【これからバイクに乗りたいビギナー向け】そもそも原付一種と原付二種の違いとは?

●文:[クリエイターチャンネル] Peacock Blue K.K.
これからバイクに乗ってみたいと考えている方々にとって、最初のバイクの選択肢として「原付」と呼ばれるクラスを思い浮かべるのではないでしょうか。
この原付バイクには、“原付一種”と“原付二種”が存在します。車格や価格帯が近いことから、混同されてしまうことも多いのですが、法的にはこれらは明確に区別されており、遵守すべき交通ルールも変わります。
これから初めて原付に乗るなら、両者の違いをしっかり頭に入れておきたいところ。一体どのような違いがあるのでしょうか。
初心者ライダーが知っておきたい、原付一種と二種の違いとは?
バイクは排気量によって免許区分が異なる乗り物であり、道路運送車両法によって50cc以下(定格出力0.6kW以下)は原付一種、50cc超え125cc以下(定格出力0.6kW超え1.0kW以下)は原付二種と定められています。
両者は排気量が異なるだけでなく、運転するにあたっていくつか違いがあります。これから原付一種/原付二種を購入しようと検討している人は、違いを知っておくと良いでしょう。
では両者にはいったいどのような違いがあるのでしょうか。
運転免許が異なる
まず1つ目の違いとしては、運転するために必要な免許が挙げられます。
原付一種は、原動機付自転車免許(以下、原付免許)/普通自動車免許を含む上位免許で乗ることができますが、原付二種については小型自動二輪限定免許(以下、小型二輪免許)またはその上位免許が必要となります。
これらの免許を取得する場合、原付免許は最短1日、費用は8000円程度で取得可能ですが、対する小型二輪免許は最短2〜6日程度、費用が8万〜20万円。普通自動車免許の取得状況やAT限定か否かなどによって幅があるものの、原付免許よりも時間/コストの両面でハードルが高いといえるでしょう。
二段階右折の有無
2つ目の違いは、二段階右折の有無です。
二段階右折とは、原付一種と軽車両のみに定められた独自の交通ルールで、走行している道路の進行方向の車線が3車線以上の多通行帯道路や、信号や警察官により交通整理されている、二段階右折禁止の標識が出ていない交差点が対象です。
「手間や時間がかかる」「謎ルール」などと、二段階右折の必要性についてはネット上でもたびたび議論に上がることも。
もし、原付一種を運転しているにもかかわらず二段階右折をしなかった場合は、反則金3000円と反則点数1点が科せられることになります。
なお、二段階右折を無視すると、信号無視として扱われる場合があります。これは、通常二段階右折をおこなう場合は交差点を渡り切ったあとは信号待ちとなるはずが、無視して直進したと判断されてしまうためです。
ナンバープレートの色
3つ目の違いは、ナンバープレートの色です。
原付一種と原付二種は車格が比較的近いモデルが多く、一見すると判別するのは難しいように思えます。しかし原付一種には白色、原付二種には50cc超え90cc以下は黄色、90cc超え125cc以下にはピンク色のナンバープレートが取り付けられています。
これによって、走行中の車両でもどちらの排気量なのか容易に判別することができるのです。
リヤフェンダーの三角マーク
また、原付二種のリヤフェンダーには、白い三角マークがつけられていることも違いのひとつとして挙げられます。この三角マークは原付二種特有のもので、一種と二種が判別しやすいように貼り付けられています。
この三角マーク自体は、剥がしても違反にあたりません。しかし、三角マークを剥がした状態のまま二段階右折をしなかったり30km/h以上の速度で走行した場合、原付一種だと勘違いされて取り締まられる可能性があるので、剥がさない方が良いでしょう。
法定速度
5つ目の違いは、法定速度です。
原付一種の法定速度は30km/hと定められている一方、原付二種はクルマと同様に60km/hとなっています。
なお、超過速度が大きいほど反則金/減点も大きくなります。
- 時速31km以上45km未満:反則金6000円+反則点数1点
- 時速45km以上50km未満:反則金7000円+反則点数1点
- 時速50km以上55km未満:反則金1万円+反則点数2点
- 時速55km以上60km未満:反則金1万2000円+反則点数3点
タンデム走行の可否
そして6つ目の違いとしては、タンデム走行の可否が挙げられます。
原付一種の乗車定員は法律で1名と定められており、2人乗りは禁止されていますが、原付二種はタンデム走行が可能。免許取得から1年以上経過/同乗者用のステップがある車両/同乗者がつかむグラブバー/ベルトがある車両であることが条件となっています。
これに違反した場合、反則金6000円と反則点数1点が科せられるので注意しましょう。
友人や家族と楽しむタンデム走行は良いものだが、免許取得後すぐにすることができない点には注意が必要だ。
以上が一種と二種の代表的な違いです。原付一種と二種は、免許及び交通ルールが明確に区別されており、よく理解しておかないと交通違反を引き起こしてしまう可能性があります。
自身のライフスタイルに合わせ、適切なクラスを選択することが大切です。
※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
最新の関連記事(ビギナー/初心者)
力まない柔軟な状態を保ちながら、カーブでのバイクのホールドはアウト側下半身で! 腕や肩、それに背中や腰など、バイクに乗るときはリラックスして力まない状態でいることが大事。ハンドルをちょっとだけでも押し[…]
おじさんライダーにはおなじみのテクニック 本来、クラッチケーブルはクラッチレバーのボルトとナットを外してからでないと、取り外せないもので、これがまた地味に時間がかかるもの。 それをもっと簡単に取り外し[…]
メーカーのサス設定はPL対策で乗りやすさと快適さを犠牲にしている! ほとんどのビッグバイクにはサスペンションの調整機構が装備されている。 しかし知識のないシロウトが触ったら、メーカーがテストを繰り返し[…]
バイク購入後の楽しみを提案し、一緒にイベントを楽しむ 関西/中部圏で6店舗ものBMW販売店を展開するモトラッドミツオカグループ。各店はツーリングをはじめ、さまざまなイベントを独自に実施しており、車両の[…]
改めて知っておきたい”路上駐車”の条件 休暇を利用して、以前から行きたかったショップや飲食店を訪ねることも多くなる年末・年始。ドライブを兼ねたショッピングや食べ歩きで日ごろ行くことのない街に出かけると[…]
最新の関連記事(Q&A)
[A] 前後左右のピッチングの動きを最小限に抑えられるからです たしかに最新のスーパースポーツは、エンジン下から斜め横へサイレンサーが顔を出すスタイルが主流になっていますよネ。 20年ほど前はシートカ[…]
『通称』と『道路交通法における区分』、『道路運送車両法による区分』がある バイク雑誌やWEBヤングマシンの記事を読んでいて「これってどうなってるの?」と混乱したことがある方もいらっしゃると思う。のっけ[…]
スーパースポーツの前傾姿勢は特にコーナリング向き! A.スーパースポーツとネイキッドでは、前傾度の違いだけでなく、シート座面へ体重の載る位置、重心となるエンジン位置とライダーの関係も違います。体幹移動[…]
ハイグリップ仕様でなくても溝が少なく浅い最新スポーツタイヤ! A. 確かに最新のツーリングを意識したスポーツタイヤは、少し前のサーキット専用のハイグリップタイヤのように、トレッドに刻まれた溝が少なく、[…]
車体を傾けたら真っ先に接地する“バンクセンサー” カーブを曲がるために深くバンクさせると、車体のどこかが地面に接地して、ゴリッとかガーッという音と共にステップから衝撃がきてビックリしたことがあるライダ[…]
人気記事ランキング(全体)
いざという時に役に立つ小ネタ「結束バンドの外し方」 こんにちは! DIY道楽テツです。今回はすっごい「小ネタ」ですが、知っていれば間違いなくアナタの人生で救いをもたらす(大げさ?)な豆知識でございます[…]
V3の全開サウンドを鈴鹿で聞きたいっ! ここ数年で最も興奮した。少なくともヤングマシン編集部はそうだった。ホンダが昨秋のミラノショーで発表した「電動過給機付きV型3気筒エンジン」である。 V3だけでも[…]
1978 ホンダCBX 誕生の背景 多気筒化によるエンジンの高出力化は、1960年代の世界GPでホンダが実証していた。多気筒化によりエンジンストロークをショートストトークにでき、さらに1気筒当たりの動[…]
ファイナルエディションは初代風カラーでSP=白×赤、STD=黒を展開 「新しい時代にふさわしいホンダのロードスポーツ」を具現化し、本当に自分たちが乗りたいバイクをつくる――。そんな思いから発足した「プ[…]
ガソリン価格が過去最高値に迫るのに補助金は…… ガソリン代の高騰が止まりません。 全国平均ガソリン価格が1Lあたり170円以上になった場合に、1Lあたり5円を上限にして燃料元売り業者に補助金が支給され[…]
最新の投稿記事(全体)
2018年モデル:Z1/Z2モチーフ 発売は2017年12月1日。モチーフとなったZ1・Z2は、ショートピッチの燃料タンク形状とオレンジの塗色から「火の玉オレンジ」と呼ばれたカラーリング。これが伝説の[…]
オートレース宇部 Racing Teamの2025参戦体制 2月19日(水)、東京都のお台場にあるBMW Tokyo Bayにて、James Racing株式会社(本社:山口県宇部市/代表取締役社長:[…]
Schwabing(シュヴァービング)ジャケット クラシックなフォルムと先進的なデザインを合わせた、Heritageスタイルのジャケットです。袖にはインパクトのある伝統的なツインストライプ。肩と肘には[…]
新レプリカヘルメット「アライRX-7X NAKASUGA 4」が発売! 今シーズンもヤマハファクトリーから全日本ロードレース最高峰・JSBクラスより参戦し、通算12回の年間チャンピオンを獲得している絶[…]
小椋&チャントラの若手が昇格したアライヘルメット まずは国内メーカーということで、アライヘルメットから。 KTM陣営に加入、スズキ、ヤマハ、アプリリアに続く異なる4メーカーでの勝利を目指すマー[…]
- 1
- 2