![ホンダ歴代CLシリーズ[名車レビュー] 最新CL250/500を含め、素性と乗り味に一貫性がなかった?](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/12/th_HONDA_CL250.jpg)
●文:モーサイ編集部(中村友彦) ●写真:山内潤也 ホンダ 渡辺昌彦
ホンダCLシリーズの決まりごとはアップマフラーぐらい
2023年5月に発売されたホンダCL250/CL500は、業界でも世間でも評判がいいモデルで、現時点での販売は好調なようである。でも僕の周囲には「あんなのCLじゃない」「クルーザーがベースのスクランブラーっておかしくない?」などと、異論を述べる人が存在する。
そういった意見はわからなくもないが、かつてのホンダが販売したCLの素性と乗り味は各車各様で、明確な決まりごとはアップマフラーくらいだったのだ。また、クルーザーがベースのスクランブラーは、確かに過去に前例が見当たらないものの、実際にCL250/500に乗って、クルーザーの気配を感じる場面はほとんどないと思う。
…などという話を編集部でしていたら、「それを記事にしませんか?」という展開になったので、当記事では歴代CLの特徴と個人的見解を記してみたい。ただし、50〜125ccクラスを含めると文字量が膨大になりそうなので、以下の文章で取り上げるCLは250cc以上のみである。
ドリームCL72スクランブラー(1962-):悪路走破性にかける意気込みの差異
昨今の2輪の世界では、“オフロードもある程度は走れるオンロード車”というのが、スクランブラーの一般的な認識になっている。
1960年にデビューしたCB72の派生機種として、1962年からホンダが発売を開始したCL72は(1966年にはCB77の派生機種となるCL77も登場)、日本製スクランブラーの原点と呼ばれることが多いのだが、このモデルは現行車で言うならトレール車・CRF250Lに相当する資質を備えていたのだ。
もっとも、当時の日本にはトレール車やオフロード車という概念が存在しなかったので、メーカーもメディアもCL72をスクランブラーと呼んでいた。とはいえ、CB72から転用した並列2気筒エンジンを除くと、セミダブルクレードルタイプのフレームや前後19インチホイール(リムはH型でスポークは40本)、容量10.5Lの小振りなガソリンタンク、頑丈な構成のステップなど、数多くの部品を専用設計したCL72からは、開発陣の悪路走破性にかける意気込みがヒシヒシと伝わってくるのだ。
【1962 HONDA DREAM CL72 SCRAMBLER】本文では派生機種という言葉を使っているが、CL72/CL77はその範疇に収まらないレベルの変更が行われていた。並列2気筒エンジンの最高出力は、CB72/CB77と同じ24ps/28.5ps。当時の悪路走破性を示す基準になる最低地上高は、CB72/CB77から50mm以上となる195mm/190mm。
[ベース車]ドリームCB72スーパースポーツ(1960-)
【1960 HONDA DREAM CB72 SUPER SPORT】1960年から発売が始まったCB72は、ホンダ初の250ccスーパースポーツで、1961年には兄貴分となる305ccのCB77が登場。フレームはダウンチューブが存在しないダイヤモンドタイプで、36本スポークのホイールは前後18インチ。最低地上高は140mm、ガソリンタンク容量は14L。
ドリームCL250(1968-):ロードスポーツCB250からの小変更に留まる
ところが、CL72の後継として1968年に登場したCL250は、そこまでの気合いを感じるモデルではなかった。ガソリンタンクやアップマフラーなどは専用設計で、フロントタイヤは18→19インチに変更されたものの、全体の雰囲気はあくまでも同年にデビューしたCB250のスクランブラー仕様(兄貴分として、CB350をベースとするCL350も併売)。端的に表現するなら、CB72とCL72の大差に対して、CB250とCL250は小差だったのだ。
【1968 HONDA DREAM CL250】CL72/77の後継車となるCL250/350は、CB250/CB350とほぼ同時期に開発。低中速重視の味付けが行われたエンジンの最高出力は、CL250:27ps/CL350:33ps。ホイールは前19/後18インチで、ガソリンタンク容量は9L。最低地上高はCB250/350+30mmの180mm。
[ベース車]ドリームCB250(1968-)
【1968 HONDA DREAM CB250】1968年に登場したCB250/350は、CB72/77の後継車。フレームはセミダブルクレードルで、全面新設計の並列2気筒エンジンは、CB250:30ps/CB350:36psを発揮。ホイールは前後18インチで、ガソリンタンク容量は12L。
CL400(1998-):第3世代はSR対抗馬
そして、CL250の生産終了から20年以上の歳月を経て、1998年から発売が始まった第3世代のCL=CL400は、かつてのCLとはまったく関係がないうえに、大差も小差もないモデルである。というのも、CL400にはベースと言うべき車両が存在しないし、新規開発のセミダブルクレードルフレームに搭載されるエンジンは、オフロードモデルのXR400Rから転用した空冷単気筒だったのだから。
なおCL400は、素性としてはCL72やCL250以上にオフロードが楽しめそうなのだが、レトロテイストを多分に意識したこのモデルの仮想敵はヤマハSRで、悪路走破性に対する配慮はわずかしか感じられなかった……
【1998 HONDA CL400】1998年にデビューしたCL400は、1960年代のCB450Dを思わせる左右出しアップマフラーを採用。オフロードモデルのXR400Rをベースとする空冷単気筒は29psを発揮。最低地上高は185mmで、乾燥重量140kg、装備重量155kg。250cc以上で歴代CLでもっとも軽い数値。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
モーサイの最新記事
ホンダ・スズキと同じく、浜松で創業した丸正自動車製造 中京地区と同様に、戦後間もなくからオートバイメーカーが乱立した浜松とその周辺。世界的メーカーに飛躍して今に続くホンダ、スズキ、ヤマハの3社が生まれ[…]
80年代、80ccであることのメリットに、金欠ライダーは着目した 高校生が自動二輪中型免許(当時)を取ったはいいけれど、愛車をすぐ手に入れられるかは別問題。資金の問題が立ちはだかるのだ。2年ごとの車検[…]
ヤマハ AG200(1985年2月発売)「AGはAGRICULTURE=農業の略」 直訳すると車名は「農業200」だが、いわゆる農耕地での移動や運搬に使われるバイクのこと。ホンダのCTシリーズと成り立[…]
’80年代の国内市場は短命モデルの宝庫でもあった 若年人口の増加も手伝い、国内でのモーターサイクル販売需要も多かった’80年代。エンジンは空冷から水冷化が進み、サスペンションもフレームも日々進化が見ら[…]
6年連続トップ人気の軽二輪! レブル250の魅力を500と比べつつ検証 2017年4月、250/500が同時発売されたホンダのレブルシリーズは、登場当初、かなり異色のクルーザーモデルに感じられた。エン[…]
最新の関連記事(名車/旧車/絶版車)
伝説のV3ワークス直系、プライベーターを支えた名車「ホンダ RS500R」の軌跡 1983年に発売されたRS500Rは、ホンダが世界タイトルを獲得したワークスマシン「NS500」の技術を継承して作られ[…]
1986年、異端児の誕生。「融合」の名を持つスクーター ホンダの250ccスクーター「フュージョン」は1986年に登場しました。フュージョンは1970年代後期にかけて流行したジャズとロック、ラテンなど[…]
“過剰性能”というコンセプト 第18回モンキーミーティングの会場を沸かせたリトルカブベースのカスタムマシンがある。その核となるのは「過剰性能」という明確なコンセプトだ。通常の車両開発では、性能は用途に[…]
様々な可能性が試された個性の時代 現代から過去を振り返って見ると、今に連なるメインストリームのマシン達が当然のように歴史を作ってきたように錯覚してしまう。しかし時代の王道を行くマシンの影には、無数の異[…]
浪漫の塊だったレプリカ 年末、あるいは正月にフランスのパリをスタートし、アフリカ大陸を走破してセネガルのダカールを目指す「パリ・ダカールラリー」(2009年からはコースを南米に移して開催)。1978年[…]
最新の関連記事(CL250)
自由な旅を加速させる、CLシリーズの魅力 ホンダのCL250やCL500は、街乗りからちょっとした未舗装路まで、ライダーの冒険心をくすぐるスクランブラースタイルが魅力のモデルだ。大人気モデルであるレブ[…]
2025年10月マイナーチェンジでCL250 Eクラッチはどう変わった? 2025年10月にマイナーチェンジを受けて発売されたCL250 Eクラッチ。大人気モデルであるレブル250の兄弟車として、エン[…]
この『バランス感』は写真じゃすべて伝わらない 突然ですが、私(北岡)はカスタムがかなり好きなほうだと自負しています。バイクに興味を持ち始めたころはストリート系カスタムが全盛期で『バイクはカスタムするこ[…]
ホンダCL250/Eクラッチの概要を知るなら… 車両の基本スペックと価格、そしてマイナーチェンジの詳細を報じたニュース記事を見よう。2025年10月24日に発売された新型CL250は、Eクラッチ搭載モ[…]
抜群に上手い半クラッチ制御、しかも再現性は完璧 正直言って驚いた。兄弟車であるレブル250で先行してデビューしていた250ccクラスのHonda E-Clutch仕様だが、10月に発売されたCL250[…]
人気記事ランキング(全体)
熊の出没が急増する季節、ライダーに求められる「万が一」への備え 熊の被害や出没件数は、これからの夏から秋にかけてまさに「本番」のピークを迎える。特に秋は冬眠に向けた過食期に入り、熊の行動が活発化するた[…]
SHOEIの美しいフォルムを損なわない完全専用設計 空力を徹底的に追求したSHOEIのヘルメット。そこに汎用インカムを外付けすると、どうしてもシルエットが崩れて風切り音の原因にもなる。「PACKTAL[…]
子育て世代の送迎・買い物ニーズが追い風に急増中 神奈川県伊勢原市に本拠を置く株式会社バブルが展開するEVトゥクトゥク「ビベルトライク(VIVEL TRIKE)」シリーズが、2026年7月時点で累計販売[…]
ワークマンプラス上板橋店で実地調査! 今年の夏もいよいよ本格化。連日、全国各地で35℃を超える猛暑を記録しており、今後40℃を超す「酷暑」となる地域も出ることになるだろう。 そんななかライディングを楽[…]
“魅せる”だけじゃない! 走りの相棒を優しく労わる機能美 このアイテム、とにかくシンプル極まりない。スチール製の骨組みで構成された無駄のないデザインで、「ただ置くだけ」でヘルメットを宙に浮かせたように[…]
最新の投稿記事(全体)
三輪車はもう古い?「本物のライダー」を育てる最初の1台 子どもが歩き始めた時、多くの親は最初の乗り物として三輪車や補助輪付きの自転車を買い与える。しかし、バイクを愛するあなたなら、もっと「二輪車らしい[…]
伝説のV3ワークス直系、プライベーターを支えた名車「ホンダ RS500R」の軌跡 1983年に発売されたRS500Rは、ホンダが世界タイトルを獲得したワークスマシン「NS500」の技術を継承して作られ[…]
220馬力へと引き上げられた、驚異のV4エンジン 「厳しい排ガス規制の中で、これ以上のパワーアップは難しいのではないか」。そんなライダーの懸念を、アプリリアの技術陣はいとも簡単に打ち砕いてみせた。 心[…]
前モデルからの進化:丸形LEDヘッドランプとABSユニットの刷新 「アドベンチャーモデルらしいタフな顔つきは好きだが、灯火類は最新のLEDが欲しい」。そんなライダーの要望を、2026年モデルは鮮やかに[…]
“魅せる”だけじゃない! 走りの相棒を優しく労わる機能美 このアイテム、とにかくシンプル極まりない。スチール製の骨組みで構成された無駄のないデザインで、「ただ置くだけ」でヘルメットを宙に浮かせたように[…]
- 1
- 2


![ホンダCL250/500|ホンダ歴代CLシリーズ[名車レビュー] 最新CL250/500を含め、素性と乗り味に一貫性がなかった?](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/12/th_CL250_CL500_002-1024x682-1-768x512.jpg)
![ホンダ レブル250|ホンダ歴代CLシリーズ[名車レビュー] 最新CL250/500を含め、素性と乗り味に一貫性がなかった?](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/12/th_2022_REBEL250-1024x679-1-768x509.jpg)
![ホンダ ドリームCL72スクランブラー(1962〜)|ホンダ歴代CLシリーズ[名車レビュー] 最新CL250/500を含め、素性と乗り味に一貫性がなかった?](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/12/th_1962_CL72-1024x705-1-768x529.jpg)
![ホンダ ドリームCB72スーパースポーツ(1960〜)|ホンダ歴代CLシリーズ[名車レビュー] 最新CL250/500を含め、素性と乗り味に一貫性がなかった?](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/12/th_1960_CB72-1-1024x707-1-768x530.jpg)
![ホンダ ドリームCL250(1968)|ホンダ歴代CLシリーズ[名車レビュー] 最新CL250/500を含め、素性と乗り味に一貫性がなかった?](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/12/th_HONDA_CL250-1024x683-1-768x512.jpg)
![ドリームCB250(1968-)|ホンダ歴代CLシリーズ[名車レビュー] 最新CL250/500を含め、素性と乗り味に一貫性がなかった?](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/12/th_HONDA_DREAM_CB250-1024x683-1-768x512.jpg)
![ホンダ ドリームCL400(1998-)|ホンダ歴代CLシリーズ[名車レビュー] 最新CL250/500を含め、素性と乗り味に一貫性がなかった?](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/12/th_1998_HONDA_CL400-1024x707-1-768x530.jpg)





































