若者のバイクの事故率は依然として高い

なぜ若い人のバイク保険料率は下がらないのか?

●記事提供:MOTO INFO ※本記事はMOTO INFOより転載(オリジナル記事は2021/10/19公開)

バイクに乗る際、事故や転倒はもちろん、相手を怪我させてしまった場合など、万が一の事態に対する備えとして任意保険加入の必要性が非常に高いことはみなさんご存知のことでしょう。

損害保険料率算出機構「2020年度 自動車保険の概況」

損害保険料率算出機構「2020年度 自動車保険の概況」より [写真タップで拡大]

2020年3月時点で、国内には約367万台ものバイク(排気量125cc超)が保有されているものの、ファミリー特約など自動車保険に附帯するバイクの任意保険を除くバイク単独での任意保険(以下、バイク任意保険)の加入率は低く、約44%という統計が出ています。また、同じく任意保険加入の必要性が高いクルマと比較しても、約半数にとどまっています。

では、なぜバイク任意保険の普及率はいまだ低いままなのでしょうか?

クルマやバイクに関する保険は2種類ある

まず、自動車やバイクに関する保険には、自賠責保険(強制保険)と任意保険の2種類があります。

自賠責保険は法律で契約が義務付けられているのに対し、任意保険は文字通り任意で契約加入するため強制ではありません。

自賠責保険とは、事故被害者の救済を目的としているため、対人事故の場合のみ、一定の金額の範囲内で補償されるものです。つまり、自賠責保険の限度額を超えた賠償請求、運転者自身が死傷した場合や、物損などに対する補償はありません。

また、万が一事故により相手に重大なケガを負わせたり、死亡させてしまった場合、高額な賠償責任が発生する可能性もあります。そんな自賠責保険の補償だけでは補いきれない損害をカバーしてくれるのが、任意保険というわけです。

なお、任意保険は民間の保険会社が提供するだけあって、「対人賠償保険」「対物賠償保険」「人身傷害保険」「搭乗者傷害保険」「自損事故保険」「車両保険」といった様々なリスクにあわせた保険が用意されています。

高額な保険料がハードルに

さて、バイク任意保険のメリットについて理解していただけたかと思いますが、それでもバイク任意保険の加入率は一向に上がりません。その最大の原因は高額な保険料です。

任意保険の保険料を決定するとき利用されるのが「ノンフリート等級」という等級制度があります。この等級は、契約者の事故歴によって事故リスクの高さを1〜20等級まで区分しており、等級が高いほど割引率が高く、事故リスクが低い契約者ということになります。

初めてバイク任意保険に加入すると、割引率の低い6等級からスタートします。その後事故を起こさなければ、契約更新時に毎年1等級ずつ上がり、保険料の割引率は上がっていきます。

また、保険料の算出方法は他にも「バイクの排気量」「契約者の住所」「免許の色」「使用目的」「年間の走行距離」などの要素も加味しており、特に「契約者の年齢」が大きく影響しています。

そのため、バイクに乗り始めてまもない若者にとって、高額な保険料が任意保険加入のハードルとなり、結果としてバイク任意保険の普及率停滞を招いています。

若者のバイクの事故率が要因

若い人の保険料が高額になる最大の理由、それは若年層による事故率です。

ここで、警察庁の発表した2020年中の「交通事故統計」より、原付以上運転者(第1当事者)の年齢層別免許保有者10万人当たりの交通事故件数を見てみましょう。

警察庁「交通事故統計 – 原付以上運転者(第1当事者)の年齢層別免許保有者10万人当たり交通事故件数の推移(2020年)」

警察庁「交通事故統計 – 原付以上運転者(第1当事者)の年齢層別免許保有者10万人当たり交通事故件数の推移(2020年)」 [写真タップで拡大]

免許保有者10万人当たりの交通事故件数としては、16~19歳が1075.4件と最も多く、次に多いのも20~24歳の595.5件という数字が出ています。

なお「原付以上運転者」とは、原付とバイクおよびクルマの運転者のことで、「第1当事者」とは、最初に交通事故に関与した車両の運転者のうち過失が重い者のことです。

この統計ではクルマも含んでいますが、総じて若年層の交通事故率が高いことがお分かりいただけるでしょう。

次に、同じく警察庁の「交通事故統計」より、2020年中のバイク死傷者数について年齢層別に見てみましょう。

警察庁「交通事故統計 – 自動二輪車乗車中の年齢層別死傷者数の推移(2020年)」

警察庁「交通事故統計 – 自動二輪車乗車中の年齢層別死傷者数の推移(2020年)」 [写真タップで拡大]

この図からも、やはり20〜24歳によるバイク走行中の死傷者数が最も高く、2020年中で3,078人という結果が出ています。

これら様々な過去の統計からリスクを鑑み、損害保険料率算出機構によって保険料率が決定され、各保険会社が保険料を算出しています。

10代から20代の事故発生率が高いため、年齢が若いほど保険料が高くなるように設計されているのです。

保険料引き下げはひとりひとりの安全意識にかかっている

若い人のバイク任意保険の保険料が下がることで、バイク任意保険の普及率が向上する。任意保険料の引き下げによって、バイクに乗る人もより一層増える。

そんな好循環を生み出すために最も重要なこと、それはすごくシンプルで、バイクによる交通事故を減らすことです。

現在バイクに乗っている方は、ハンドルを握る以上、”いちライダー”としての責任を負うことになります。まずは私たちひとりひとりが安全運転に努めることで、より良いバイク環境へと繋がるのです。

終わりに、若年層ライダーのバイク死亡事故には様々な要因があげられますが、警察庁の交通事故統計によると、最も多いのがガードレールなど防護柵に衝突する単独事故です。単独による事故は、外的要因よりも運転技術の過信によって引き起こされるケースが多いため、バイクの安全運転レッスンに参加してみるのも良いのではないでしょうか。

これからバイクに乗る方も、バイク任意保険の料率見直しに向けた最初のステップとして、是非とも正しい安全知識を身につけましょう!

損害保険料率算出機構「2020年度 自動車保険の概況」
https://www.giroj.or.jp/publication/outline_j/j_2020.pdf

警察庁「交通事故統計 – 自動二輪車乗車中の年齢層別死傷者数の推移(2020年)」
https://www.npa.go.jp/publications/statistics/koutsuu/toukeihyo.html

警察庁「交通事故統計 – 原付以上運転者(第1当事者)の年齢層別免許保有者10万人当たり交通事故件数の推移(2020年)」
https://www.npa.go.jp/publications/statistics/koutsuu/toukeihyo.html


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