
ちょっと久しぶりにスクーターに乗ろうと思ったら、エンジンがかからない…って、あるあるですよね〜!っていうか、今まさにそんな状況に直面しているワタシ。古いキャブレター仕様の原付にありがちな始動不良を解決する、古き良き?始動方法をやってみましょう〜!
●文:ヤングマシン編集部(DIY道楽テツ)
どうする? スクーターのエンジンがかからない
※これはまさに、筆者が直面した実話です。我が家のスクーター(TODAY)に乗ろうと思って、車庫から引っ張り出しました。ちょっと久しぶりですね。エンジンをかけるのは半年ぶりぐらい。
目覚めるかなーと思って、セルスターターを回します。キュルルルルルルルルルルルル…。おっと、エンジンに火が入りませんね。
しばらく放置しておくとエンジンがかかりにくくなる症状は、とくにキャブレター仕様のバイクにはありがちな現象ですよね。これは、フロートチャンバー内のガソリンが少量であるがゆえに劣化しやすく、爆発しにくくなるからと言われています。
これはエンジン不動状態に至る手前の状態で、まだエンジン始動が可能な状態がほとんど。かと言って、このままセルスターターを回していてはバッテリーが上がってしまって手間ばかり増えてしまうので、キックスタートに移行してみましょうか。
困ったときのキックスターター!
空キックからの始動方法
ここからは、エンジンがかかりにくい時のちょっとしたコツをご披露してみたいと思います。まず、キーをオフにします。
そして、キックペダルをちょっと強めに「空キック」を5回ほど踏み込みましょう。ここでキーをオンにして思いっきりキックペダルを踏み込めば、かなりの確率でエンジンが始動します。
これはあくまでも筆者の経験談なのですが、スクーターに限らず、他の車種でも似たような事例が多々ありますので、概ね共通の現象と考えられます。
これは疑似的にチョークを引いたような状態を作り出しているのですが、キーをオフにしておくことによって、スパークプラグの火花を止めることができるので「ちょっと爆発するけどエンジン始動に至らない」というスカ爆発を防ぐことで、燃焼室の中に生ガスをたっぷり溜め込むというイメージです。
もしそれでも始動しない場合
この「空キック方法」を4~5回繰り返してもエンジン始動しなかった場合、燃焼室の中のガソリンが多くなりすぎて、いわゆる「カブった」状態になっている可能性があります。そしたら、今度はまったく逆の方でアプローチしてみましょう。キーはオンにして、
アクセルを全開にして、思いっきりキックします(できれば複数回)。これはさっきと正反対。アクセルを全開にしてキックを踏むことで、ガソリンの量をできるだけ抑えた「ほぼ空気だけ」をエンジンに送り込む方法です。
自分でも不思議ではあるのですが、これでエンジンかかることも多いのですよ、いやホントに。
以前乗っていた大排気量の空冷シングルエンジンなどでは、始動に失敗してスパークプラグをかぶらせることが多かったのですが、このアクセル全開方法でエンジンかかることがよくありました。これらの方法はあくまでも経験談であり、メーカー推奨でもなければ、裏技でもないし、バズった方法でも何でもありません。
だけど、これでエンジンかかっちゃうんだからしょうがない…。
古いバイクならではの「儀式」
今回紹介した方法は、キックスターター装備が前提なので、現代のバイクにはほとんど使えない方法ではあります。だけど今や古くなってしまったバイクたちは、とくに冬の時期などはエンジン始動に苦労するという話はいくらでもありましたよね。
不思議なもので、同じ車種でもバイク個体ごとの「始動のクセ」みたいなものがあって、それをライダー達は「儀式」と呼んでました。
古いバイクに興味がある若い方達もいらっしゃると思いますが、そんなバイクの癖を見つけて「儀式」とドヤるのも楽しいかもしれませんよ♪
この記事が皆様の参考になれば幸いです。今回も最後まで読んでいただきありがとうございました~!
私のYouTubeチャンネルのほうでは、「バイクを元気にしたい!」というコンセプトのもと、3日に1本ペースでバイクいじりの動画を投稿しております。よかったら遊びにきてくださいね~!★メインチャンネルはコチラ→「DIY道楽」 ☆サブチャンネルもよろしく→「のまてつ父ちゃんの日常」
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(メンテナンス&レストア)
Honda純正オイルは新ブランド「Pro Honda」へ Hondaのバイクのエンジン性能を100%発揮させる純正オイルが、2025年4月より新ブランド「Pro Honda(プロホンダ)」として生まれ[…]
バイクバッテリー上がりの原因とは? エンジン始動時のセルモーター駆動やヘッドライトの常時点灯、ABS制御、デジタルメーターなど、バイクは高性能化するにつれてバッテリーの負担がどんどん増加していきます。[…]
古いゴムは硬化するのが自然の節理、だが・・・ ゴム部品は古くなると硬くなります。これは熱・酸素・紫外線などによる化学変化(酸化劣化)で、柔軟性の元である分子の網目構造が変化したり、柔らかくする成分(可[…]
必要なのはキャブ本体とパーツリスト! 燃調キット開発プロセスとは 日本製自動車の性能は優秀で、日本国内で役目を終えた後も中古車として世界各地に輸出され、何十年という時を経ても現役で活躍していることが多[…]
40%OFFもある! オトクな7アイテム アストロプロダクツ AP ミニタイヤゲージ:32%OFF ツーリング先やガレージでの日常点検に役立つ、手のひらサイズのミニタイヤゲージだ。とてもコンパクトなの[…]
最新の関連記事(ビギナー/初心者)
バイクバッテリー上がりの原因とは? エンジン始動時のセルモーター駆動やヘッドライトの常時点灯、ABS制御、デジタルメーターなど、バイクは高性能化するにつれてバッテリーの負担がどんどん増加していきます。[…]
ハンドルまわりだけでも用語はたくさん 「いつかは旧車に乗り、自分専用のカスタムをしたい」と、憧れを抱いている筆者。その夢を叶えるためには、ひとつの大きなハードルがあったりする。そもそも、各部の名称や役[…]
芦ノ湖スカイラインとは? バイク乗りに人気の理由 富士山の麓に点在する富士五湖のひとつ、芦ノ湖は箱根の人気観光地ですが、湖の西側の尾根に沿って通じているのが芦ノ湖スカイラインです。 全長約10.7km[…]
ホンダはEクラッチとDCTの二面展開作戦だ 自動クラッチブームの火付け役として、まず一番目に挙げられるのが今のところホンダCB/CBR650Rとレブル250に採用されている”Eクラッチ”。機構としては[…]
原付でエンジンがかからない主な原因 「原付 エンジン かからない 原因」とネット検索する方が多いように、バッテリー上がりやプラグの劣化、燃料不足など、複数の原因によってエンジンを始動できなくなるケース[…]
人気記事ランキング(全体)
キジマ(Kijima) バイク スマートディスプレイ SD01 5インチ キジマの「SD01」は、スマートフォンとWi-Fi(2.4GHz)で接続し、スマホのマップをナビ表示できる5インチのモーターサ[…]
次世代を見据えた新技術を随所に投入 ’73年から開発が始まったZ650は、当初は”Z1ジュニア”と位置づけられていた。とはいえ、単なるスケールダウンをヨシとしない開発陣は、次世代を見据えた新技術を随所[…]
メカもライテクもこの1台に教わった 原付というジャンルが、若者にとって比較的手軽にモータースポーツを楽しむ道具として浸透していく中、別の意味で趣味性の高いアイテムとして発展したのがレジャーバイクと呼ば[…]
超えるべき指針はトライアンフ・ボンネビル ’54年に第一号車として、2スト60ccスクーターを手がけたカワサキが、2輪事業に本腰を入れるようになったのは’60年代に入ってからである。 もっとも、当初の[…]
新型CBは直4サウンドを響かせ復活へ! ティーザー画像から判明したTFTメーターとEクラッチ搭載の可能性 ホンダは中国がSNS『微博』にて、新たなネオクラシックネイキッドのティーザー画像を公開したのは[…]
最新の投稿記事(全体)
ライダー本人のサイン入り限定ヘルメットも附属 ホンダUKが発表した「CBR1000RR-RファイアーブレードSP ディーン・ハリソン レプリカ」は、2025年のマン島TT・スーパーストッククラスでディ[…]
岡山国際サーキットとの相性、新しいフロントタイヤと改良されたリヤタイヤ ついにこの日がやって来た。 2025年10月5日、全日本ロードレース第6戦の岡山(岡山国際サーキット)で長島哲太がついに表彰台に[…]
2025モトクロス世界選手権チャンピオンが全日本に参戦! 株式会社カワサキモータースジャパンは、2025年11月1日(土)・2日(日)スポーツランドSUGO(宮城)で開催される第63回 MFJ-GP […]
2025年3月の東京モーターサイクルショー以降、何かと話題のCB1000F!! いよいよかと色んな噂が飛び交っているなか、某日、各パーツメーカーのカスタマイズコンセプトがひっそり発表されました。カスタ[…]
念願のWYVERNシリーズ最新作の登場だ! ついに復活を遂げて、新発売となったSHOEI「ワイバーンØ」。歴代ワイバーンシリーズを愛用してきた筆者としては、どんな進化を遂げたのが期待しかない。そこで、[…]
- 1
- 2