
●文:モーサイ編集部(高垣)
Z/カタナ/CB/ニンジャ/SR…。2輪メーカー各社がリリースする有名モデルの名前は、バイクに乗る人も乗らない人も一度は耳にしたことがあると思う。
しかし、そんな有名シリーズの中にも隠れた迷車(名車?)がいるわけで…。ここではそんな日陰者たち(?)を陽の当たる場所へと引っ張り出してみた。
ホンダ ポートカブC240(1962)
1958年に初代C100が誕生して以降、愛され続けて60年。老若男女、国内外で愛されているホンダのスーパーカブ。そんな”カブ”の名を冠しながら、ごく短命に終わったのが、ここに紹介するポートカブ。
「世界中の港(=Port)でも見かけるくらい身近なカブであれ」との願いを込めて命名され、女性や老人でも気軽に乗り降り可能で、簡便な操作性を狙った廉価版モデル。2段変速のOHVエンジンや、プレスアンダーボーンフレームなど、専用部品が多数使用された。
が、本家と比べていくらか性能が低くなった一方で、”廉価版”の割に対して値段は対して下がらず、売れ行きは芳しいものではなかった。
ホンダ ベンリィCB135(1970)
CB92(1959)に端を発する「CB」の名は、今も旗艦モデルにその名が引き継がれる由緒あるブランドである。そして、そんなCBシリーズの変わり者というのが、1970年に登場した「CB135」だ。
1969年にモデルチェンジして登場したCB125のボアアップ版で、「高速にも乗り入れ可能なツーリングスポーツ車」という売り文句で。1970年9月から販売された。ただ、その半年以上前に同様のコンセプトでCB175が販売されており、誕生の経緯が気になるところ。価格的な理由から175が売れず、廉価版として135を作ったのかも…、という推測はできるが、真相は闇の中だ。
こちらはCB175(1970)。サイドカバーの形状やシングルかツインかなど、あちこち違いはあれど、基本テイストはCB125やCB135とほぼ一緒。
カワサキ Z200(1977)
Z1/Z2/FXなど、“漢カワサキ”の代名詞とも言えるカワサキ空冷Zシリーズ。その最小排気量車として、1977年に登場した「Z200」は、125cc並みの車格に198cc4スト単気筒エンジンを積んだロードスポーツモデルだった。
軽量かつコンパクトで、小排気量単気筒車らしいのどかな乗り味もあって、高速でかっ飛ばすというよりは街乗り向き。いや実際、トコトコ気ままに走ると気持ちいいのよ、これが。
カラーリング変更などを重ねながら販売が続いたが、1982年からZ250FSにバトンタッチする形で市場から姿を消した……
※本記事は2021年4月19日公開記事を再編集したものです。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
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