最新バイクの超強力なブレーキはレバーに触っただけでも強烈に効いてしまい、怖くてコーナー手前の減速アプローチがうまくできません。
●記事提供: ライドハイ編集部
A.ちょっとかけてみるような入力は誤解を生じる鋭い反応になるので、ジワッと入力を強める操作なら安心してかけられます
確かに最高速度が300キロ近くまで可能なバイクに装備されているブレーキは、レーシングマシン用と変わらない、とてつもなく強力な制動力を発揮します。特に低速でいきなりチョンと指をかけたときなどは、壁にでもぶつかったんじゃないかというほど突然猛烈に効きます。
そこからイメージできるのは、指一本で簡単に後輪が浮き上がってしまうほどの超高性能でしょうが、実は指で軽くかけてみるような操作だから生じているショックで、構造と機能を理解して操作すれば誰にでも扱える安心で従順な特性が与えられているのです。
考えてみれば当然なのですが、どんなプロでも触った途端にフルロックしてしまうようなブレーキは、使いようがありません。レースで神経を集中したいのは強力な制動力ではなく、コーナリングにいかに優位にアプローチできるかです。デッドヒート中ならなおのこと駆け引きの方に気を遣いたいワケで、意外に思うかもしれませんが、エンジン特性も含めてレーシングマシンは扱いやすさが戦闘力の鍵を握っているのです。
ブレーキは扱いやすさの秘訣のひとつに、セルフサーボ効果があります。試しにレバーを僅かに引いて、パッドがローター(俗に言うディスク面)に触ったあたりで待っていると、制動力が徐々に強まっていくのがわかります。これは摩擦熱で温度が上昇すると、摩擦係数が高くなって自然に効きが強まるのを前提にした設定だからです。
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