●記事提供: ライドハイ編集部
ディスクブレーキが大径なのは素早い温度上昇も狙う
スーパースポーツのように、高性能なマシンほどフロントのディスクブレーキ径(ローター径ともいう)は大径に設定してある。大きいほうが効く……大まかにはそれで間違いないのだが、その中にはブレーキを入力してから効きはじめるまでのレスポンス向上も含まれている。
なぜならローター径が大きいほど、ブレーキパッドがディスクを挟んだときの速度が高く、それだけ摩擦熱で素早く温度上昇するからだ。
エッ、ブレーキは熱くなると効かなくなるから冷やすほうに注力して、熱くなるからイイというのは聞いたことがない、そう思われたかも知れない。
実はディスクブレーキが冷たいうちは、摩擦熱も発生していない、つまり制動力として効いていないのだ。確かにあまりに高熱になると、操作に使っているブレーキオイルが沸点に達して、沸かしたお湯のように気泡が出て油圧入力を伝えられなくなるのをはじめ、パッドが炭化したりローターが反り返ったり、様々ブレーキが効かなくなる。
しかしある程度まで速やかに温度上昇しないと、素早いレスポンスが得られないのだ。
またリヤブレーキのローター径が小さいのは、ストッピングパワーをそれほど期待していないこともあるが、小径であれば温度上昇も急ではなくなり、いきなり効いてABSのロック防止に陥らないようにという前提も含まれている。
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