早くも国内上陸! トライアンフ ストリートトリプル765RS 試乗インプレッション【まさに新時代最強のナナハンクラス】
モト2選手権にエンジンを供給することでも知られるトライアンフが、同系エンジンのスポーツネイキッド「ストリートトリプル765R/RS」をアップデート。国内試乗会から柏秀樹による”RS”の試乗インプレッションをお送りする。
●文;ヤングマシン編集部(柏秀樹) ●BRAND POST提供:トライアンフ
【テスター:柏秀樹】砂漠もサーキットも旧車も大好きで45年にわたりテスト走行してきた評論家。ライディングスクールKRSの講習内容進化に燃えている。
【’23 TRIUMPH STREET TRIPLE 765 RS】主要諸元 ■全長2050 全幅790 全高1060（ミラー含まず） 軸距1400 シート高836(各mm) 車重189kg ■水冷4スト並列3気筒 762cc 内径77.9×行程53.3mm 圧縮比13.25:1 最高出力130ps/12000rpm 最大トルク8.16kg-m/9500rpm 変速機6段 燃料タンク容量15L ■キャスター23.2°/トレール96.9mm ブレーキ形式F=φ310mmWディスク＋4ポッドキャリパー R=φ220mmディスク＋1ポッドキャリパー タイヤサイズF=120/70-17 R=180/55R17
乗り手のスキルを問わない”ザ コーナリングマシン”〈トライアンフ ストリートトリプル765RS 試乗インプレッション〉
’23年型トライアンフ ストリートトリプル765RSの国内向けプレス試乗会が千葉県のフォレストレースウエイで開催された。
チェックしたいポイントは2つ。「無類の曲がりやすさ」に変化があるのか、「7psアップの130psエンジンがどんな風になったのか」である。だが、いざ走り出したらそんな予想を超えて「曲がり方」に磨きがかかっていたのだ。
加速旋回、エンジンブレーキによる減速旋回、フロントブレーキを強く掛けながらのブレーキング旋回、いずれも走り込みによる「慣れ」を必要としない。装着されたピレリ スーパーコルサSP V3がへばりつくように路面を捉えて、コーナーは意のまま。例えば初めてのカーブでさえも、慣れ親しんだカーブのように気軽にラインを変えながら車体を自由に深々とリーンできる。
初めてのバイクにありがちな「様子を見る」が一切不要。これはナナハンクラスならではの軽さとコンパクトさがなせる技でもあるが、2気筒のクラシック系モデルを含めてハンドリングにハズレがないのがトライアンフの特徴だ。
前後サスペンションに高荷重が掛けられないビギナーにとってもこのマシンは魅力的に感じるはずだ。サスのセッティングなど忘れて標準サス設定のままで誰もが安心して走りに没頭できる。乗り手次第でモト2チャンピオンマシンのわずか4～5秒落ちで世界中のサーキットが周回できると開発エンジニアは豪語するが、それも素直にうなずける。あらゆるライダーを包み込む懐の深い匠のフレーム作り／サス設定がストリートトリプルの見逃せないチャームポイントなのだ。
さらにこの乗りやすさを増幅させたのが今回のエンジン系のポテンシャルアップだ。旧型はアイドリング付近のトルクとレスポンスがやや希薄だった。だが今回は低回転からの押し出しが明確になり、5速までのギアレシオをショート化したことと相まって、ゆったりした走りを許容する一方で、中高回転の伸びがより楽しめるようになった。
4気筒エンジンを思わせるフレキシビリティと高回転の伸び。そして2気筒エンジンの押し出しを思わせるダッシュ力。コーナー手前でギヤ選択をミスってもアクセルを開けるだけで強い加速力を見せつける。
だがそれ以上にワインディングの相棒としてこのマシンは最適。100馬力を超えるツインの大半は強いパルス(脈動)を伴う。これはテイストとして短時間、短距離なら味わえるがロングランは辛くなりやすい。クラッチとスロットル操作の繊細さが不可欠になるのだが、この3気筒エンジンはどのギヤを選択しても、多少ラフなクラッチミートをしても、長時間に渡りハイペース走行もマイペース走行も楽しく維持できる強さを持つ。
1速で200km/hに届こうとするリッタークラスの過剰とも言えるパワーは、スリッピーな路面やバンピーな路面、ブラインドコーナーの連続はなかなか辛い。だがこの765㏄3気筒エンジンは真逆。どんな道でも、長い時間乗っても操る気持ち良さが続く。
軽量で3気筒ならではのスリムな車体に軽度の前傾姿勢となるライディングポジションも絶妙な設定。ゆったり走行では実にお気楽。景色を楽しみ、時にはシャキッと高回転まで回してワインディングを楽しむにも最適な前傾フォームとなる。メカノイズも少なく、3気筒特有の図太いサウンドは疲れずに集中力維持ができ、走るほどにマシンとの一体感が得られる。
サーキットのスポーツ走行もストリートファイターとしてもツーリングの相棒としても、実に器用にこなしてくれる優秀で面白いバイク。まさに新時代最強のナナハンクラス。それが最新ストリートトリプル765RSだ。
トライアンフ ストリートトリプル765RS 車体概要
トライアンフ ストリートトリプル765RS スタイリング／カラーリング
車体色はシルバーアイス／カーニバルレッド／コスミックイエロー。●価格:149万5000円～
灯火類をフルLED化。タンク／ラジエーターカウル／ヘッドライトフィニッシャー／リヤボディを一新。ベリーパン(アンダーカウル)とリヤシートカウルは新色へ。リヤシートは交換可能。
トライアンフ ストリートトリプル765RS ライディングポジション
軽度の前傾姿勢になるハンドル形状のためストリート／ワインディング／サーキットなど守備範囲が広い。タンク＆シートレールがスリムなため標準シートでの足着き性は思いのほか良好。[身長180cm/体重75kg]
トライアンフ ストリートトリプル765RS エンジン／マフラー
モト2エンジン供給技術を還元してきた新作エンジンは燃焼室／吸気ポート／圧縮比／コンロッド／バルブリフト量変更などで7馬力アップを果たした。
ガルウイング式スイングアーム下に収まったコンパクトかつ深いバンク角を約束する新作マフラーは、3気筒ならではの図太いサウンドを放つ。
トライアンフ ストリートトリプル765RS 足まわり
ショーワ製BPFフォークには2枚の∅310mmのフローティングディスクとブレンボ製スタイルマ4ピストンラジアルモノブロックキャリパーを採用。
ガルウイング形状の両持ち式鋳造アルミ合金製スイングアームには、Φ220mm径のローターにブレンボ製シングルピストンキャリパーをセット。
フルアジャスタブルタイプのリヤショックはオーリンズ製だ。
タイヤはピレリのディアブロスーパーコルサ
タイヤは公道向けとしながらサーキット走行にも対応するピレリ製ディアブロスーパーコルサV3 SPを採用。テスター陣が1日走ってもこの溶け方。
トライアンフ ストリートトリプル765RS 主要装備
ストリートトリプルのアイコンとなる新型LEDデュアル式ヘッドライト上部はデイタイムランニングライト(昼間点灯)を装備。
ハンドルバーは従来モデルより12mmワイド化している。
5種のライディングモード／コーナリングABS／トラクションコントロール／フロントホイールリフト量／クルーズコントロールなどを直感的に設定できるブルートゥース機能付き(電話／ナビ)フルカラー5インチTFTメーター採用。
パラレルツインに迫るニーグリップ部のスリムさを活かすタンク形状によりアグレッシブなライディングが可能になった。
従来型のスリムなテールレンズを踏襲するLEDテールライト。シーケルシャル式ウインカーとフェンダーレスキットをオプションで用意。
※本記事はトライアンフモーターサイクルズジャパンが提供したもので、一部プロモーション要素を含みます。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
