ドライバーについている「六角」は何のため?【DIY整備のギモン】

ハックション! 花粉全開でいよいよ春到来! 新生活でバイクデビューした皆さんの中でメンテナンスにチャレンジする方も多いことでしょう。そして手にしたプラスドライバーをよくよく見てみると、物によってはなにやら軸のところが六角形状になっている・・・? 実はソレ、ベテランほど多用する便利な工夫なのです。失敗を防ぐ便利なテクニックなので覚えておいて損はないですよ~!
●文:[クリエイターチャンネル] DIY道楽テツ
この二本のプラスドライバーの違い、わかりますか?
軸の根元のところをよく見ると、六角になっています。
ドライバーについている六角部、これはアクセサリーではなくて、「六角軸付き」や「ボルスター」と呼ばれるもので、スパナやめがねが掛けられるようになってます。
何故スパナが掛けられるようになってるかというと、ズバリ「回す」ため。六角軸付きにレンチを掛けて回すことで、回転のトルクを倍増させることができるのです。
六角ボルスター付きドライバーは敵が強いほど活躍する
簡単なねじ回しなどでは出番がないのですが、強いトルクで締まったネジや、古いバイクのネジなど、固着したものを回す時などは、この「六角ボルスター付きドライバー」が大いに役立つのです。
回しやすく、扱いやすいプラスネジとプラスドライバーですが、大きな弱点もあります。それは、大きなトルクをかけた時に「ヌルッ」と舐めやすいことです。
ぎゃあ!
回すときにねじ溝からドライバーの先が浮き上がるのを「カムアウト現象」というのですが、それを防ぐために昔から「押すチカラ7 回すチカラ3」と呪文のように唱えられてきた基本中の基本があります。
だけど、固く固着したネジを回す時などは、回すのにも力が必要なので、ついつい押す力がおろそかになって、その結果としてネジをなめてしまうことが多々あるわけです。
そんな時には、この六角ボルスターが活躍します。
とにかく体重をかけて、それこそ9割を押す力に専念して、かけたレンチをクイッと回してやれば、ドライバー単体よりも何倍もの力で回すことができるわけです。
事実、このやり方は効果絶大です。ドライバー単体では絶対緩まなかったであろうネジを糸もあっさり回してくれちゃったりします。
このやり方を初めて教わった時、ガチガチに固着したネジがあっさり回って本当に感動したものです。いや~、あん時は驚いたのなんのって。
それからというもの、固着したプラスネジを回す時などは、 予防的に当たり前のようにスパナをかけて回すようになりました。転ばぬ先の六角ボルスター、ですよ。
ちなみに、メガネレンチが理想ですが、スパナやモンキーレンチでも十分仕事をしてくれます。
【注意】締める時は、ほどほどにね
また逆に、確実に締め込みたい時なども使うことができます。
トルク管理がしにくいプラスネジですが、六角ボルスターを活用することで、かなりしっかりトルクをかけて締め付けることができます。
ただし、注意が一つ!!
この方法だと、通常のドライバー使用時よりもかなり強いトルクで締め付けることができるので、六角ボルスター無しのドライバーでは緩めることが非常に困難になってしまうという欠点があります。
実はこれ、マジな経験談なのですが、全く緩まなくなってしまってしまったことが。結局、ショックドライバーの出番となってしまったので、これだけは皆さん、ご注意ください。
この記事が皆様の参考になれば幸いです。今回も最後まで読んでいただきありがとうございました~!
私のYouTubeチャンネルのほうでは、「バイクを元気にしたい!」というコンセプトのもと、3日に1本ペースでバイクいじりの動画を投稿しております。よかったら遊びにきてくださいね~!★メインチャンネルはコチラ→「DIY道楽」 ☆サブチャンネルもよろしく→「のまてつ父ちゃんの日常」
※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。
最新の関連記事(DIY道楽テツ)
アクセルワイヤーが長すぎた!というトラブル ハンドルを交換して長さが合わなくなってしまったり、はたまたケーブルそのものが痛んでしまったり。こうしたアクセルワイヤー(スロットルケーブル)を交換する際、「[…]
セルが弱くなったらバッテリー交換のサイン スクーターのバッテリーが弱ってきたのか、始動性がイマイチになってきました。 そういえば、このバッテリーもずいぶんずいぶん古くなってきたので、バッテリーを買い替[…]
新品タイヤが滑るその理由 新しいタイヤは滑ります。 滑りたくないから新しいタイヤに交換したというのに、なぜか新しいタイヤはマジで滑るんです(経験者は語る)。 なぜ滑るかというと、それはタイヤの製造過程[…]
場所によっては恒例行事なバイクの冬眠(長期保管) 「バイクの冬眠」…雪が多い地域の皆様にとっては、冬から春にかけて毎年恒例の行事かもしれませんね。また、雪国じゃなかったとしても、諸事情により長期間バイ[…]
燃料コックにも涙? それはある日の出来事。バイクで走り出そうとガソリンタンクの燃料コックをオンにした時、指先に冷たいものを感じました。 何があるのかと覗き込んでみると・・・燃料コックが泣いているぅ~![…]
最新の関連記事(メンテナンス&レストア)
エンジンがかからなくなった! うちの次男が乗るリトルカブくん、最近どうにもエンジンのかかりが悪いのです。どうやら、ちょっと興味深い始動不良のトラブルに見舞われてるっぽいのです。 「ガソリンタンク」・・[…]
お待たせしました経過報告です 前回のラバゲイン記事、おかげさまで大反響をいただきました。ありがとうございます! そして同時に、「続編が知りたい!」「その後どうなったの?」「どれぐらい持つの?」「いつま[…]
バイクいじり全般で使い勝手の良いスタンダードサイズ 自社内の多段鍛造設備で同じブランク材から鍛造するため、スタンダートサイズの全長は6角/12角/サーフェイスとも開口部5.5〜13mmは全長26mm、[…]
バイク置き場を有効活用できる。掛けてから移動できるリアスタンド バイクとの接点は、スイングアーム下から支える付属のL形アタッチメントか、スイングアームに取り付けたスプールに引っかける別売りのV形アダプ[…]
クロームメッキパーツのケアには専用ケミカルが有効 重厚な金属光沢が魅力的な装飾クロームメッキ。その被膜は0.02〜0.5㎛と極めて薄く、肉眼では見えない孔やクラックから浸入する水分によってクロム層の奥[…]
人気記事ランキング(全体)
2026年2月発売! 注目のカワサキ製新型ネイキッド3モデルに早速触れてみる 10月30日から11月9日までの期間に開催されたジャパンモビリティショーで初披露となったカワサキの人気モデルZ900RSの[…]
バイクやウエアを問わずに合わせやすいニューグラフィック シンプルながら計算高いデザインに仕上がっており、バイクのカテゴリーやウエアを問わず合わせやすいのが特徴だ。 カラーバリエーションは4タイプが揃う[…]
バイク向けの次世代コネクテッドクラスター かつてオーディオ機器を生産し、現在はカーナビやドライブレコーダーといったモビリティ向けの製品を主力としているパイオニアが、2026年1月6日(火)~9日(金)[…]
オフ走行の質を高める「ピボットレバー」と「アドベンチャーフットペグ」 オフロード走行において、転倒時のレバー破損リスクを軽減し、操作性を高めるパーツは必須レベル。それに応えるかのように設定されたのが「[…]
マルク選手7度目の王者を記念した最新レプリカモデルが登場! マルク・マルケス選手は、2025年のMotoGPシーズンチャンピオンを決め、通算7度目、6年ぶりのワールドチャンピオンを達成した。SHOEI[…]
最新の投稿記事(全体)
ヤングマシン電子版2026年2月号[Vol.639] 【特集】◆2025 試乗50連発!!~全日本ライダー岡崎静夏が選ぶ年間ベスト試乗モデル ◆新車1台モニター提供! マシン・オブ・ザ・イヤー2025[…]
CFD解析で最適化された圧倒的な「抜け」の良さ KAMUI-5の最大の特徴は、CFD(数値流体解析)を用いて配置と形状が再設計されたベンチレーションシステムにある。走行風を効率よく取り込み、ヘルメット[…]
どこが変わった!? ’25モデルのXMAX 2025年のモデルチェンジで新しくなったXMAX……なのだが、正直変化がわかりにくい(笑)。まぁ、ヤマハの公式HPで“「変わっていない」が最大の誉め言葉!?[…]
〈1983年3月〉SR400[34F]/500[34A]:STDもスポークホイール化 標準モデルもスポークにマイナーチェンジ。新設計のピストンリングやバルブ、オイルライン等も見直して耐久性を高め、セミ[…]
ホンダにとって英国はスポーツバイクの奥深さを学んだ特別なカルチャーのの土地柄! 1985年、ホンダはGB400/500と名づけられたビッグシングル(単気筒)スポーツをリリース。 その風貌はトラディショ[…]
- 1
- 2










































