【GL1800専用】ミシュラン「ROAD W GT」は全方位の性能向上を目指して“ロード”シリーズの技術を投入【試乗インプレッション】

  • BRAND POST[PR]: ミシュラン

いわゆるクルーザー用のタイヤは、一般的なロードバイク用とは異なる基準で開発するのが通例である。ところが、ミシュランがホンダ・ゴールドウイング専用として生み出したロードW GTは、既存のパイロットロード/ロードシリーズで培った技術を転用しているのだ。

●文:中村友彦(ヤングマシン編集部) ●写真:山内潤也 ●BRAND POST提供:ミシュラン

純正以外では世界では初のゴールドウイング専用品

MICHELIN ROAD W GT

2025年2月にミシュランが発売したロードW GTは、2つの点で画期的なタイヤである。まず1つ目の画期的な要素は、2001年以降のホンダ・ゴールドウイング1800専用品であること。そもそもタイヤメーカーが、1つの機種に的を絞ってアフターマーケット用の開発を行うことは稀で、その事実からはミシュランのゴールドウイングにかける情熱が伝わって来ようというもの。

ちなみに、2001年以降のゴールドウイングのタイヤサイズは特殊で、前後セットで使えるアフターマーケット製は、フロントが130/70R18(2018年型以降も共通)、リヤが180/60R16だった2017年型以前用はそれなりに存在するものの、2018年型以降のリヤが採用する200/55R16はごくわずかしか販売されていない。いずれにしてもタイヤの選択肢の増加は、ゴールドウイングユーザーにとって歓迎するべきことだろう。

GL1800・ゴールドウイング専用にサイズ展開

ゴールドウイング【2001~2017】 ●タイヤサイズ前:130/70R18 後:180/60R16

ゴールドウイング【2018~】 ●タイヤサイズ前:130/70R18 後:200/55R16

そして2つ目の画期的な要素は、ゴールドウイングに適合する既存のアフターマーケット製タイヤが、あくまでもクルーザー用だったのとは異なり、スポーツツーリングタイヤの技術を転用して開発していること。具体的な話をするなら、ロードW GTにはパイロットロード/ロードシリーズで培ったノウハウが活かされていて(車格や特性を考慮した結果、トレッドパターンやサイプの構造は、あえて最新の6ではなく、4を踏襲)、こういった試みには“その手があったか‼”という感じで、驚きや新鮮さを感じる人が少なくないと思う。

ただし僕自身は近年のゴールドウイングに対して、タイヤへの依存度が低いという印象を抱いているので、一般的なロードバイク+アフターマーケット製タイヤのような変化は期待していなかった。事実、今回の試乗では、当初は何を基準に評価をするかで迷うこととなったのだが……。

接地面の状況が瑞々しく伝わってくる!

しばらく走るうちに気づいたのは、接地面の状況がわかりやすいこと。スロットルオンでは後輪、ブレーキング時は前後輪の接地面圧の高まりが如実に感じられるし、車体を傾けた際はタイヤのどの部分を使っているかが明確に把握できる。いや、その表現だと何を当然のことを言っているんだと思われそうだが、ゴールドウイングのような巨体でタイヤから瑞々しい情報が得られることは、個人的には意外な展開だったのだ。

乗り心地を向上しながら、それ以外の領域を大きく伸長しているのが印象的。

しかも接地面の変化がわかりやすいおかげで、車格が小さく感じられるし、その結果としてワインディングロードでは予想以上にスポーツライディングに没頭。もっとも近年のゴールドウイングは、ノーマルでも見た目を裏切る動きの軽さや旋回性が実感できるのだけれど、ロードW GT装着車の運動性はノーマルの3割増し?という印象なのである。

そしてそういった特性を獲得しながら、ゴールドウイングならではの絶大な安定感や上質な乗り心地が微塵も失われていないことも(それどろこか、路面の凹凸を通過した際は衝撃の収束の早さに感心)、このタイヤの素晴らしいところ。また、今回のテストでは確認できなかったけれど、これまでに体験したパイロットロード/ロードシリーズの性能を振り返ると、ウェット性能やライフにも相当な期待をしていいはずだ。

高速道路も、人里から離れた細道も、絶大な安心感と“手の内”感が走りをサポートしてくれる。

冒頭で述べたように、ロードW GTはゴールドウイング専用品である。もちろん、それはそれで画期的なことなのだが、今回の試乗でこのタイヤの美点を実感した僕は、車格がゴールドウイングと同等の他社製大排気量クルーザーに適合するサイズ、フロント用の19インチやリヤ用の18インチなども開発するべきではないか……と感じているのだった。

【TESTER 中村友彦】旧車用バイアスから最新SSに適合するハイグリップラジアルまで、タイヤ事情に詳しい2輪ジャーナリスト。ミシュランのパイロット/ロードシリーズは歴代全モデルを経験。

MICHELIN ROAD W GT のディテール

ロード6の技術を転用する形で、サイドウォールの社名と製品名はベルベット調のプレミアムタッチデザインを採用。深みのある陰影を構築。

トレッドパターンはパイロットロード4を踏襲。ただし車格や車重を考慮して、排水性に貢献するの細い溝=サイプは少なめに設定。

ロード5/6のサイプは内部に進むほど幅が広くなる逆三角形構造だが、剛性を重視するロードW GTはストレート形状を選択している。前後ともカーカスの外周には、高速走行時の遠心力によるトレッドのせり上がりを抑制するため、アラミドファイバー製保護プライを配置。カーカスは、細身のフロントが3層だ。

カーカスは、極太のリヤは2層構造。リヤにはハンドリングの最適化を図る、ラジアル-X Evoテクノロジーを導入している。

MICHELIN ROAD W GT サイズラインナップ

フロント130/70R18 M/C 63H
リヤ180/60R16 M/C 74H
リヤ200/55R16 M/C 77H

※価格はオープン



※本記事はミシュランが提供したもので、一部プロモーション要素を含みます。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。