復興の中で生まれた昭和の名機たち

たゆまぬ改良で1970年代を生き抜いた名車:カワサキZ1/Z2の系譜

たゆまぬ改良で1970年代を生き抜いた名車:カワサキZ1/Z2の系譜

ニッポンがもっとも熱かった“昭和”という時代。奇跡の復興を遂げつつある国で陣頭指揮を取っていたのは「命がけ」という言葉の意味をリアルに知る男たちだった。彼らの新たな戦いはやがて、日本を世界一の産業国へと導いていく。その熱き魂が生み出した名機たちに、いま一度触れてみよう。


●文:ヤングマシン編集部(沼尾宏明) ●取材協力:ZEPPAN UEMATSU

カワサキZ1系:1973~1978

1973 900super4 (Z1)

初期型となる’73年型。北米向けは橙×茶の「火の玉」のみだが、欧州仕様は黄×緑の通称 「イエローボール」も設定。長いリヤフェンダーも欧州仕様の特徴だ。黒エンジンはこの年式のみ。

欧州仕様:黄×緑の 「イエローボール」

北米向け仕様:橙×茶の「火の玉」

1974 900super4 (Z1A)

エンジンが銀色となり、塗色は前年と同じながらもグラフィックをストライプの通称「タイガーカラー」へ変更した Z1A。タンクエンブレムも大型化。

1975 900 Z1 (Z1B)

テールカウルのグラフィックを変え、塗色も青メタ&赤メタに(通称玉虫カラー)。シールチェーンを採用し、エンブレムの形状も変更。

青メタ&赤メタの通称玉虫カラー

テールカウルのグラフィックも変更された

1976 Z900 (A4)

外装やメーター、前後足まわりを改めキャブも小径化、ヒューズも3系統に。車名変更し型式名もZ1 ではないため、Z1は’75年式までだとこだわるファンも。

1977 Z1000 (A1)

ボアの4mm拡大で1015cc化。マフラーは2本出しとなり前ブレーキをダブルディスク化。リヤもディスクに。強化型フレームも採用された。

1978 Z1000 (A2)

フロントキャリパーがフォーク背後の現代的な配置となり、前マスターのタンクも半透明の角型に。翌年型では角タンクの Z1000MkIIに。

カワサキZ2系:1973~1978

1973 750RS (Z2)

国内仕様Z2の’73年式は、Z1北米仕様と同様に火の玉カラーのみのラインナップ。同年の3月1日に発売され、価格は48万5000円だった。

1974 750RS (Z2A)

カラーリングを変更し、Z1A同様の2色のタイガーカラーを展開。エンジンは黒塗りのままだ。

1975 750RS (Z2A後期)

Z1B 同様の玉虫カラーに変更も、サイドカバーエンブレムやチェーン給油装置は継続。なのでZ2Bではなく、Z2A 後期と通称される。

1976 Z750Four (A4)

Z900と共通の改良を受け、さらにWディスク化。車名も 750RS から Z750Fourに変更、型式名も Z750-A4となり、こちらも「非Z2」に。

1977 Z750Four (A5)

A4の5ヶ月後、’76年9月に発売された A5。車体色はZ1000A1と共通で、速度計が180km/hスケールとなり速度リミッターも装備。

1978 Z750Four (D1)

リヤブレーキをディスク化し、フレームも Z1000 譲りに変更されるが、国内750cc版は最後まで4本出しマフラーと黒エンジンを維持した。

カワサキZ1/Z2主要諸元比較表

主要諸元900 スーパー4(’73 北米仕様)750RS(’73)
全長(㎜)22052200
全幅(㎜)800865
全高(㎜)11501170
軸間距離(㎜)14901500
シート高(㎜)
車両重量(㎏)230(乾燥)230(乾燥)
燃料タンク容量(ℓ)1817
エンジン種類空冷並列4気筒DOHC 2バルブ空冷並列4気筒DOHC 2バルブ
内径×行程(㎜)66 × 6664 × 58
圧縮費8.59.0
総排気量903㏄746㏄
最高出力82hp / 8500rpm69ps / 9000rpm
最大トルク7.5㎏-m / 7000rpm5.9㎏-m / 7500rpm
変速機形式5段リターン5段リターン
キャスター/トレール26°/ 90㎜26°/ 90㎜
タイヤサイズ前/後3.25-19 / 4.00-18H3.25-19 / S4.00-18

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