ミラノショーのヨシムラブースには、注目の新型カタナとともにもう1台のカスタムバイクが展示された。それがこのZ900RSというわけだが、カラーリングは欧州で標準ラインナップされるノーマルカラーのままで、マフラーとバックステップ、そしてハンドルバーとフェンダーレスキットが主な変更点。なのに、編集部ではそのたたずまいがある漫画に出てくるバイクによく似ていると話題になり……。
これ、なんかケンジ君のゼッツーぽくない?(ざわ……)
研二君とは、もちろん有名な「あいつとララバイ」の主人公である。彼の乗っていたZ2(ゼッツー)は、真っ赤なフレームに赤×白のボディが鮮やかで、セパレートハンドルによって空冷直4カフェレーサーの先駆けのような存在となっている。1年ほど前にはYMでも「2018新型Z900RSララバイ仕様が発売に!!」というスクープ記事(コチラ)を制作し、Z900RSベースでのララバイ仕様は「アリ!」と目していた。そんなこんなで時は経ち、この11月にミラノショーを取材していた際にスズキブースからヨシムラブースへと人々の荒波に揉まれながら、疲れ果てた記者がやっとの思いでたどり着いたとき、出会ってしまったのである(やや脚色しています)。
なんというか、塩梅がとてもちょうどいいのである。別にフレームが赤いわけでも、セパハンが装着されているわけでもないのに。もちろん見た目的にはマフラーによる効果も大きいのだが、そのハンドルの垂れ角と、テールカウルの長さ感。
え? これってセパハンじゃないの? とお思いでしょう。記者も思いました。そこで見ていただきたいのがもう1枚の写真。じつはフラットなパイプハンドルを逆付けするという荒業……でもないか、とにかくシンプルな工夫で雰囲気を作り出しているのである。そう、バーハンなのである。バーハン。
ノーマルでは往年のZ1よりも縦の高さ感があり、ゆえに全体にやや短い雰囲気があるZ900RSだが、このシンプルかつ現実的な変更によって低く長くという往年のカスタムイメージが甦ってきている。このスポーティな雰囲気は’80年代のレプリカブームに至る前、その過渡期の峠カスタムにも通じるスタイルと言えよう。今風に言うなら、やはりカフェレーサーということになるだろうか。
手曲げサイクロン
手曲げ、そしてサイクロン。もうそれだけで買いという人も少なくないだろう。4in1集合のレーシング手曲ストレートサイクロンは東京モーターサイクルショーやテイスト・オブ・ツクバで先行公開されていたもので、8月に発売された。政府認証・車検対応の手曲ストレートサイクロンも開発を進めているとのことなので期待したい。それはともかく、このスタイリングには惚れ惚れする。スチール管ならではの荒々しい響き(コチラの記事参照)も、最近のチタン管やステンレス管とはひと味違っている。
ステップはヨシムラの新ブランド「X-TREAD」
11月10~11日のテイスト・オブ・ツクバでも公開された新ブランドのバックステップも装着されていた。マフラーに合わせてステップもヨシムラで揃えたいという声に応える形でリリースされるもので、12月中旬に受注開始予定とされている。赤×グレーのヨシムラカラーにちなんで「スレートグレー」と名付けられた渋めのガンメタのような色は、ファン待望の一品といっていいだろう。詳細は関連記事(コチラ)を参照されたし。
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