
2022年のEICMA(ミラノ国際モーターサイクルショー)でコンセプトモデルとしてデビューし、その斬新なスタイルで注目を集めたブリクストン・モーターサイクルズの「CROSSFIRE STORR(クロスファイア・ストー)」が、ついに日本に導入開始された。
●文:ヤングマシン編集部 ●写真/外部リンク:ブリクストンジャパン
“乗りたいマシン”を具現化したコンセプト
BRIXTONのブランドコンセプトは、レトロモダンなモーターサイクルを、ただ懐古主義的ではなく現代のユーザーニーズに合わせてモダナイズし、美しい仕上がりと信頼できる技術、リーズナブルな価格で提供すること。
BRIXTONにはクラシック・モデルで構成される「CROMWELL(クロムウェル)」、スクランブラー・モデルを中心とする「FELSBERG(フェルスベルク)」と、あたらしいモーターサイクルカルチャーを創出すると意気込む「CROSSFIRE(クロスファイア)」の3つのファミリーが用意されている。
このほど新しく「クロスファイア」ファミリーに加わり、日本に導入されるのが「CROSSFIRE STORR(クロスファイア・ストー)」だ。
この一台を語るうえでまず言及したいのが、やはりそのデザイン。生物的かつ近未来的なスタイルを手がけたのは、オーストリアのRiDEデザイン・スタジオだ。代表のクレイグ=デント氏は、かつてKISKAデザインのチーフデザイナーとして数々のバイクデザインに関わってきた人物。巨大化するにつれ商業性を重視するようになった組織を離れ、自らのスタジオを開設したという経歴を持つ。
この「ストー」は、RiDEチームが「自分たちが本当に乗りたいマシン」を形にした、彼らにとって最初のオリジナルコンセプトモデルだという。ベースは定評のあるクロスファイア500シリーズだが、フレームワークや足まわりはほとんどすべてが新設計。世界を旅するための最高のパートナーとして作り上げられたのだ。
マシンを操る楽しさを追求したエンジンと車体
心臓部には、コンパクトでトルクフルな水冷DOHC2気筒486ccエンジンを搭載。最高出力47.6psを8500rpmで、最大トルク43Nmを6750rpmで発生させる。あえて特別な電子制御は採用せず、ライダーがマシンを操る楽しさを存分に味わえる仕上がりとなっている。
足まわりも本格的だ。フロント19インチ、リア17インチのホイールに、オン/オフ問わず優れた走りを見せるピレリ製スコーピオン・ラリーSTRを装着。
ブレーキはブレンボの傘下にあるJ.Juan(ホタ・ホアン)製のシングルディスクにボッシュ製2チャンネルABSを組み合わせる。サスペンションは前後ともにアジャスタブルタイプのKYB製で、たっぷりとストロークを確保しつつ、初期は優しく奥で踏ん張る絶妙なセッティングが施されている。
ロングツーリングを支える充実の装備
燃料タンクは16Lの大容量を確保し、航続距離は380kmにも及ぶ。シート高はアドベンチャーモデルとしては低めの839mmに抑えられ、足つき性にも配慮されている点はうれしい。灯火類はフォグランプを含めすべてLEDを標準装備。ラリーマシンを思わせる大型のダッシュボードも冒険心をかき立てる。
これだけの装備とオリジナリティを持ちながら、希望小売価格は116万円(税込)とお手頃設定。カラーは「セージ・グリーン・マット」と「バックステージ・ブラック」の2色が用意されている。すでに日本に入荷しており、全国のBRIXTON正規販売店で購入可能だ。
BRIXTON「CROSSFIRE STORR」主要諸元
| 全長×全幅×全高 | 2171mm×916mm×1432mm |
| シート高 | 839mm |
| エンジン | 水冷4ストロークDOHC2気筒 486cc |
| 最高出力 | 47.6PS/8500rpm |
| 最大トルク | 43.0Nm/6750rpm |
| 車両重量 | 209kg(フル装備) |
| 燃料タンク容量 | 16L |
| タイヤサイズ | F=110/80-R19, R=150/60-R17 |
| ブレーキ | F=φ320mmディスク+ラジアルキャリパー, R=φ240mmディスク |
| ボディカラー | セージ・グリーン・マット、バックステージ・ブラック |
| 希望小売価格 | 116万円(税込) |
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(ブリクストン)
カスタムバイクのような仕上がりを誇るBRIXTON オーストリアのバイクメーカー・BRIXTON(ブリクストン)は、個性的なスタイルのモーターサイクルを数多く販売していることで知られている。ブランドの[…]
カフェだけじゃないバイク乗りのための空間 神奈川県座間市にある「ライダーズベース・リバティ」は、レンタルできる洗車場やピットなどを完備し、バイク用品やバイク本体(!)まで購入できるライダーズカフェだ。[…]
モータリストの取り扱いブランドは多岐に及ぶ! 2020年9月に設立されたモータリスト合同会社は、「エンジン(モーター)を使い、タイヤを駆動して進む、このステキな乗り物をこよなく楽しむみなさまを、とこと[…]
スタイリッシュな250ネイキッドでのキャンプツーリング記 夏の早朝。日が出る前に、ボクはブリクストンがリリースする「クロムウェル250」で走り始めた。スチール製セミダブルクレドールフレームに空冷250[…]
バイクは楽しい。その楽しさを増やしていきたい! 内燃機関と電動という違いはあっても、バイク(2輪)で遊ぶ楽しさを大切にしているモータリスト。2024年のモーターサイクルショーでは「バイクは楽しい。その[…]
最新の関連記事(新型アドベンチャー/クロスオーバー/オフロード)
オフ走行の質を高める「ピボットレバー」と「アドベンチャーフットペグ」 オフロード走行において、転倒時のレバー破損リスクを軽減し、操作性を高めるパーツは必須レベル。それに応えるかのように設定されたのが「[…]
タフネスと優しさを両立した水冷エンジン「シェルパ450」 インド北部にそびえるヒマラヤ山脈は、ロイヤルエンフィールドにとって、ひいてはインド人にとって、いつでも憧れの旅路だ。そんな憧憬が表れているモデ[…]
ターンバイターンのナビゲーションも標準搭載! スズキはインドで、ジクサー250と共通の油冷単気筒エンジンを搭載するスポーツアドベンチャーモデル「VストロームSX」の2026年モデルを発表。4つのカラー[…]
航続距離はなんと362km! ヤマハは、2025春に開催された大阪モーターサイクルショーにて「オフロードカスタマイズコンセプト」なる謎のコンセプトモデルをサプライズ展示。従来型のWR155R(海外モデ[…]
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外[…]
人気記事ランキング(全体)
火の玉「SE」と「ブラックボールエディション」、ビキニカウルの「カフェ」が登場 カワサキモータースジャパンは、ジャパンモビリティショー2025で世界初公開した新型「Z900RS」シリーズについてスペッ[…]
16日間で211万着の「メディヒール」が物量攻勢で復活 ワークマンが展開するPBリカバリーウェア「MEDIHEAL(メディヒール)」シリーズが、いま爆発的なヒットを記録している。2026年、秋冬商戦に[…]
ライバルを突き放す90°Vツインと高剛性に低重心の新次元を構築! ヤマハRZ250の切り開いた2スト復活劇から、レーシングマシンのレプリカブームへとエスカレートさせたのは、1983年のスズキRG250[…]
経済性と耐久性に優れた素性はそのままに、ブレーキ性能を向上 ホンダはタイで、日本仕様のキャストホイール+ABSとは別ラインになっているスーパーカブ110(現地名:スーパーカブ)をマイナーチェンジ。新た[…]
アドベンチャールックは伊達じゃない! 大型バイザーの恩恵 まず目を引くのが、オフロードテイストを感じさせる大型ピークバイザーだ。これは単なるファッションではない。 直射日光を遮る“ひさし”としての機能[…]
最新の投稿記事(全体)
オフ走行の質を高める「ピボットレバー」と「アドベンチャーフットペグ」 オフロード走行において、転倒時のレバー破損リスクを軽減し、操作性を高めるパーツは必須レベル。それに応えるかのように設定されたのが「[…]
レジェンド:フレディ・スペンサー視点「軽さと許容範囲の広さが新時代のCBの証だ」 私は長年、新しいバイクのテストをしてきたが、その際に意識するのはバイクから伝わる感覚、アジリティ(軽快性)、そして安定[…]
日本発のトランスフォーマブル・バイク「タタメルバイク」 タタメルバイクは、日本のものづくりの精神と、自由な発想が融合して生まれた「持ち運べるパーソナルモビリティ」だ。最大の特徴は、その名の通りの折り畳[…]
〈1978年3月〉SR400[2H6]/500[2J3]:ロードスポーツの原点 1976年に発売したオフロードモデルのXT500のエンジンとフレームをベースに、トラディショナルなロードスポーツとして登[…]
何でもありルールに世界のメーカーが飛びついた WRCグループBカテゴリーは1982〜86年まで続いたラリー競技。レース好きならご存じの通り、レギュレーションはほぼ「何でもあり」的なニュアンスでした。レ[…]
- 1
- 2







































