
ブレーキキャリパーは、ブレーキパッドの摩耗に伴って出るブレーキダストやホコリなどの汚れが付着するので、定期的な清掃が必要だ。過酷な環境でタイムを競うサーキットでの走行やレースシーンでは、公道走行以上に清掃が必要だ。清掃、さらに定期的なオーバーホールでは補修用インナーパーツが必要不可欠。ここではアドバンテージの補修パーツを紹介する。
●文/写真:栗田晃(モトメカニック編集部) ●外部リンク:アドバンテージ
メンテナンスが必要になった時に必要な部品が手に入る
全日本ロードレース選手権のJ-GP3クラスでEXACTホイールやダイレクトドライブレーシングディスクのユーザーが増加し、MotoGP Moto2クラスでもレーシングディスクが使われるなど、アドバンテージはフットワークパーツのプロショップとして影響力を高めている。
NISSINやSHOWAなどと共同開発したオリジナルブレーキやショックアブソーバーも同社の主要製品だが、それらのアフターサービスについても責任を持ってフォローし、必要なパーツを供給している。
レース用ブレーキパーツであれば、効力はもちろんだがタッチやフィーリングも重要で、ブレーキキャリパーのコンディションを維持するにはメンテナンスが不可欠となる。
そのためアドバンテージでは、TZ125やTZ250で使用されたNISSIN4ポットキャリパー用インナーパーツを販売している。これは同社が販売しているアドバンテージNISSINブランドの4ポットキャリパー補修用パーツでもあるが、TZ用の純正部品が販売終了となった現在では、数多くのユーザーから頼りにされている。
キャリパーシールやピストンシールはもちろんだが、ボディの合わせ面にセットするジョイントシールは小さいながらとても重要な部品であり、メンテナンスやレストア時の大きな助けになっているという。
ハードクロームメッキ仕上げのキャリパーピストンも腐食が生じると再メッキにもコストがかかるが、1個2200円で新品が購入できるのであれば、躊躇せず交換できる。
メンテナンスが必要になった時に必要な部品が手に入る。それもまたアドバンテージが信頼されるひとつの理由といって良いだろう。
レーサーやカスタムで定番のニッシン異径4ポット用インナーパーツ
TZ用ではあるが、このタイプのキャリパーはスズキGSX-Rシリーズ用としてもなじみがあるサンメカも多いだろう。ピストン径はφ34とφ30のコンビネーション。販売は1個単位なので、キャリパーがダブルならピストンは大小各4個ずつ使用する。ブリーダースクリューは1個735円(税抜)。
【キャリパーシールキット TZ125 ’96〜’00 TZ250 ’92 ’96〜’03】キャリパー洗浄時にパーツクリーナーとの相性が悪いとシールが膨潤することもあるので、フリクションが増えたら交換が必要。キャリパーボディセンターのジョイントシールは1個500円で、1キャリパー2個使用する。●価格:7500円 ※左右キャリパーで2セット必要
TZ用リヤキャリパー本体はついに廃版
TZタイプのリヤ用対向2ポットは、人気のパーツだったにもかかわらず、最近になり本体が販売終了となった。だがキャリパーシールとピストンの販売は続いている。
φ32のピストンは1個単位の販売で、1キャリパーで2個必要。シールキットはキャリパー1個分セットで販売。
【キャリパーシールキット/ピストン TZ125 ’94〜’00 TZ250 ’94〜’03】シールキット●価格:3500円/ピストンΦ25mm●価格:2200円 ※2個必要
純正仕様なのにアルミ鍛造+カシマコート
今となっては超レアなスズキB-KINGは、純正キャリパーピストンがアルミ鍛造+カシマコート仕上げとパーツまでレア仕様。ピストン径はφ34とφ30の異径4ポットで、シール類まですべて入って超リーズナブル。
【スズキB-KING用キャリパーピストンシールキット】●価格:6800円 ※左右キャリパーで2セット必要
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