ミシュラン「ロード6」インプレッション【ベクトル変えずウェット性能や耐久性を向上】
ラジアルタイヤの激戦区であるスポーツツーリングカテゴリーにおいて、卓越したウェット性能で人気を集めるミシュランのロード5が「ロード6」へとフルモデルチェンジ。果たしてその実力は?
●まとめ:ヤングマシン編集部(大屋雄一) ●写真:日本ミシュランタイヤ ●取材協力:SP忠男 浅草店 ●BRAND POST提供:ミシュラン(日本ミシュランタイヤ お客様相談室:0276-25-4411)
[◯] 積み上げた信頼性を維持。安心感をさらに高める
マカダムシリーズの後継として初代パイロットロードが誕生したのは’02年。つまり今年はミシュランのロードシリーズ20周年ということに。前作ミシュランロード5(以下、ロード5)が世界的に高く評価され、個人的にも愛車に履かせていたので、新作ミシュランロード6(以下、ロード6)への期待は大きい。
今回はヤマハのMT-07とトレーサー900、そしてホンダのCB1300SBでロード6とロード5の比較試乗をすることができた。あえて排気量/気筒数/車重/フレームの材質が異なるモデルを選んだが、前後タイヤサイズは3機種とも同じ。ゆえに車両とのマッチングについてもじっくり観察することができた。
結論から述べると、新しいロード6とロード5の違いは僅差だ。前作が好みだっただけにキャラクターの変化を危惧していたが、それは杞憂に終わった。その中で両者の違いに言及すると、最初に気付くのはハンドリングだ。ロード5はわずかに早くフロントの舵角が付き、旋回中はリヤが腰高に感じられるのに対し、ロード6は前後タイヤのシンクロ率が上がったかのようで、コーナー進入からのバンキングがよりナチュラルになっている。車重が重くなるほど明確で、ロード6を履いたCB1300はバンク角の少なさがうらめしいほど。
一方、MT-07では差が小さく、旋回中の安定感はロード5の方がいいとも思えた。なお、トレーサー900ではABSやトラクションコントロールの介入を確認しながら走行したが、ドライグリップに関してはほぼ同等だ。
ウェット性能はさすがで、グリップ感の高さだけでなく、その様子が伝わってくるので安心感が高い。スラロームでわずかに軽快なのはロード6だが、ロード5の手応えというか粘りはネガではなく、これを接地感と捉えるライダーがいても不思議ではない。
進化のベクトルは一切ブレておらず、その中でロード6は味付けというかニュアンスが変わった程度と言える。いずれにせよ、激戦区で勝てるだけの性能なのは間違いない。
新旧でどう変わった?
GPライダー2人の評価は?
車種や好みによってはロード5が合う可能性もあり
フレームやサスがしなやかで軽いなど、タイヤへの依存度が低い車種ではロード5との違いが分かりにくいかも。それだけ前作の完成度が高かったという証でもある。しばらく併売されるので、好みで選んでもいい。
こんな人におすすめ:歩幅は小さいが確実に前進した万人向けタイヤ
ライダーがスポーツツーリングタイヤに求める性能を高次元で達成してきたのがミシュランの歴代ロードシリーズであり、その最新版であるロード6は歩幅こそ小さいながらも確実に前進している。スポーツタイヤのパワー5が守備範囲を広げてきただけに、あとは自分の乗り方に合う方を選んでほしい。
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