ミシュラン「ロード6」インプレッション【ベクトル変えずウェット性能や耐久性を向上】

  • 2022/01/24 14:48
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ラジアルタイヤの激戦区であるスポーツツーリングカテゴリーにおいて、卓越したウェット性能で人気を集めるミシュランのロード5が「ロード6」へとフルモデルチェンジ。果たしてその実力は?

●まとめ:ヤングマシン編集部(大屋雄一) ●写真:日本ミシュランタイヤ ●取材協力:SP忠男 浅草店 ●BRAND POST提供:ミシュラン(日本ミシュランタイヤ お客様相談室:0276-25-4411)

[◯] 積み上げた信頼性を維持。安心感をさらに高める

マカダムシリーズの後継として初代パイロットロードが誕生したのは’02年。つまり今年はミシュランのロードシリーズ20周年ということに。前作ミシュランロード5(以下、ロード5)が世界的に高く評価され、個人的にも愛車に履かせていたので、新作ミシュランロード6(以下、ロード6)への期待は大きい。

今回はヤマハのMT-07とトレーサー900、そしてホンダのCB1300SBでロード6とロード5の比較試乗をすることができた。あえて排気量/気筒数/車重/フレームの材質が異なるモデルを選んだが、前後タイヤサイズは3機種とも同じ。ゆえに車両とのマッチングについてもじっくり観察することができた。

ミシュラン ロード6

【MICHELIN ROAD 6】●価格:オープン

ミシュラン ロード6

比較試乗はクローズドコースで実施。峠道を模したハンドリング路をはじめ、散水路でのブレーキングやスラローム、高速周回路も走行した。

結論から述べると、新しいロード6とロード5の違いは僅差だ。前作が好みだっただけにキャラクターの変化を危惧していたが、それは杞憂に終わった。その中で両者の違いに言及すると、最初に気付くのはハンドリングだ。ロード5はわずかに早くフロントの舵角が付き、旋回中はリヤが腰高に感じられるのに対し、ロード6は前後タイヤのシンクロ率が上がったかのようで、コーナー進入からのバンキングがよりナチュラルになっている。車重が重くなるほど明確で、ロード6を履いたCB1300はバンク角の少なさがうらめしいほど。

一方、MT-07では差が小さく、旋回中の安定感はロード5の方がいいとも思えた。なお、トレーサー900ではABSやトラクションコントロールの介入を確認しながら走行したが、ドライグリップに関してはほぼ同等だ。

ウェット性能はさすがで、グリップ感の高さだけでなく、その様子が伝わってくるので安心感が高い。スラロームでわずかに軽快なのはロード6だが、ロード5の手応えというか粘りはネガではなく、これを接地感と捉えるライダーがいても不思議ではない。

進化のベクトルは一切ブレておらず、その中でロード6は味付けというかニュアンスが変わった程度と言える。いずれにせよ、激戦区で勝てるだけの性能なのは間違いない。

ミシュラン ロード6
ミシュラン ロード6

【ウェット性能を格段に向上】パイロットロード4からロード5へ移行した際には、すべての項目で最大30%もの性能が向上。今回はウェットグリップ15%/高速安定性5%/耐久性10%アップとなっている。なお、これらの数値はテストライダーの感覚を定量化したもので、感じ方は人それぞれだ。

ミシュラン ロード6

【摩耗後でも高い排水性】パイロットロード3から採用されたXサイプテクノロジー。前作のロード5では摩耗が進むほどサイプの幅が広がるXST EVOへと進化し、今回のロード6では名称がミシュランウォーターエバーグリップテクノロジーへ。サイプのエッジを面取りして、極端な条件下での異常な摩耗を抑制する工夫も。

ミシュラン ロード6

【重量車用「ロード6 GT」は構造を最適化】ロード6の内部構造はポリエステルとアラミドカーカスがそれぞれ1枚なのに対し、重量車向けのロード6 GTはリヤにポリエステルカーカスをもう1枚追加することで必要な剛性と安定性を確保。一方フロントについてはこうした違いこそないものの、チューニングは施されているとのこと。

ミシュラン ロード6|ベルベットテクノロジー

【ベルベットテクノロジーでより上質に】サイドウォールのロゴの明暗差はベルベットテクノロジーと呼ばれるもので、表面の微細なピラミッド形状が光を吸収して陰影を作り出す。

新旧でどう変わった?

ミシュラン ロード5
ミシュラン ロード5

【ロード5:鳴り物入りのACT+。前作を全面的に凌駕】’18年2月に発売されたこのロード5から、呼称の簡素化を受けて”パイロット”を省略。ケーシングをビード部で折り返してショルダーをクロスプライ構造とする独自のACT+をリヤタイヤに採用。これはパワーRSで培われたテクノロジーだ。

ミシュラン ロード6
ミシュラン ロード6

【ロード6:2CT+を前後に採用し、旋回時の安定性を向上】内部構造はACT+ではなく、前後とも高密度/高剛性カーカスを採用した一般的なラジアル構造に。コンパウンドはショルダー部のベースにハードコンパウンドを用いる2CT+を、前作ではリヤのみだったがロード6では前後に採用。

GPライダー2人の評価は?

ミシュラン ロード6|原田哲也

【原田哲也さん:車重が重いほどロード6の良さが際立つ】そもそもロード5の完成度が高いので、ロード6との違いはブラインドテストだと分からないレベル。とはいえ、重量車ほどロード6の軽快感と旋回力の高さが明確になりますね。車種やスキルによってはロード5の安定感を好む人はいるかもです。

ミシュラン ロード6|岡田忠之

【岡田忠之さん:さらに上のパフォーマンスを追求】荷重に対してしっかりたわんでくれ、それが接地感や安心感を生んでいるロード5に対し、新しいロード6は前後ともカシッとしていて、転がり抵抗が少なく、エッジグリップも高い。

車種や好みによってはロード5が合う可能性もあり

フレームやサスがしなやかで軽いなど、タイヤへの依存度が低い車種ではロード5との違いが分かりにくいかも。それだけ前作の完成度が高かったという証でもある。しばらく併売されるので、好みで選んでもいい。

こんな人におすすめ:歩幅は小さいが確実に前進した万人向けタイヤ

ライダーがスポーツツーリングタイヤに求める性能を高次元で達成してきたのがミシュランの歴代ロードシリーズであり、その最新版であるロード6は歩幅こそ小さいながらも確実に前進している。スポーツタイヤのパワー5が守備範囲を広げてきただけに、あとは自分の乗り方に合う方を選んでほしい。


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