
サンデーメカニックがリピーターとなって、使用前後の違いがクチコミで広がり、数多くのユーザーに注目されているエンジンオイル添加剤がスーパーゾイル。エンジンオイルの違いが体感性能となって現れる事実は、ベテランライダーなら誰もが経験したことがあるだろう。低年式エンジンのケアには定評のスーパーゾイルだが、新車だからこそ使っておきたいと考えるユーザーが多いのもまた事実。ここでは、新車購入してから実走行500km弱の新型ダックス125のオイル交換を実践しよう。
●文/写真:モトメカニック編集部 ●外部リンク:パパコーポレーション
グッドコンディションを長く保つために
12インチホイールの新型モンキーに続き、2022年に発売された新型ダックスST125。モンキーと同タイプのホイールや周辺部品を採用することで誕生した。モンキーよりも元祖ダックスに近いイメージがあることから、我々おじさんライダーには“注目の新車”、それがダックスST125だ。
CT125ハンターカブと同様、タイホンダによる生産車だが、最新型のハンターカブと同系列エンジンを搭載している(時系列的には新型ダックス系エンジンを最新CT125が採用。いずれも独立した濾紙式のオイルフィルターを装備するのが特徴)。
ホンダ横型エンジン伝統の粘り強い走りとタフネスさは譲り受けている様子だ。試乗すると、どこのギヤからでもスロットル開閉にエンジンが追従し、トルクフルな走りを実現。キャブ仕様ではなくFI(フューエルインジェクション)仕様による扱いやすさは、まさに特筆ものだった。
そんな新型ダックスを新車購入して500kmほど走ったので「そろそろ1回目のオイル交換をしたい」と話すバイク仲間。新車だからこそ、ナラシ運転の期間だからこそ、摺動部のアタリ取りが実は大切。そこで、スーパーゾイルを使ってオイル交換しようと提案。さっそくモトメカニック編集部のガレージへ運び込み、エンジンオイル交換とフィルター交換を実践した。
新車に搭載されたニューエンジンは、走らせていてカチッとした印象がある。いわゆるナラシ運転中は、新品部品同士が擦れ合っているため、馴染みがまだ出ていない。部分的には決して良い状態ではない箇所もある。そんな状況、つまり新車エンジンだからこそ“高性能ケミカルが効果的な働きをする”との意見も多い。
エンジン部品は“摺動摩擦部品”の集合体でもあるため、摺動抵抗=アタリが強ければ強いぶん、摩擦熱が起きやすい。そんな摩擦熱に反応し、部品表面に金属化合物が形成され、摺動抵抗を減らす効果を発揮するのがスーパーゾイルの特徴だ。
顕微鏡レベルで金属表面を凝視すると、肉眼ではツルツルのように見えても、じつは想像以上にただれていることが多い。そんな部品表面に金属化合物が形成され、摩擦抵抗の低減=フリクションロスの低減を可能にしているのだ。特に、初期馴染み効果を期待できるのが、高性能ケミカルであるスーパーゾイルだ。「新車だからこそ使いたい」と語るユーザーが、そんな部分に多いのだ。
新車ダックスST125には、100%化学合成のシンセティックゾイルを利用した。効率の良いナラシ運転、また長年に渡ってグッドコンディションを維持できるよう、大いに期待したい。
【シンセティックゾイル 10W-40 油膜+金属表面改質(100%化学合成油)】新車といえばメーカー純正オイルを使うユーザーが多いが、エンジンオイルへのこだわりや多くのユーザーから厚い信頼を得ているスーパーゾイルシリーズ。ここでは100%化学合成のシンセティックゾイルを利用した。浸透性が高いのも大きな特徴。ラインナップには、100%化学合成油のシンセティックゾイルと半合成のセミシンセティックゾイルがあるが、新型エンジンなので今回はシンセティックゾイルを利用してみた。粘度指数はオールラウンダーな10W-40を採用。●価格:4730円(1000ml) 1万8480円(4000ml)
新車ダックスST125のオイルをシンセティックゾイルに交換
排気管長を稼いで騒音や排ガス対策をしているためか、クランクケースの下でとぐろを巻くようなエキゾーストパイプデザインを採用。その真ん中にドレンボルトが見える。
ネジサイズ(ネジの太さ) は以前と同じながら、ボルト頭の二面幅が旧横型エンジンの17mm→12mmへと極端に小さくなったニューエンジン。オーバートルクに要注意。
オイルフィラーは、従来のように指先で開け閉じするタイプではなく、コイン型レンチで緩めるタイプに変更された。イタズラ防止の仕様変更!? かなり面倒…。
エンジンオイルを抜き取り、パーツクリーナーでボルトを洗浄したら、ドレンガスケットは新品部品に交換した。締め付け前にクランクケース側のネジ座をウエスで拭き取ろう。
とぐろを巻いたエキゾーストパイプが邪魔するので、通常のレンチやソケットではアクセスしにくい。今回は12mmのディープソケットとブレーカーバーを利用。最初の締め付けは指先で。
エンジンオイルを抜いたら、次にオイルフィルターのフタを取り外そう。流れ出るエンジンオイルでエキゾーストパイプが汚れてしまうので、厚紙+テープで排出ガイドを設けよう。
出てきたオイルフィルターを見てビックリ仰天!! 新車で走行500kmに満たないのに、濾紙の汚れ方は尋常ではなかった…。これはナゼなのか!? 驚きました。
汚れたオイルフィルターを見たら、フィルターケース内をウエスで拭き取ろう。メンテナンススタンドから降ろし、バイクを右に傾けながらウエスで拭き取っても良い。
パーツショップで購入してきた、新型ダックスに対応したユニオン製オイルフィルター。これとは別にフィルターキャップ用のOリングは純正部品を購入した。
小排気量エンジンはオイルの注ぎ口=フィラーの位置やサイズが小さく、オイルジョッキを利用して注ぎ入れるのが正しいが、ここでは自作のジョウゴを利用した。
ペットボトルをカッターで切って、キャップ部分にコーキングガンの先ノズルを挟んで締め込んだジョウゴを利用。アイディア道具があると作業性が良くなる。
シンセティックゾイルをボトルから直接注ぎ入れ、フィラーゲージを差し込みつつ油面を確認。ゲージ下限まで油面が上がったらエンジン始動しアイドリングさせる。
油面確認する際には、平地かつサイドスタンド利用で、車体を垂直まで起こした状態で確認しよう。フィラーはねじ込まずに、ケースカバーに押し付けるだけで測定しよう。
サイドスタンドしか装備しないダックス125なので、今回はメンテナンススタンドを利用した。フレーム接続部の組み合わせで、小型から大型までのスポーツバイクに対応可能。
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