
JMS2025には国内外から多数のモビリティが集結したが、中でもユニークだったのが「一般小型原付」と「電動アシスト自転車」をシームレスに相互変換できるプロダクト「グラフィットGFR03」だ。電動原付バイクでありながら電動アシスト自転車にもなる、今会場で初公開された日本発のGFR03を深堀りしよう。
●文&写真:ヤングマシン編集部
電動原付一種バイクながら電動アシスト自転車にも切り替え可能
50ccの原付一種バイクが生産を終え、これまでこのクラスを利用してきたユーザー層が新車に乗り換えるなら、上限125cc以下の新基準原付、もしくは特定小型原付を利用することになりそうだが、それぞれ性格は異なるので注意が必要だ。
新基準原付は125cc以下で最高出力4.0kW(5.4ps)以下という制限があり、制限速度30km/h、二段階右折の義務、二人乗り禁止といった、これまでの原付1種と同じくくりに入り、排気量アップにともなってスムーズな加速やトルクアップも見込まれる。しかし新基準原付は排気量拡大とともに販売価格が上がらざるを得ない。
また、特定小型原付は免許不要で手軽に運転できるメリットはあるものの、その反面、免許不要であるだけに道路交通法を理解していない(or 無視した)ユーザーの迷惑運転が社会問題になっている。いずれにせよ、それぞれのメリット/デメリットを理解して運用していくことになる。
そこで注目されるのが、電動マイクロモビリティを多数リリースしてきた国産ブランド「グラフィット」の最新モデル「GFR03」。このモビリティは原付1種でありながら任意で電動アシスト自転車に早変わりするという、なんともユニークなモデルで、原付と電動アシスト自転車の良いとこ取りをしたような特徴をもつ。
電動原付一種と電動アシスト自転車を簡単に切り替える「モビチェン」を装備。原付1種時にはナンバープレートを表示し、これを自転車のピクトグラムがついたカバーで覆うことにより、電動アシスト自転車として運用できる。モビチェンの操作はNFC対応。
ふたつのモビリティを横断するメリット
GFR03の車体構成を簡単に言うと、500W出力の電動モーター、14Ahのバッテリー、前後サスペンションを装備して折りたたみ可能なフレームを採用した電動原付1種に、7段変速の電動アシスト自転車機能を加えたもの。そして最大のキモはグラフィット独自の「モビチェン」を搭載していることだ。
モビチェンとは、「2021年6月に『電動バイク(原付)と自転車の車両区分の切替え』を道路交通法の上で公的に認められた電動バイクに取り付けられている、切替えの時にナンバープレートを覆う自転車のピクトグラムが表示される部分と、覆っているときにはバイクの電源が電源ボタンを押しても入らないよう電子制御された機構システム」のこと。
つまり原付一種と電動アシスト自転車を簡単に切り替えて走行できるもので、これが実際の運用では大きなメリットを生む。
例えば、原付一種で普通に走行しているときには道路交通法の原付一種のくくり内であるため、当然駐車禁止場所に置いておけば罰金と反則切符をきられるが、モビチェンを使ってナンバープレートが収納されると電動アシスト自転車扱いとなりその限りではない。バイク不可の駐輪場も利用可能になる。
自転車専用道路の走行や、オートバイでは乗り入れ禁止場所の公園なども走行可能だから、バイク乗り入れ禁止の公園をショートカットなどすれば大幅な距離短縮・時間節約もできるだろう。7速変速を採用したGFR03なら、電動アシスト自転車としても十分以上の性能が期待できる。
原付一種でありながら、後輪には7速変速機を採用して電動アシスト自転車としてのパフォーマンスも高いGFR03。折りたたみ機構のあるフレームを展開すると、容量14Ahのバッテリーにアクセスできる。タイヤサイズは前後20インチだ。
2025年中にマクアケを通じて販売開始予定
電動バイクと電動アシスト自転車の二刀流を実現するグラフィットGFR03は、法制内でよりユーザーの自由な移動をアシストする画期的なモビリティだ。これからさらに発展していくだろうマイクロモビリティ界において、ターニングポイントになり得る可能性すら秘めていると言っても過言ではない。
JMS2025でグラフィットの展示ブースで発表されたGFR03は、2025年中にマクアケでプロジェクトを開始する予定だという。
販売はマクアケを通じて2025年内に開始する予定。タイヤ幅は1.95インチと2.4インチで展開する予定であり、幅広いユーザー層に訴求していく。
ちなみに・・・3輪の新型特定小型原付も開発中です
グラフィットはJMS2025の展示ブースに、前2輪/後1輪のトライホイール型を採用した特定小型原付「P.E.T.」もディスプレイしていた。何でもヤマハでトリシティの開発に携わった設計者が手掛けたらしく、それだけでもこのユニークな3輪車のポテンシャルが窺えるというもの。
現在はまだ開発中であり、走行可能距離は約30〜40kmを目標としているそうだ。普段使いはもとより、アウトドアシーンも意識した積載性と走破性を兼備するこちらも市販化が待ち遠しい。
「P.E.T.」とはパーソナル・エコ・トランスポーターの略で、様々なライフスタイルに対応する特定小型原付を目指している。フロントは接地性の高い2輪仕様となり、これまでにないライド感を披露するだろう。
リヤホイールを駆動するインホイールモーターを採用。デモカーはディスクブレーキを装着し、確実なストッピングパワーと雨天時の確実な効きを担保している。バッテリーはリチウムイオン。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
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