間も共存できる魅力がギッシリと詰まっていることを発見できた。感心するのは車体の完成度の高さ。

LiveWire詳細

前後17インチのアルミキャストホイールに、前後サスはSHOWAのフルアジャスタブル式。フロントのブレーキキャリパーはブレンボのモノブロック式ラジアルマウントタイプで、ハーレーにここまでスポーツ性能を高めた市販モデルが、かつて存在しただろうか。足まわりの充実ぶりには目を見張る。急速充電により60分でバッテリーをフルチャージできる。日本上陸は2021年を予定。

RIDING POSITION

足つき

ワインディングでは軽快なハンドリングを見せ、Vツインスポーツと変わらぬ旋回力を発揮。絶妙なのはエンジンブレーキにかわる回生充電の減速感で、コーナー進入でアクセルを戻すとしっかり速度を落として、車体を寝かし込む姿勢を整えてくれた。足着き性も良い。

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ウィズ ハーレー編集部

ウィズ ハーレー編集部

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