お値段以上!? 中国メーカーZETHSの気になるバイク3種【‘60sミニレーサー125/‘90s耐久レーサーSS/ハーレー風アンダー400】

2024年3月22日(金)~24日(日)の3日間行われた東京モーターサイクルショー。その中でひっそりとブースを出していた中国メーカーZETHS(ゼス)で気になるバイクを発見! いずれもスタイリングが秀逸だし、いろいろツッコミたくなるポイント満載。販売代理店募集中の参考出展とのことなので、評価は日本仕様をどう作るか次第かっ!?


●文/写真:ヤングマシン編集部(石川順一) ●外部リンク:ZETHS

おもちゃ感溢れる‘60sレーサー風:ONE-JOY125

【ZETHS ONE-JOY125】■全長1570 全幅680 全高920  車重85kg ■空冷4スト単気筒 125cc 8.6ps/7500rpm 8.8Nm/5500rpm 燃料タンク容量10L ■タイヤサイズF/R=120/70R12 ●価格:8800元

ホンダ モンキー125より小ぶりな車体に、ホンダRC166に代表される’60年代のロードレーサー風のデザインをまとわせた一台。シングルシートにロケットカウルと本家さながらの外装ながら、デフォルメが効いているため、かわいらしさも感じる。

とにかく見た目のハッタリを効かせようとしている姿勢がステキ。タンクにはダミーのブリーザーホースがついているし、マフラーは贅沢にも二本出しだけれどちんまりとした排気口付きだし、クラシカルな雰囲気を際立たせているバーエンドミラーは平面鏡なので、後方視界は推して知るべし…と、コスト意識の高さもうかがえるつくりなのだ。

もっとも安心材料もある。エンジンはスーパーカブへのスワップ用として日本国内でも御用達のゾンシェン製125cc 空冷単気筒を採用しているのだ。スーパーカブ用のアフターパーツやカスタムパーツが使えそうだというのはうれしい。

足回りはミニバイクらしい必要十分な装備。前後ともに12 インチのホイールに 120/70サイズのタイヤ、そしてディスクブレーキを採用している。ちょっとブレーキディスクの薄さが気になるけれど、オプションにはABSも用意されている。

中国での販売価格は8800元(約19万円)。デザインはイケているし、モンキー125やグロムの半値くらいと考えればリーズナブル!? キットバイク的な割り切りは必要かもだけど。

デジタル表示の1眼メーターを採用。タンクから伸びているダミーのブリーザーホースのオレンジが眼を引く

ゾンシェン製空冷単気筒125ccエンジン。カウルに隠れてしまっているキックペダルはうまく使えるのか!?

カッコいいバーエンドミラー。ちょっと視界の調整には苦労しそう

スポークホイールでクラシカルな雰囲気バツグン

2本出しのマフラーがリアのビジュアルを引き立てている。排気口の小ささもデザインアクセント!?

本気度を感じる‘90s耐久レーサー風:ZFR525C

【ZETHS ZFR525C】■全長2050 全幅800 全高1150  車重183kg ■水冷4スト並列2気筒 493.9cc 54ps/8600rpm 50.2Nm/6500rpm 燃料タンク容量15L ●価格:2万9990元

’90年代の片目耐久レーサーをイメージさせる、丸みを帯びたフルカウルをまとったミドルクラススーパースポーツがこちら。とはいえショートテールで近代的なイメージも醸し出しているため、好みは分かれそうだ。

作りもかなりスポーティな本格派。アルミ製フレームに片持ちスイングアーム、プリロード調整可能な倒立フォークにモノサスなど、スポーツ走行を意識した構成だ。クラシカルなメガホンマフラーは純正でステンレス採用とバブル期の豪華な作りを思わせる。

エンジンはもはや老舗となったロンシン製の493.9 cc、DOHC並列2気筒を採用。形状からすると、ホンダ系の設計がベースになっていそうだ。最高出力54ps/8600rpm、最高トルク50.2Nm/6500rpmとCBR500Rに近い特性をもっている。

めちゃめちゃ良さげだけど、気になるのがやはりブレーキ周り。ブレンボを思わせる形状のラジアルマウントキャリパーにダブルディスクというとかなりハイスペックに聞こえるが、ブレーキディスクがちょっとペラい。走らせてみたら意外とよく効くのかっ!?

気になる価格は2万9990元(約62万円)。直接のライバルとなりそうなCBR400Rが86万3500円ということを考えるとお手頃だ。

バツマークがかわいいフロントフェイス。ヘッドライトはLEDだ

テールランプやウインカーもLEDを採用。後部に向かってかなり絞られたテールが特徴的

ステンレスのフルエキ。排気音も良さそう!?

カッコいいラジアルマウントキャリパー。ブレーキディスクの使用限界が何mmか気になる…

普通二輪免許で乗れるハーレーのクルーザー風:V SHAKE316

【ZETHS V SHAKE316】■全長2050 全幅800 全高1150  車重183kg ■水冷4ストV型2気筒 316cc 32ps/8500rpm 26.3Nm/6500rpm 燃料タンク容量14L ●価格:2万3680元

X350が登場したとはいえ、普通二輪免許でクルーザーに乗ろうと思うとハーレーには選択肢がない。そんな隙間需要にがっちり合わせてきたのが、この一台。ティアドロップ型のタンクにソフテイル的なフレーム構成、そしてコンパクトなフェアリング付きLED角形ヘッドライト等、ファットボブを思わせるデザインはなかなかの完成度だ。

エンジンもロンシン製ながら、きちんとVツイン。316ccで、最高出力32ps/8500rpm、最大トルク26.3Nm/6500rpmを発揮する。

ライバルとなるホンダ レブル250が最高出力26ps/9500rpm、最大トルク22Nm/6500rpm、カワサキ エリミネーターが最高出力48ps/10000rpm、最大トルク37Nm/8000rpmということを鑑みると、よりV SHAKE316は低速巡航のしやすさを意識しているといえそうだ。

駆動もチェーンでなくベルトドライブ方式。ここまで方向性をなぞっていると逆にハーレーからクルーザータイプの小型二輪クラスを出しづらくなりそう!?

ちなみに気になるのはやっぱりブレーキ周り。ほぼZFR525Cのフロントをシングルディスクにしただけの構成なので、ブレーキディスクのペラさもそのまま。ここまで採用車種が多いと、逆に乗って効きや耐久性を確かめたくなる。

価格は2万3680元(約50万円)。レブル250でも60万円~だし、後々のカスタム費用も考えればアリか!?

ティアドロップ型のタンクやセンターマウントのリアサス等、ソフテイルの文脈をよくなぞっている

ロンシン製のエンジン。ヘッドは水冷らしいのっぺりしたデザイン

前後ウインカーはブラックアウト。本家よりカスタム感マシマシ!?

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