![[ライテクQ&A] 憧れの’80年代ビッグバイクで、フロントから転倒した怖さを克服するには?〈教えてネモケン〉](https://young-machine.com/main/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
1000ccスーパースポーツに乗ってましたが、憧れの1980年代ビッグバイクを入手。通い慣れてるサーキットで走ったら、コーナー進入でアッという間にフロントが滑ってコケました。なぜ転んだのか? 細いタイヤに不慣れだけなのか? 不安でまた走る気になれません。どうしたら良いでしょう?
●文:ライドハイ編集部(根本健) ●写真:海保研
フロントフォークがデリケートに追従できなくなっているかも
A. 年代物のサスペンションなどの機能が低下していたら復活させるとともに、前輪が遅れて追従する走りのマナーを身体に覚えさせましょう。うまく乗ると応えてくれる、人車一体感にハマる醍醐味をぜひ!
ボクも前後18インチのバイアスナロウタイヤでビンテージレースに興じていたので、お話を伺っていると思い当たる部分があります。たしかに、最新バイクの感覚で無造作に乗ると痛い目に遭います。
で、まずは「そこまでシビアにならないと乗れないのか」と思われてしまいそうな話から始めます。
旧いバイクは、タイヤが細いとかいう前に、各部が新車のときよりヤレていますよネ? 状態は個々に違うとは思いますが、エンジンはもとより、サスペンションなども当初の機能を失っている可能大です。
たとえばフロントフォーク。インナーチューブに入っているダンパーオイルは、上下動するたびに微量が引っ張り出されて、徐々に減ってきます。それはオイルの油面が下がることに繋がり、ブレーキングで圧縮されるときのノーズダイブを深くしたり、奥のほうで動きが鈍くなる兆候が出やすくなります。
なぜなら、インナーチューブの中は、このダンパーオイルの油面から上が空気バネの役割もしていて、油面が下がるということは、バネ特性で言うと深く沈んだ位置で急激に立ち上がる、つまり柔軟な状態がいきなり硬くなるような過渡特性になりがちなのです。
…というだけで、仰っているブレーキングからリーンという段階で、大事な前輪の路面追従性を悪化させている疑いが大きいでしょう。
サーキットを、それも最新の愛車で走り慣れていると、旧いバイクだからと慎重なつもりでも、操作するリズム感や減速の感じが、旧いバイクにとってはハードなものになりがちなのです。
タイヤは当時のサイズの新しい製品で。驚くほどのグリップと安定性が得られます
それからタイヤについて。まだ溝が十分にあるとしても、製造してから10年近くも経っていたら、走らせずに保管してあったとしても、オゾンなどでゴム質は劣化しています。
「ひと皮むけば大丈夫」という人もいますが、サーキットの路面だとグリップしているような表面に摩耗痕が見えていたとしても、大事な減衰特性、つまりいきなりスリップせずにダラダラっとズレていくような鈍感力が落ちています……
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。
ライドハイの最新記事
直立単気筒はオフ車から転用せずロングストロークの専用設計! 1980年代のレプリカ全盛が過ぎると、各メーカーはパフォーマンス追求から多様なニーズを前提に様々なカテゴリーのモデルを投入した。 そんな中、[…]
ミニトレール以来の得意なデフォルメスポーツ! かつてヤマハは1972年、オフロードモデル(ヤマハではトレールと称していた)の2スト単気筒のDT系を小型にデフォルメしたミニGT50/80(略してミニトレ[…]
ストリートからワインディングまで、250レプリカをカモれるカフェレーサーを目指す! 1987年にヤマハがリリースしたSDR……それまでヤマハのスポーツバイク系ネーミング記号になかったアルファベットの組[…]
東京モーターショーへ参考展示された3年後に商品化リリース! 1992年にスズキからデビューしたSW-1は、さすがにここまで異様さを纏うと、当時も街中で滅多に見かけなかったが、偶然でも目に入ると「SW-[…]
マッハIII(500)から750・350・250と2スト3気筒は4クラスへ展開! 1969年にカワサキは世界進出の勝負球として、500ccで2ストローク3気筒のマッハIIIをリリース。 トップスピード[…]
最新の関連記事(ライディングテクニック)
半クラッチは熱膨張で繋がる位置が変わる! ほんとんどのバイクは、エンジンのシリンダーよりちょっと後ろに丸い膨らみがある。これがクラッチ。 丸い膨らみの中には、エンジンのパワーを発生するクランクシャフト[…]
ハンドルで前輪を押えると曲がる機能を妨げてしまう! よくいわれるのが、肩や腕にチカラが入っていると曲がりにくくなるということ。 とはいえ、チカラが抜けていたほうが理想的かも知れないけれど、いうほど違い[…]
クラッチレバーをグリップに当るまでフルに切るのは丁寧なのではなく、ギヤに衝撃を与えるラフな操作になってしまう! 大切な愛車、バイクの運転はまだ慣れていないので上手くはないけれど、操作は慎重で丁寧であり[…]
力むとライダーの荷重がタイヤに対し遅れて上下! よくバイクに乗るときは、力んだりせずにチカラを抜いてリラックスするようにいわれる。 もちろん緊張をほぐして余裕をもって操作しようという気持ちの部分もある[…]
使わないのは「どうせ利かない」もしくは「踏んでもよくわからない」…… リヤブレーキをかけているライダーは、驚くほど少ない。 ブレーキペダルを踏んでも利いているかわからない、すぐABS(アンチロック)が[…]
人気記事ランキング(全体)
日本を代表するツーリングロードのティア表だっ! 「次のツーリングは、どこへ行こう?」 そんな嬉しい悩みを抱える全てのライダーに捧げる、究極のツーリングスポット・ティア表が完成した。 ……いや、そもそも[…]
Z1、GPz900R、Ninja ZX-9Rから連なる“マジックナイン”の最新進化系 カワサキは、948cc並列4気筒エンジンを搭載したスーパーネイキッド「Z900」および上級モデル「Z900 SE」[…]
幻のヤマハロータリー〈RZ201〉 1972年東京モーターショウの最大の話題は彗星のように登場したこのローターリー車だ。水冷・横置きツインローターを搭載、また前輪とともに後輪にもディスクブレーキを採用[…]
涼しさの心臓部。それは「素材」と「構造」の魔法的組み合わせ うだるような暑さと、じっとりと肌にまとわりつく湿気。毎年繰り返されるこの季節に、多くの人が少しでも快適に過ごせる服を探し求めている。そんな中[…]
機能性を損なうことなく利便性を高めた、期待の新製品 おたふく手袋は、長年、多くのプロフェッショナルから信頼され続けている老舗軍手メーカー。同社が展開する「BODY TOUGHNESS(ボディタフネス)[…]
最新の投稿記事(全体)
バイク駐車場の拡充に取り組む千葉市 千葉市内には6区で50の鉄道駅がある。中でも千葉駅は千葉県の中心駅として、JR東日本の在来線6線と京成電鉄、さらに千葉都市モノレールが乗り入れている。 都心や成田空[…]
州知事や政府関係者のほか、従業員も参加し祝う 四輪車はもちろん、ビジネスジェット機でも知られ、最近では再使用型ロケットでも話題のホンダ。その始まり、つまり「祖業」は二輪車にある。 スタートは自転車用補[…]
2024年モデル概要:XSRらしさを受け継いだ末弟 海外で先行して展開されていたXSR125の国内導入が明かされたのは、2023年春のモーターサイクルショーでのこと。発売は同年の12月8日だった。 X[…]
似ているようでカブとはまったく違うのだ アウトドアテイストの強いCT125ハンターカブが人気だからといって、ここまでキャラクターを寄せてくることないんじゃない? なんて穿った見方で今回の主役であるPG[…]
実績豊富なディーラーによる絶妙なバランス感覚 全国のハーレーダビッドソンジャパン販売網がカスタムの腕とセンスを競うコンテスト『バトルオブザキングス』にて2年連続で日本一になった実績を持つワタナベモータ[…]
- 1
- 2