
オンロード/オフロード/ソフトバイク/レジャー/ビジネス…。とにかく数多くのバイクに溢れていた1970〜80年代の原付クラス。足を揃えて乗るスクーター登場以前のバラエティに溢れた原付たちを「またがり系」と称して、とにかく集まろうと始まったのが「70s80sヤマハミニミーティング」。2011年の第1回以来、開催ごとに参加台数は増加し、機種のバラエティさもレベルアップ。一大イベントへと成長した。新型コロナ禍を挟んで2022年、3年ぶりとなった第10回も、以前と変わらぬヤマハミニ好きが多数集結し、大いに盛り上がった。
●文/写真:モトメカニック編集部(栗田晃)
レストア/カスタム/未再生を問わず、10回目のヤマハミニミーティングで“またがり系”の魅力を実感
バイクメーカーがニューモデルの開発を海外市場を含めて行わなければならない現在、存在感が薄くなりつつある50ccクラス。かつてはバイク趣味の入り口として不可欠だった50〜125ccモデルのうち、スクーター以外のヤマハ製バイクで集まるイベントとして始まったのが「70s80sヤマハミニミーティング」だ。
2011年の第1回から年を追うごとに規模が拡大し、“重点募集車両”として指定された機種を中心に、会場のヤマハコミュニケーションプラザにはレストア車/未再生車/カスタム車や魔改造車まで、バラエティに富むヤマハ好きが集結。
新型コロナウイルスの流行により2020年/2021年の開催を見送り、3年ぶりとなった2022年は、1972年デビューのミニトレ=MR50が生誕50年、同じく生誕40年にあたるRZ50/125/DT50/ポップギャルが重点募集車両となった。さらに2020/2021年に募集していたが集まることが叶わなかった重点車両群も集合。ただしコロナ感染拡大防止のため、会場敷地内への入場台数は40台に制限されており、全盛期ほどの賑わいとまではいかなかった。
とはいえ、今も元気なヤマハミニとオーナーの姿は小排気量絶版車の魅力を存分に感じさせるもので、午前10時のミーティングスタートから夕方に至るまで賑わいが途切れることがなかったのが印象的だった。
〈オーナー車紹介#1〉ヤマハGT50改GRD:高校生時代の思い出を再び! レストア/カスタムと続き3台目も製作中
高校生時代の愛車がミニトレだった“えっちゃん”さん。現在はスズキGTシリーズなどに乗る中で、10年ほど前に偶然見つけた走行1.5kmのGT50でミニトレ熱が再発。水冷ヘッドやイノウエチャンバーなどの当時モノパーツを装着するうちに、理想の1台を作るため別のベース車を購入。GT50フレームにGR50とRD50のパーツを組み合わせて「GRD」と名付けたカスタム車は、後年式のTZM50用足まわりを流用したディスクブレーキなど、新旧取り混ぜたハイブリッドな仕上がりが魅力。
「ミニトレは趣味バイクとしてのサイズ感がちょうど良い」と言うえっちゃんさん。未登録だった走行1.5km車(右)はカスタムを進める途中で「もったいない」と考え直してフルオリジナルに戻し、新たにGRD(左)を製作。
オーナー◎えっちゃん
GRDはフロントディスク化が最大のテーマで、TZM50用フロントフォークとキャリパーを調達したものの、TZM はキャストホイールのため、スズキマメタンカスタム用ハブとローターを流用。フレームはミニトレだが、RD50用スイングアームを組み合わせることでホイールベースを延長、RD50用タンク&シートとのマッチングを図っている。チャンバーは河内屋製GT80用。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
あなたにおすすめの関連記事
エアプレーンタイプのタンクキャップ車の場合は定期的なメンテナンスを エンジンの不調の原因の1つが、ガソリンタンクへの水の侵入と、それにより発生したサビ。特にエアプレーンタイプのタンクキャップを持つバイ[…]
サスペンションのプロショップならハイレベルな要望にも応えてくれる コシのある動きで車体の挙動を受け止め、ライダーとの一体感を高める大切な部品、それが前後サスペンションの役割である。ライダー個々の好みに[…]
従来モデルに比べて明らかにスリムになったヘッド周り ネプロスの新製品開発の最大のテーマとなったのは、コンパクト化と使いやすさの向上。狭い場所での使い勝手を左右するラチェットヘッドは全幅を4mm縮めて、[…]
チェーングリスを定期的に吹き付けていれば、側面でも簡単にはサビないもの… バイクを押し歩きした時の“妙な抵抗感”には要注意だ。その理由は様々だが、実は、前後ブレーキの引きずりではなく、ドライブチェーン[…]
20世紀末の400ccネイキッド、ガラパゴスと言うなかれ ’80年代中盤以降のレーサーレプリカブームに対するカウンターパンチのように巻き起こった、ネイキッド旋風。きっかけは1989年に登場したカワサキ[…]
最新の関連記事(モトメカニック)
メンテナンスが必要になった時に必要な部品が手に入る 全日本ロードレース選手権のJ-GP3クラスでEXACTホイールやダイレクトドライブレーシングディスクのユーザーが増加し、MotoGP Moto2クラ[…]
キラリと輝くクロームメッキは絶版車のアイコン。磨き、サビ取り、保護は専用ケミカルを活用したい メーカーから出荷された新車当時は同じ状態でも、その後の環境や手入れによって、10年後/20年後のコンディシ[…]
車両メーカーの純正バッテリーとしてもシェアを拡大 リチウムバッテリーは、同程度の容量の鉛バッテリーと比較すると、性能の指標であるCCA(コールドクランキングアンペア)値は2倍程度、寿命は3倍程度と、そ[…]
整備部門に加えて塗装や磨き作業まで社内で行うエルオート。コンディションに応じた最善策で販売車両を製作できるのが最大の強み 数ある絶版車の中で頂点に君臨し続けているカワサキZシリーズ。人気車種ゆえ大物の[…]
メンテナンスで覚えて、カスタムで楽しむモンキー&ゴリラ 今回登場するのは、88ccにボアアップした初期型Z50J-IIIゴリラ(1978)。排気量アップに合わせてキャブセッティングを行う必要性があると[…]
最新の関連記事(名車/旧車/絶版車)
従来色の赤が廃止された 発売は、2022年1月20日のこと。2020年モデルでマイナーチェンジを受けたこともあり、スペックはそのまま。前モデルのアップデート内容を振り返っておこう。プラス3psの最高出[…]
“Ninja”の伝説はここから始まった 滑走路で戦闘機と加速競争する姿、美人教官とのタンデム、苦悩を抱えて丘の上に佇む夕暮れ──。数々の印象的なシーンに初代ニンジャ=GPZ900Rがいた。 1986年[…]
2021年カラーがSP版で蘇った?! ホンダのキングオブネイキッド「CB1300スーパーフォアSP」および「CB1300スーパーボルドールSP」の2024年モデルには、赤いフレームのニューカラーが導入[…]
新5色ラインナップとなった2022年モデル 2022年モデルが発売されたのは、2022年6月23日のこと。2021年のフルモデルチェンジの際には、新設計の水冷エンジンが4バルブの「eSP+(イーエスピ[…]
ヤマハRZ201概要:同社らしさ溢れる、美しき工芸品 ドイツのヴァンケル氏が発明したロータリー式エンジンは、ピストン運動で動力を得る従来のストローク式のエンジンと比べ低振動で高出力、しかもサイズも小さ[…]
人気記事ランキング(全体)
シェルパの名を復活させたブランニューモデル カワサキが、KLX230シリーズをモデルチェンジするとともに、KLX230Sとしては3年ぶり(その他の無印やSMは2~5年ぶり)に復活させたのは、2024年[…]
新5色ラインナップとなった2022年モデル 2022年モデルが発売されたのは、2022年6月23日のこと。2021年のフルモデルチェンジの際には、新設計の水冷エンジンが4バルブの「eSP+(イーエスピ[…]
まず車間が変わることを理解しておこう! ツーリングでキャリアのある、上手なライダーの後ろをついてゆくのが上達への近道。ビギナーはひとりだと、カーブでどのくらい減速をすれば良いかなど判断ができない。そう[…]
ナンバー登録して公道を走れる2スト! 日本では20年以上前に絶滅してしまった公道用2ストローク車。それが令和の今でも新車で買える…と聞けば、ゾワゾワするマニアの方も多いのではないか。その名は「ランゲン[…]
15番手からスタートして8位でフィニッシュした小椋藍 モナコでロリス(カピロッシ)と食事をしていたら、小椋藍くんの話題になりました。「彼は本当にすごいライダーだね!」と、ロリスは大絶賛。「ダイジロウ・[…]
最新の投稿記事(全体)
メンテナンスが必要になった時に必要な部品が手に入る 全日本ロードレース選手権のJ-GP3クラスでEXACTホイールやダイレクトドライブレーシングディスクのユーザーが増加し、MotoGP Moto2クラ[…]
従来色の赤が廃止された 発売は、2022年1月20日のこと。2020年モデルでマイナーチェンジを受けたこともあり、スペックはそのまま。前モデルのアップデート内容を振り返っておこう。プラス3psの最高出[…]
H-D正規販売店との絆を取り戻す! 「日本において、ハーレーダビッドソンは世界の中でも稀有な“ハーレー大国”であり続けています。これからもともに、一緒に走り続けていきましょう!」 ハーレーダビッドソン[…]
犬吠埼を目指し、走景に染まるハーレー乗り かつてはハーレーは、乗り手を育てる乗り物だった。走っている途中で不調を訴え、時には急に呼吸を止めたりもした。だから乗り手は路肩にバイクを寄せ、工具を片手に処置[…]
シェルパの名を復活させたブランニューモデル カワサキが、KLX230シリーズをモデルチェンジするとともに、KLX230Sとしては3年ぶり(その他の無印やSMは2~5年ぶり)に復活させたのは、2024年[…]