
国内では2022年モデルを最後に姿を消したスーパーネイキッドZ1000が、排気量を拡大して再び降臨。電制やライダーサポートも大幅に進化し、豪華仕様のZ1100 SEもラインナップに加わり“大排気量Z”の迫力と魅力を存分に発揮!
●文:伊藤康司(ヤングマシン編集部) ●外部リンク:カワサキモータースジャパン
Z1100とZ1100 SEの国内販売を正式発表
先に欧州で発表されたスーパーネイキッド“Zシリーズ”の長兄たるZ1100 SEがジャパンモビリティショーで日本初公開され、国内販売画正式発表された。スペックなど詳細な仕様は未発表だが、2022年モデルのZ1000から排気量を拡大し、STDモデルとともに今回のJMS2025で展示したSEモデルを追加し、発売は2026年2月を予定している。
Z1100 SE(左)とZ1100(右)。
カワサキならではの獰猛な「Sugomi」溢れるスタイルは、Z1000から継承するが、アンダーカウルをフィン付きのより鋭角な形状に変更。またフロントフェンダーもサイド部分を延長し、フロントフォークのインナーチューブの保護性を高めた形状に変更。
エンジンはシリンダーヘッド部にフィン状の凹みを刻んだ新形状になり、排気量拡大に伴う重量増加を抑えるため、マフラーは左右2本出しから右側一本出しとなり、サイレンサーのデザインも変更しているのが、前モデルとのルックス上の明確な識別点だろう(エキゾーストパイプの曲げなども変更している)。
テーパータイプのバーハンドルは前モデルより全幅を広げたうえに前方に移動して、コントロール性を高め、かつアグレッシブなライディングポジションをとれるようにした。
電子制御も大幅に進化。電子制御スロットル(ライド・バイ・ワイヤ)を採用し、ECUセッティングの最適化によって低~中速域でより鋭いスロットルレスポンスを実現。またクイックシフター(KQS)もオートブリッパーも装備により、シフトアップ/ダウン対応の双方向型に進化。
そしてIMU(ボッシュ製慣性計測装置)情報を基軸に、KCMF(カワサキコーナリングマネジメントファンクション)、KTRC(カワサキトラクションコントロール)、KIBS(カワサキインテリジェントアンチロックブレーキシステム)などを備え、より高度なライダーサポートを実現している。
またメーターディスプレイを5インチの大型カラーTFTに変更し、多彩な情報の表記や表示パターンなどインフォティメント機能を強化。もちろんスマートフォン連携も可能だ。
メーターは従来のモノクロLCDから、5インチのフルカラーTFTに変わり、スマートフォン接続機能を追加し、専用アプリの「RIDEOLOGY THE APP MOTORCYCLE(音声コマンド機能アリ)」を使用してターンバイターンのナビゲーション表示も可能。
アルミ製ツインスパーのメインフレーム+分割式サブフレームの校正は前モデルと同じ。画像はブレンボキャリパーやオーリンズ製リヤショック装備のZ1100SEのストリップ。
そして今回はSTDモデルに加え、豪華仕様のZ1100 SEを追加。ブレンボ製M4.32モノブロックキャリパーやオーリンズ製S46ショックアブソーバー、USB電源ソケットなどを装備し、足周りの強化と利便性を向上。またグリーンの差し色を入れたグラフィックや専用シート表皮が高級感を醸している。
詳細なスペックは発表されていないが、基本的に先に発表された欧州仕様に準ずるものと思われ、Z1100およびZ1100 SEによって、NA(自然吸気)Zシリーズのトップモデルの復権が果たされるのではないだろうか。
2026年2月に発売予定で価格はZ1100が158万4000円、Z1100 SEは176万円だ。いずれも1か月目点検に加え3年間の定期点検とオイル交換(オイルフィルター含む)を無償で受けられるカワサキケアモデルに指定されている。
KAWASAKI Z1100[2026 model]
KAWASAKI Z1100[2026 model]●価格:158万4000円 ●発売時期:2026年2月予定
KAWASAKI Z1100 SE[2026 model]
KAWASAKI Z1100 SE[2026 model]●価格:176万円 ●発売時期:2026年2月予定
参考:欧州仕様Z1100/Z1100 SEのスペック
日本仕様の主要諸元は未発表。近いスペックになると思われる欧州仕様のスペック表を掲載する。
| 車名 | Z1100 / Z1100 SE |
| 全長×全幅×全高 | 2055×825×1085mm |
| 軸距 | 1440mm |
| 最低地上高 | 125mm |
| シート高 | 815mm |
| キャスター/トレール | ──/101mm |
| 装備重量 | 221kg |
| エンジン型式 | 水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ |
| 総排気量 | 1099cc |
| 内径×行程 | 77.0×59.0mm |
| 圧縮比 | 11.8:1 |
| 最高出力 | 136ps/9000rpm |
| 最大トルク | 11.5kg-m/7600rpm |
| 変速機 | 常時噛合式6段リターン |
| 燃料タンク容量 | 17L |
| WMTCモード燃費 | 17.85km/L |
| タイヤサイズ前 | 120/70ZR17 |
| タイヤサイズ後 | 190/50ZR17 |
| ブレーキ前 | φ310mmダブルディスク+4ポットキャリパー |
| ブレーキ後 | φ260mmディスク+1ポットキャリパー |
| 乗車定員 | 2名 |
| 参考価格(英国) | 1万1099ポンド[SE=1万2699ポンド] |
| 車体色 | 黒×灰[SE=灰×灰] |
| 発売時期 | 2026年 |
Z1100 SEの専用装備
新たに登場したZ1100 SEはフロントブレーキにブレンボ製M4.32モノブロックキャリパー&ディスクローターやメッシュブレーキホース、リヤにオーリンズ製S46ショックアブソーバーを装備して足周りを強化。また、ハンドル左側にUSB Type-C電源ソケットを装備し、シート表皮を専用のシボ仕上げとするなど利便性と高級感を高めた仕様となっている。
Z1100のディテール
STDモデルの足周りはNISSINのラジアルモノブロックキャリパー&ゴム製ブレーキホースで、リヤショックはSHOWA製。前後ブレーキディスクは前モデルのペタル形状から真円タイプに変更。新形状のハンドルやカラーTFTディスプレイなどインフォティメント機能はSEと共通。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(カワサキ [KAWASAKI] | 新型ネイキッド)
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外[…]
11/1発売:カワサキ W800 カワサキが50年以上にわたり培ってきた「W」ブランドの最新進化系「W800」の2026年モデルが11月1日に発売される。この国産クラシック系の旗艦モデルは、美しいベベ[…]
11/1発売:カワサキ Z250 カワサキ「Z250」はニンジャ250と骨格を共有するこの軽二輪スーパーネイキッドは、アグレッシブな「Sugomi」デザインを継承。軽さと力強さを併せ持つ本格的スーパー[…]
最新Z900/Z500らに共通する3眼LEDヘッドライトやファットバーを採用してデザイン刷新 カワサキは欧州および北米で、2026年モデルとして新型車「Z650S」を発表。つい最近、欧州ではスタンダー[…]
アッパーミドルクラスに君臨する“Sugomi”ゼットの中核モデル カワサキは北米において、948cc並列4気筒エンジンを搭載したスーパーネイキッド「Z900」および上級モデル「Z900 SE」の202[…]
最新の関連記事(カワサキ [KAWASAKI])
粘り強い100mmボアビッグシングルと23Lタンク KLR650の心臓部は、水冷4ストロークDOHC4バルブ単気筒エンジンだ。排気量は652ccで、ボア径はなんと100mmにも達する超ビッグシングルと[…]
昔ながらの構成で爆発的な人気を獲得 ゼファーはレーサーレプリカ時代に終止符を打ち、以後のネイキッドの基盤を構築したモデルで、近年のネオクラシックブームの原点と言えなくもない存在。改めて振り返ると、’8[…]
勝つための合理性と最新テクノロジーが辿り着いたパラレルツイン! レーシングマシンは勝つためを最優先に開発される。だから優位なテクノロジーなら躊躇せず採用する斬新で個性の集合体のように思われがち。 とこ[…]
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外[…]
12億リーチの衝撃! バイクとロボットの融合 CORLEOは、2025年の大阪・関西万博で披露され、SNSでは累計約12億リーチという驚異的な注目を集めたモビリティだ。 その名の由来はラテン語で「獅子[…]
人気記事ランキング(全体)
インカムが使えない状況は突然やって来る!ハンドサインは現代でも有効 走行中は基本的に1人きりになるバイク。たとえ複数人でのマスツーリングだとしても、運転中は他のライダーと会話ができないため、何か伝えた[…]
寒暖差が大きくても着替えずに対応できる! ワークマンのヒーターウエア『WindCore(ウインドコア)』シリーズは、電熱ヒーターを内蔵する防寒アイテム。別売りのバッテリー(4900円)は必要だが、もの[…]
お待たせしました経過報告です 前回のラバゲイン記事、おかげさまで大反響をいただきました。ありがとうございます! そして同時に、「続編が知りたい!」「その後どうなったの?」「どれぐらい持つの?」「いつま[…]
昔ながらの構成で爆発的な人気を獲得 ゼファーはレーサーレプリカ時代に終止符を打ち、以後のネイキッドの基盤を構築したモデルで、近年のネオクラシックブームの原点と言えなくもない存在。改めて振り返ると、’8[…]
BLESS CREATIONのカーボン外装をまとう カーボン外装メーカー・ブレスクリエイションの高い質感と造形の美しさのX350専用外装に惚れ、編集部号にも装着することにした。フロントフェンダー/ラジ[…]
最新の投稿記事(全体)
戦闘力を高めるヘッドギア「ダインギア ヘッドアーマー」 クロスカブ110の個性をさらに際立たせ、カスタムの方向性を決定づけるほどの高いデザイン性を持つパーツが登場した。それがダイバディプロダクションが[…]
粘り強い100mmボアビッグシングルと23Lタンク KLR650の心臓部は、水冷4ストロークDOHC4バルブ単気筒エンジンだ。排気量は652ccで、ボア径はなんと100mmにも達する超ビッグシングルと[…]
きっかけは編集部内でのたわいのない会話から 「ところで、バイクってパーキングメーターに停めていいの?」 「バイクが停まっているところは見たことがないなぁ。ってことはダメなんじゃない?」 私用はもちろん[…]
ワールド経験者と全日本ホープが加入! FIM世界耐久選手権(EWC)を戦っているTeam Étoile(チーム・エトワール)が2026年のライダーラインナップを12月12日(金)に発表しました。 2[…]
まさかのAMTをクラス初採用 BENDAやヒョースンなど海外メーカーがV型2気筒モデルを投入する一方、日本車ではホンダの単気筒・レブル250が孤高の地位を築く軽二輪(250cc)クルーザーカテゴリー。[…]
- 1
- 2






































































