
ホンダは欧州で、アドベンチャー風のスタイリングを与えられたクロスオーバー・スクーター「ADV350」の2026年モデルを発表した。前年のマイナーチェンジでは新たに5インチTFTディスプレイを獲得し、エンジン&車体も熟成された。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ)
トラコン装備で330ccの『eSP+』エンジンを搭載するタフなスクーター
シティスクーターらしい洗練されたスタイリングと、アドベンチャーモデルのエッセンスを高次元で融合させ人気となっているのがADVシリーズ。長兄はNC750X譲りの2気筒エンジンを搭載するX-ADV、末弟は軽二輪クラスで人気車となっているADV160だ。
これらに続くシリーズ3車種目として2021年秋に欧州などで発表されたのがADV350である。
ミッドサイズスクーター市場に投入されたADV350は、車体のベースをフォルツァ350(日本では250版のフォルツァが販売中)と共有。ADVシリーズの兄弟同様にタフなデザインとされ、「ニュー アーバン アドベンチャー」として欧州ではこれまでに3万5000台以上が販売される人気車に育っている。
2026年モデルでは3つの新色を追加し、全4色のカラーバリエーションになった。モノトーンで統一した無印ADV350と、大きいロゴパターンや差し色でチョイ派手なグラフィックとしたスペシャルエディションがラインナップされるが、スペックは同じ。継続色とされるマットコールブラックメタリックについてはロゴまわりのグラフィックが変更されている。
前年モデルでは、ハンドリングやエンジンパフォーマンスを煮詰めるとともに、スマートフォン連携機能を持ったRoadSync対応5インチTFTディスプレイを新採用。フルフェイスヘルメットが2個収納できるシート下スペースには内部を照らすライトを追加。USB充電ソケット付きグローブボックスやスマートキー、4段階に高さ調整可能なウインドスクリーンなど利便性に優れた装備を継承している。
スチール製チューブラーフレームを核とする車体には、φ37mm倒立フロントフォークと、プリロード調整機構付きのリヤショックを装着。ホイールサイズは前15/後14インチで、ブロックパターンのタイヤと相まって(スクーターとしては)走破性も考慮された設定だ。
エンジンは最新ユーロ5+規制に適合。WMTCモード燃費は29.4kmで、容量11.7Lの燃料タンクと掛け合わせると約344kmの走行レンジを誇る。ウインカーの自動キャンセル機能など利便性も最新世代だ。
なお、欧州での価格は未発表(前年モデルは5899ポンドだった)。日本仕様の登場は望み薄かもしれないが、一応こう言っておきたい。
「ADV250とかどうッスかね、ホンダさん!?」
HONDA ADV350 / Special Edition[2026 EU model]
主要諸元■全長2200 全幅895 全高1295 軸距1520 シート高795(各mm) 車重186kg■水冷4ストローク単気筒SOHC4バルブ 330cc 29.2ps/7500rpm 3.21kg-m/5250rpm Vベルト無段変速 燃料タンク容量11.7L■タイヤサイズF=120/70-15 R=140/70-14 ※諸元は欧州仕様
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