●文:ライドハイ編集部(伊藤康司)
サーキットの闇を切り裂く2眼ヘッドライト
ヘッドライトは、“バイクの顔”としてイメージの重要な部分を占める。現在ではさまざまな形状のヘッドライトが存在するが、とくにフルカウルのスーパースポーツ系では、睨みを効かせる獣や猛禽類のような“2眼ヘッドライト”が主流だ。
近年は、ライトケースの中に複数の電球やLEDが内蔵される仕様も多く、厳密に言えば、4灯や6灯タイプと呼ぶべきかもしれない。だが、いずれにしても“2つの目”がデザインのベースにあるのは間違いない。
ちなみに、大型カウルのツアラーやネイキッド車も、ストリートファイター系だと2眼ヘッドライトがメジャーだ。
いうまでもなく、まだカウルもついていない昔のバイクは、ほぼ全車がフロントフォークにヘッドライトケースが装着された単眼(1灯)。いったい、いつ頃からなぜ2眼が流行り出したのだろう?
その答えのヒントは、“耐久レース”にある。
ヨーロッパでは、古くからロードレースの人気が高かったが、1970年代頃からナナハンなど大型バイクの台頭で、日本でも耐久レースの人気が高まった。
そして24時間耐久レース(ルマンやボルドールなど)では、夜中も走り続けるため、耐久レーサーにはヘッドライトが装備されるようになった。
じつはサーキットの夜間照明は、想像ほどには明るくない。そこをレーシングスピードで駆け抜けるのだから、ライトはできるだけ明るい方が良い。
とはいえライトを大型化するにも限度があるし、レーサーだから重くなるのは避けたい。
そのため、以前は遠くまで光が届く航空機の着陸灯(主脚に装備されているライト)をワークスマシンや有力チームが採用していた。
こうして、明るさと小径で軽量なライトを求めて辿り着いたのが“2眼ヘッドライト”というわけだ……
※本記事は2022年4月14日公開記事を再編集したものです。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
ライドハイの最新記事
排気量は“エンジンが1回に吸気できる容量”のこと 車検があるとかないとか、あるいは運転免許でもバイクのエンジンの大きさで制限など、さまざまに区分されているのは、ご存じのとおり。 そのエンジンの大きさを[…]
一瞬では理解しにくい高度な開発には、ホンダ伝統の反骨精神も必要!? Part1から説明している通り、4ストロークで挑戦を決めたNR500の開発で、ライバルとなる2ストローク4気筒500ccの110~1[…]
[A] スロットルを大きく捻らず、低いエンジン回転域で走りましょう 気がついたら燃料計が「E」の域に限りなく近かったり、バイクによってはウォーニングランプが点灯して、すぐ燃料補給するよう注意を促してき[…]
IMU(6軸センサー)とは、今どのぐらい加速していて、どんな傾斜姿勢にあるのかを検知するもの バイクを上手く操るには、さまざまなライディングテクニックもあるが、同時に「いま、バイクがどんな状態にある[…]
ビッグシングルのような低中速パンチ&ジェットフィールの高回転! Part1で触れたように、鈴鹿のバックストレートで2速も6速も同じ加速Gという、経験したことのない哮(たけ)り狂ったダッシュに怖れを感じ[…]
最新の関連記事(バイク雑学)
↓メインビジュアルのALT設定をお願いします(枠をクリック→右サイドメニューのブロックタブで設定) “都道最狭”155号線は、東京都八王子市と町田市をつなぐ道 「酷道」や「険道」といった言葉を聞いたこ[…]
↓メインビジュアルのALT設定をお願いします(枠をクリック→右サイドメニューのブロックタブで設定) 「かっこいいバイクじゃん!」「あんなクルマに乗ってみたいなぁ」 と、憧れのバイクやクルマを目の前にし[…]
文字の書体を表す言葉=フォント。日常生活で見かける文字は、用途に応じてさまざまなフォントが使われていますが、実は道路標識でもフォントが使い分けられています。 バイクはツーリングの進捗確認などのために、[…]
クラシックバイクの顔=フロントタイヤ 電子制御で、ますます高次元なパフォーマンスへ進化している最新バイク。しかし、そうした勢いにのまれることなく、緩やかに時が流れる、もしくは、時間を止めたかのようなト[…]
世界的に見ても、信号機や自販機などの公共物が多いと言われる日本。内閣府が公開している内閣白書によれば、信号機だけでも約20万800基が設置されている。 つまり、クルマやバイクを運転しているかぎり、人だ[…]
最新の関連記事(新型スーパースポーツ)
電動バイクはまだ実用性が……というバイク乗りへ バイクに情熱を傾けるエンスージアストにとって、これならバイク趣味として成立するレベルに達している。0-100km/h加速は2.6秒、公称航続距離420k[…]
6連覇王者の歓迎する記念モデル ヤマハのスーパーバイク世界選手権におけるオフィシャルチームを運営するクレセントレーシングは、限定仕様“ジョナサン・レイ レプリカ”の「YZF-R1」を発表。これは202[…]
おもちゃ感溢れる‘60sレーサー風:ONE-JOY125 ホンダ モンキー125より小ぶりな車体に、ホンダRC166に代表される’60年代のロードレーサー風のデザインをまとわせた一台。シングルシートに[…]
ヤマハのテッパンバイク YZF-R25/R3 次のお出かけはいつものつなぎにお気に入りのMA-1を羽織ってキャップにダテメガネってコーデにしよう! こういうベーシックなアイテムって色々なコーデに使えて[…]
ウイングで55万円、ミドルカウルは118万円ッ!! それは新たに設定された純正オプションのドライカーボン製アクセサリー。ラインナップされる全6点の価格を合計すると…ななんと300万3330円に達するの[…]
人気記事ランキング(全体)
330円の万能ソケット買ったので試してみたい いつ頃からだろうか?100円ショップが100円だけではなくなってしまったのは。工具のコーナーも例外ではなく、100円、200円、500円、ものによっては1[…]
↓メインビジュアルのALT設定をお願いします(枠をクリック→右サイドメニューのブロックタブで設定) 126~250ccスクーターは16歳から取得可能な“AT限定普通二輪免許”で運転できる 250ccク[…]
※2024年3月にWEBヤングマシンで大きな反響を呼んだ記事をあらためて紹介します。こちらは第4位の記事です(初公開日:2024年3月8日)。 車名が「セロー」になるかは不明だが、セロー的なものになる[…]
↓メインビジュアルのALT設定をお願いします(枠をクリック→右サイドメニューのブロックタブで設定) 燃料タンクは残し、カポッと被せて着せ替え完了! 車名の“エフモン”とは「CB-Fみたいなモンキー」の[…]
――はじめに、津久井高校の県内の位置付けや特色を教えてください。 熊坂:県立高校に移管される前も含めると、明治35年に始まった学校なので120年を超える歴史があります。全日制と夜間定時制の2課程ありま[…]
最新の投稿記事(全体)
↓メインビジュアルのALT設定をお願いします(枠をクリック→右サイドメニューのブロックタブで設定) 盗難されたナンバープレートは犯罪目的に使われる可能性も!? 警視庁のデータによれば、バイクやクルマの[…]
↓メインビジュアルのALT設定をお願いします(枠をクリック→右サイドメニューのブロックタブで設定) 125ccクラスは16歳から取得可能な“小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~5[…]
排気量は“エンジンが1回に吸気できる容量”のこと 車検があるとかないとか、あるいは運転免許でもバイクのエンジンの大きさで制限など、さまざまに区分されているのは、ご存じのとおり。 そのエンジンの大きさを[…]
長いガラス繊維をシート状に編み込むことで飛散を防ぐ ガラス繊維を重ね合わせたグラスウールは、吸音性が高いものの、経年変化で繊維が飛散すると消音性能が低下するため、定期的なウール交換が必要。また一般的な[…]
↓メインビジュアルのALT設定をお願いします(枠をクリック→右サイドメニューのブロックタブで設定) 126~250ccスクーターは16歳から取得可能な“AT限定普通二輪免許”で運転できる 250ccク[…]