“中免”で味わえるトライアンフの世界:新型スピード400/スクランブラー400X【丸山浩試乗比較】
英国発祥の老舗ブランド・トライアンフから、普通二輪免許で乗れる新型400×2台が登場。1台は、バイクらしいスタイルをオーセンティックな雰囲気でまとめた「スピード400」。もう1台はフロント19インチの大径タイヤや、ロングサスペンションなどでダート走行までフィールドを広げた「スクランブラー400X」だ。丸山浩がその実力をチェック!
●まとめ:ヤングマシン編集部(宮田健一) ●写真:真弓悟史 ●BRAND POST提供:トライアンフ
【テスター:丸山浩】本誌メインテスターを務めるプロフェッショナルライダー。「バイクエンジンの原点とも言える単気筒には、やっぱりオーセンティックなスタイルが似合うね」と第一印象。
トライアンフ スピード400
トライアンフ スクランブラー400X
丸山浩の比較試乗インプレッション
完全新作の単気筒はバイブレーションが心地いい
嬉しいニューカマーの登場だ。エンジンはどちらも単気筒で、最高出力は40ps。完全新設計の水冷DOHCであるのだが、直立したシリンダーや空冷風のフィン、それにエンジン右側にあるクラシックシリーズ共通イメージの三角形のオルタネーターカバーが、オーセンティックな雰囲気を大きく高めているのがいい。
跨ってみると、スピード400はそのスタイル通り極めてスタンダード。普通二輪免許取り立ての人にも安心して薦められるライディングポジション。足着きは両足指の付け根までと、かかとは浮くが、車重が軽いので引き起こしは簡単。ハンドルバーの広さ/高さもちょうどいい。
また特徴的なバーエンドミラーも、肘がちょっと映り込むぐらいで視認性に優れているところが嬉しい。
もう一方のスクランブラー400Xは、サスペンションが長くなっているぶん、スピード400と並べると車格もひと回り大きく感じられ、存在感は抜群。その代わり、足着きはつま先がようやく着く感じと厳しめだ。とは言っても、すでにバイクにある程度慣れている人なら心配なく、免許取り立ての人でも身長170cm以上あればなんとかなるはず。
エンジンをかけてみると、マフラーからは単気筒らしいパルス感ある心地いいサウンド。街中を走ってみると、適度なバイブレーションがじつに爽快。低回転から粘りがあって、エンストする気配がほとんどないのも、初心者に優しいオススメできる点。
小回り性能もスピード400は抜群で、スクランブラー400Xはそれより大回りになってしまうものの、大型バイクよりはずっと扱いやすい。2人乗りも試してみたが、後ろの人とライダー間の距離など相性もいいので、とくに足着きの良いスピード400は、街に繰り出すふだん使い用のマシンとしても最適だ。
オーセンティックな外観と相まり、街中のトコトコ走りが楽しいスピード400&スクランブラー400Xだったが、アクセルを開けるとこれがけっこうなパンチ力。速さの上でも相当な実力を持っていたのだ。
高速道もワインディングも高い性能が光る!
街から離れ、高速道路で山に向かう。昔からの単気筒イメージだと、回していくと振動が厳しくなって、高速道でもだいたい80〜100km/h程度が楽しく走れる許容範囲。だが、この2台だとその速度域は余裕の範疇。新東名で使う120km/hまでも一気に持っていける。9500rpmでレッドゾーンとなるエンジンは、この時まだ7000rpm位。
しかも、そのあたりの回転数から一段とパワーが盛り上がってくるので、そこから追い越し加速する余裕まであるほど。単気筒でも、今どきの交通事情にしっかり対応している。
この元気のいいエンジンで、ワインディング性能も予想以上に高かった。スロットルレスポンスの良さと車体とのパワーバランスの良さで、右に左にとマシンを軽快に切り返すことができ、走りを存分に楽しめる。
ブレーキのタッチもいい。サスセッティングは軟らかいが、体重80kgぐらいまでのライダーなら、ハードブレーキングでも十分に受け止めてくれるバネレートを持っている。
峠の楽しみ方として、スピード400はけっこうタイトに曲がってくれる高い旋回力を活かした、まさしくシングルスポーツのそれ。スクランブラー400Xの方は、寝かせるのは軽いけど、フロントタイヤが大きくホイールベースやトレールも若干長いため、スピード400ほど旋回力は高くない。流しながら走るのが似合っている。
そのスクランブラー400Xでは、フカフカのダート区間も走ってみた。普通そうした場所では、トラクションコントロールが効いているとトラクションがカットされ、パワー不足からフロントタイヤが土に埋まってハンドルを取られ、逆に走りにくくなることも。だがスクランブラー400Xでは、トラコンをオフにできるうえ、ABSにオフロードモードを用意。他にもペダル類をスチール製とするなど、本気の作りとなっている印象だ。
比較試乗まとめ
すべてにおいて使い勝手のいいスポーツシングルにまとまっているスピード400。そこそこダートも走れるうえ、疲れにくい大柄ライディングポジションで、ロングツーリングにも行きたくなるスクランブラー400X。400クラスに楽しい選択肢が増えた。
トライアンフ スピード400/スクランブラー400Xディテール比較
ライディングポジション
エンジン
足まわり
ハンドルまわり
燃料タンク
丸山 浩のワンポイント“ココが魅力”
※本記事はトライアンフが提供したもので、一部プロモーション要素を含みます。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。