[海外バイク旅]バイク天国ベトナムのカオスな交通事情をレポート。赤信号は30秒ルール!?

  • [CREATOR POST]Matt RiderJapan

●文:[クリエイターチャンネル] Matt RiderJapan

こんにちは! マットです! 普段は映像ディレクターとして新モデルのプロモーションビデオを勝手に解説しながらインプレッション記事を書かせていただいていますが…本日は番外編です!

先日、ベトナム随一の経済都市であるホーチミンに1週間ほど滞在していました。みなさんも「東南アジアだし、バイクが多そう」といったイメージをお持ちだと思います。今回はそんな「バイク天国」の交通事情やベトナムならではのサービスをレポートしていきます!

ルールはあるのか!? 無秩序な道路事情

ベトナムではここ数年の間でクルマの数も増えてきていますが、まだまだバイクが生活の足として欠かせないのが現状です。ベトナムに初めて訪れた方はその「バイクの多さ」と「公道の無秩序さ」に驚く事に違いありません…。

この写真だけを見ても違和感に気づきませんか…? そうです。十字路交差点において片一方が赤信号なのに、両方の方面から車両が進んできていますね…。さらに歩行者として道路を横断したい場合は、この状況の道路を突っ切ります。バイクやクルマは基本的には止まってくれません笑。

ちなみにこの写真は「赤信号になった直後」の様子です。赤信号になってから30秒ぐらいは信号無視してガンガン突っ込んでくるイメージです。完全に青信号側の流れになるまで時間はかかりますが、流れを認識すれば、みなさんしっかり信号を守ります笑。

歩行者の横断歩道は信号がない所が多いです。勇気を持ってガンガン渡るしかない!? 一歩踏み出してみると…

このようにバイクやクルマがガンガン歩行者に向かってくきます!! 「歩行者優先」という概念はないのか? と思いきや、不思議と歩行者を認識してスピードを緩めてくれます。逆に横断が怖いからと歩行者側が予測不能な動きをするとヒヤッとする場面もあるので、一定のスピードで渡りましょう。現地の方のアドバイスによると横断中に手を上げたり自分がいるぞアピールすることも大事だそう。

交通量が多い大型交差点は基本的に欧州のようにラウンドアバウト(環状交差点)が多いです。ラウンドアバウト交差点では信号がありません。そのため「カオス」という一言で表現するのが一番しっくりくると思います。正直、どう走って良いのかルールがわかりません…。現地の方と同じ動きをする「郷に入っては郷に従え」の精神が大事です笑。

場所によっては信号機も存在します。ベトナムの信号機は秒数カウントがあるところがわかりやすくて良いなと個人的には思っています。また次の写真のようにバイクのシンボルで右矢印の青色ライトが点滅しています。これが示しているのは、この交差点は「赤信号でもバイクのみ右折可能」ということ。バイク乗りにとっては天国のような標識ですね! ※ちなみにベトナムは右側通行

交差点の手前にはラウンドアバウト交差点の存在を示す標識が! 最近では日本国内でも規模の小さめのラウンドアバウト交差点を見かけますが、同じような標識がありますね。

滞在中にショートツーリングしてきましたがベトナムの道路事情は、この動画を見ていただくとよりイメージがつかみやすいと思います。僕は2018年にホーチミン→ハノイとバイクでベトナムを縦断した事がありますが、5年ぶりのベトナム公道という事もあり、運転に慣れるまでは緊張して無言状態でした笑。

ガソリンスタンドは意外と普通。満タンの概念がない?

こんなにもカオスな道路事情な国なのでガソリン給油もカオスな状況なのでは!? と思いきや案外普通だったりします。セルフ式のスタンドはありませんが、店員さんに入れてもらう方式のスタンドが数多く存在します。郊外を走っていても要所要所にガソリンスタンドの標識が設置されていて、近くにガソリンスタンドが存在する事を示してくれています。

そんなベトナムでの給油は言葉が通じなくとも簡単です。まずガソリンスタンドに入ってオクタン価が高い「95」の方を入れてもらうようにジェスチャーしましょう。日本のハイオクに近いオクタン価ですが、現地で流通している最近のバイクはほぼ「95」対応なので。そして入れてほしい金額分のお金を店員さんに渡すと、その金額分まできっちりガソリンを入れてくれます。

ベトナム人の生活水準から考えると決して安くない金額という事もあるせいか給油中は「メーターをしっかり見ろよ!」と「不正をしていないぞ!」アピールされます。逆にメーターを0にせず不正をしてくる店舗もごく稀にあるのでここは必ずチェックしましょう。

聞く所によると現地の人たちは、あまり満タンという概念がなく入れたい金額分だけ毎回給油するのだそう。最近では日本でもクルマだとガソリン満タンするには少々高いですもんね…。

ガソリンスタンドは有人店舗がメイン。列に並んでいるようで並んでなかったり…律儀に後ろに並んでいたりすると後から来た人に抜かされたりするので、空いた場所があったらそこにバイクを止めて店員さんが回ってくるまでお金を用意して待ちましょう笑

オクタン価が高い95の方を入れてもらいましょう。ただ現地では最近のバイクはほぼ95の方らしいので、店員さんは最初から95のオクタン価のガソリンを入れる前提で待ってくれています。

入れたい金額分のお金を先に渡すと店員さんが給油してくれます。僕はだいたい50,000〜100,000ドンの間でピッタリ入れてもらうようにしていました。

郊外でもある程度の間隔でガソリンスタンドがあるのも安心。近くにスタンドがある事を示す標識もあるので目安になります。

バイクタクシーが移動に便利! 配車アプリが初心者でも使いやすい

ベトナムをはじめとする東南アジア諸国では「バイクタクシー」の利用が、ちょっとした移動に便利です。しかも近年では配車アプリの台頭でバイクタクシーの利用も非常に便利になりました。特にベトナムで有名な配車アプリが「Grab」です。僕も滞在中にヘビーユースしていたので簡単にレポートします。

配車アプリ「Grab」で呼んだバイクタクシーのドライバー。緑のユニフォームが目印です。

まずGrabのアプリをダウンロードして各種設定をすませておきましょう。SMS認証もあるので個人的には出国前に日本国内で設定を済ませておくと後々楽です。

さっそくGrabでバイクタクシーを呼んでみましょう。自分が行きたい住所を入力するとざっくりとしたルートが表示され金額も事前に提示されます。この際にバイクだけでなくクルマも選ぶ事が可能です。

行きたい場所の住所を入力するとルートと金額が表示されます。事前に金額提示されるのは特に海外では非常に安心感がありますね!

確定を押した後、近くのドライバーを探している状態です。ホーチミンなどの大都市では数分でドライバーが見つかります。

ドライバーが確定すると現在地まで向かえに来てくれます。その際にバイクの車種やナンバーが一致しているかどうかを必ずチェックしましょう。流しのGrabドライバーも多いので、間違えて別のドライバーのバイクに乗りそうになる事が多々あります。乗車後、金額が違うなどのトラブルにもなるので注意しましょう。

予約ドライバーが到着したらヘルメットを渡してくるので、ヘルメットを被りリアシートに乗っていざ出発! 目的地まではちょっとしたツーリング気分を味わう事ができます。目的地に到着して支払いを済ませて完了です。この際、アプリにクレジットカードを事前に登録しておくとドライバーと直接金銭のやりとりをせずに支払いを完結できるので、トラブルも少なくなります!

ドライバーが向かっている様子。右下に大きく車両のナンバーが表示されているので一致しているかを確認!バイクの車種も表示されています。左下にはドライバーの顔写真、名前、評価などの情報も掲載されています。ちなみにドライバーとの合流に手こずると容赦なくアプリ経由でドライバーから電話がかかってきます。多くのドライバーが英語を話せないので電話がかかってくると焦ります笑

目的地までタンデムシートに座って移動! 約3キロほどの移動でこの日は22,000ドンでした。日本円で約130円と非常に安い!(※2023年12月の為替相場)

フードデリバリーサービスも充実!

日本国内でもUberEatsのようなフードデリバリーサービスが浸透してきましたが、バイク天国ベトナムでは日本以上にフードデリバリーが盛んです。実は先程紹介したGrabアプリ内でも注文が可能です。日本でUberEats を利用するとかなり割高になる印象がありますが、ベトナムのフードデリバリーはレストランなどで外食するのと同等ぐらいの金額になっているので滞在先のホテルまで届けてもらうなど、気軽に利用する事が可能です。

同じGrabアプリ内のフードデリバリーのコーナー。使い方は日本のUberEats を利用する感覚で使えます。

ベトナム名物バインミーサンドイッチとハンバーガーショップの店先の様子。ちょうどお昼時だったのもあり、店先にはGrabドライバーがずらりと並んでいます。日本でも都市部では同じような光景を見る場所もありますが、圧倒的にベトナムの方がバイクフードデリバリーサービスは盛んです。

ホーチミンの日本人宿をちょこっと紹介

今回のベトナム滞在でお世話になったのが「兎家(うさぎや)Hotel & Guesthouse」。なんと日本人オーナーさんということもあり、日本語が通じる格安宿です。ちなみにここ数年で「兎家」出発のベトナムバイク縦断目的のお客さんを30人以上見送ってもいるそうです。今回のベトナム取材の際、現地の情報やスポット案内などいろいろ協力していただきました! ありがとうございます! 僕のYouTube内でも紹介させていただいています。

日本ではなかなか見られない光景やバイクサービスが充実しているベトナム。バイクが国民の生活に欠かせない地域だからこそ見れる光景なのかもしれませんね!

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