
ヤマハは、タイおよびベトナムで新型「PG-1」を発表した。タイ仕様はABS付きに切り替わり、ベトナム仕様には従来のABSなしに加えてABS仕様とリミテッドエディションを追加している。日本への導入は厳しいとみられるが……。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ)
その姿、まるでハンターカブ×ミニトレ?!
【参考】ヤマハFT1[1970] ミニトレールというジャンルの草分けとなったモデルで、本格的なダブルクレードルフレームにロータリーディスクバルブ吸気の前傾シリンダー・2ストロークエンジンを搭載した。
主要諸元■全長1585 全幅700 全高930(各mm) 車重59kg■空冷2ストローク単気筒ロータリーディスクバルブ 49cc 4.0ps/7500rpm 0.45kg-m/5000rpm ●当時価格:6万7000円
横型エンジンに自動遠心クラッチを備え、ホンダ「CT125ハンターカブ」を彷彿とさせるスタイリング。けれど前後16インチタイヤやフラットなダブルシートなど、往年の「ミニトレ(ミニトレール=FT1など)」を思い出さずにはいられない本格オフロードの匂いも少しだけ持っているのが、ヤマハが2023年末にタイで初お披露目した「PG-1」だ。
アンダーボーンフレームに空冷114ccエンジン、本格的なテレスコピックフォークやフロントディスクブレーキ、丸目1灯のヘッドライドなど、日本でもウケそうなデザインだが、今のところ一部で並行輸入されるのみで、正式な導入には至っていない(ただしヤマハも正式導入を望む声は認識している模様)。
主にタイ、ベトナム、フィリピンなどで販売されているPG-1だが、早くもマイナーチェンジした新型がタイとベトナムに登場した。
新型PG-1はフロントブレーキにのみ働く1チャンネルABS(リヤはドラム)を採用し、メーターを丸形デジタルのLCDに変更。また、詳細は不明だがタイヤも銘柄を更新したという。ABSの補器類などを収めるためかフレームカバー形状が変更され、ブラウンだったシート表皮はブラックに。またフロントブレーキディスクは大径化された。
タイ仕様は新型に切り替わるとともにカラーバリエーション変更&グラフィックが変更された。
一方ベトナム仕様は、従来モデルを標準仕様として併売。この標準モデルはカラーバリエーションも変更はないが、前後ホイールリムを従来のシルバーに加えてブラックとしたバージョンも展開する。
そしてベトナム仕様のABS付きモデルは、タイ仕様に準じると思われるものが“プレミアムバージョン”として展開され、さらにカモフラージュ柄のリミテッドエディションが追加されている。
ベトナム仕様の価格はABS仕様で3436万4000ドン(日本円換算約19万2000円・9/18現在)、リミテッドエディションで3485万5000ドン(約19万5000円)となっており、これは標準モデルの3043万7000ドン(約17万円)~3092万8000ドン(約17万3000円)の1割増し程度だ。
ちなみに現在、タイではユーロ5相当の排ガス規制導入が見込まれており、新型がこれを念頭に置いたものだとすれば、ABSの標準装備とともに日本導入へのハードルが下がりそうに思える。可能性はあるのかないのか、情報収集に努めていきたい。
YAMAHA PG-1 / ABS / Limited Edition[2025 Vietnam model]
主要諸元■全長1980 全幅805 全高1055 軸距1280 最低地上高190 シート高795(各mm) 車重109kg(装備)■空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ 113.7cc 8.97ps/7000rpm 0.96kg-m/5500rpm 変速機4段 燃料タンク容量5.1L■ブレーキF=φ245mmディスク+1ポットキャリパー R=ドラム 前後タイヤサイズ=90/100-16 ●価格:3043万7000ドン~ ※諸元と価格はベトナム仕様
PG-1 ABS Limited Edition[2025 Vietnam model]Camo Green
新型PG-1のディテール
従来のアナログ式メーターから反転表示の丸形LCDに変更された。速度/回転/ギヤ段数/燃料残量//ABS警告灯を表示し、従来型よりも反射が少ない角度にマウントされる。
こちらは従来モデルのメーター(写真はフィリピン仕様)。ギヤポジションインジケーターや燃料残量計はあるが、タコメーターは備えていなかった。
タイ仕様はカラーバリエーションが1色多い
こちらはタイ仕様。基本的にはベトナムのABS+ブラックリム仕様とほぼ同じもののようだが、カラーバリエーションはブラウンロックストーンが加えられ、1色多い全4色となっている。
PG-1[2025 Thai model]Brown Rockstone
PG-1[2025 Thai model]Blue Glacier
PG-1[2025 Thai model]Gray Misty
PG-1[2025 Thai model]Red Twilight
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
人気記事ランキング(全体)
RZ250を上回る新テクノロジー満載! 1979年にホンダがリリースした、まさかの2ストローク50ccスポーツのMB50(広告なでの名称はMB-5)。 250ccやビッグバイクのスケールダウン・デザイ[…]
エンジニアもバイクに乗る、それがボッシュの面白さ ボッシュが二輪車向けABSを世に出してから今年で30周年を迎えた。ボッシュといえばドイツのメーカーだが、バイク部門の開発拠点が日本の横浜にあることはご[…]
コンパクトで取り付けが簡単なスマートモニター タナックス(TANAX)の「スマートライドモニター AIO‑5 Play (SRS‑015)」は、本体サイズ78.8(H)×136.2(W)×26.8(D[…]
KATANAというバイク 一昨年のこと、キリンと同じ年齢になったことをキッカケにKATANA乗りになったYです。 ノーマルでも十分乗り易いKATANAですが、各部をカスタムすることで、よりカタナ(GS[…]
X-ADVの兄弟車として欧州で販売される「フォルツァ750」 ホンダは欧州でフォルツァ750(FORZA 750)の2026年モデルを発表した。主要諸元に変更はなくカラーバリエーションの一部変更でイリ[…]
最新の投稿記事(全体)
火の玉「SE」と「ブラックボールエディション」、ビキニカウルの「カフェ」が登場 ジャパンモビリティショー2025でカワサキが新型「Z900RS」シリーズを世界初公開した。主軸となる変更はエンジンまわり[…]
外観をスタイリッシュにリニューアルしたトリシティ125 前回のトリシティ300に続き、今回試乗を行うのも前2輪を持つLMWシリーズのトリシティ125。ちなみにLMWとは、リーニング・マルチ・ホイールの[…]
父とB+COM SB6XRで会話しながらプチツーリング すっかり秋模様。なんなら執筆している今日は、最高気温が15度。朝から冷え切っていて、冬気分です。 自宅近くを走っているスクーターの方を見て、「わ[…]
KATANAというバイク 一昨年のこと、キリンと同じ年齢になったことをキッカケにKATANA乗りになったYです。 ノーマルでも十分乗り易いKATANAですが、各部をカスタムすることで、よりカタナ(GS[…]
エンジニアもバイクに乗る、それがボッシュの面白さ ボッシュが二輪車向けABSを世に出してから今年で30周年を迎えた。ボッシュといえばドイツのメーカーだが、バイク部門の開発拠点が日本の横浜にあることはご[…]
- 1
- 2




























































