
トム・クルーズ主演で2022年に公開され、今なお話題に事欠かない『トップガン マーヴェリック』。シネマコンサートの開催決定や、制作チームを同じくする映画『F1/エフワン』も注目されている今、同作の魅力を振り返りたい。実は、トップガン マーベリックで使用されたカワサキGPZ900Rは、1986年公開の第1作劇中車ではなく、新規に仕立てられたもの。人為的に施されたエイジングからは、きちんと歳月の流れを感じてしまう。さすがハリウッド、スゴい技術だ。サブスクで映画を見ながら、その凄みを確認してみよう!
●文:ヤングマシン編集部(沼尾宏明) ●写真:箱崎太輔 ●外部リンク:カワサキモータースジャパン
36年の“時間”を感じる仕上がり
カウルが紫外線で退色し、くすんだトーンだが、じつは緑青を用いたペイント。擦れて色が剥げ落ちた箇所も塗装だ。車体右側のエンジンケースカバーやサイドカバー、マフラーには転倒したっぽいキズがあるが、これもペイントによる再現。模型におけるウェザリング(汚し塗装)の技術なのだ。
ヤレた雰囲気はすべてペイントで再現している!
【ゴムブーツ上にペイントが】リヤキャリパーを仔細に見ると、スライドピンのゴムブーツにまでウェザリングの塗料が付着。本来こんな汚れ方はしないだろうが、そこまではさすがに気が回らなかったか!?
【ゴムブーツ上にペイントが】リヤキャリパーを仔細に見ると、スライドピンのゴムブーツにまでウェザリングの塗料が付着。本来こんな汚れ方はしないだろうが、そこまではさすがに気が回らなかったか!?
第1作の車両にも右側のタンクやシートカウルにキズがあったが、続編ではもう少しキズが浅くなったようだ。また、エンジンの塗装が剥げて白かったが、続編では黒塗装がしっかり残っているのが特徴。なお左右エンジンカバーのロゴは、第1作では見えないよう加工されていた。
ニンジャH2劇中車も小カスタムが実施されていた
続編ではGPZ900Rも登場するが、マーヴェリックの足として第1作におけるGPZ900Rの役を担うのがNinja H2だ。マフラーは競技用であるH2Rのスラッシュカット1本出しに換装されている。撮影用のカスタムなのだろう。なお本来は1人乗り仕様だが、劇中では広い座面とタンデムステップを装着した車両で2人乗りするシーンもある。
【「SUPERCHARGER」と「BREMBO」を隠すのはなぜ!?】GPZと違い、H2はKawasakiと車名ロゴが健在だ。しかし、なぜかエンジン右側の「スーパーチャージャー」とキャリパーの「ブレンボ」の文字がテープで隠されている。ブレンボは右側だけ見せているのが不思議。理由を教えてトム様!
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(GPZ900R)
一大ブームが巻き起こった1986年 滑走路で戦闘機と加速競争する姿、美人教官とのタンデム、苦悩を抱えて丘の上に佇む夕暮れ──。数々の印象的なシーンに初代ニンジャ=GPZ900Rがいた。 1986年に公[…]
“Ninja”の伝説はここから始まった 滑走路で戦闘機と加速競争する姿、美人教官とのタンデム、苦悩を抱えて丘の上に佇む夕暮れ──。数々の印象的なシーンに初代ニンジャ=GPZ900Rがいた。 1986年[…]
マーヴェリックの愛機「カワサキGPZ900R」劇中車を振り返る 滑走路で戦闘機と加速競争する姿、美人教官とのタンデム、苦悩を抱えて丘の上に佇む夕暮れ──。数々の印象的なシーンに初代ニンジャ=GPZ90[…]
第1作から36年の“時間”も再現! カウルが紫外線で退色し、くすんだトーンだが、じつは緑青を用いたペイント。擦れて色が剥げ落ちた箇所も塗装だ。車体右側のエンジンケースカバーやサイドカバー、マフラーには[…]
マーヴェリック号の燃料タンク右側ステッカー エンタープライズに配属された部隊 赤いツチブタは、「アードバークス」の異名を誇る米海軍「第114戦闘飛行隊(VF-114)」のパッチ。1980年代には第1作[…]
最新の関連記事(カワサキ [KAWASAKI])
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc 400ccクラスは、普通二輪免許を取ってから間もないビギナーも選ぶことができる排気量帯で、16歳から乗ることができる。 そんな400cc[…]
一大ブームが巻き起こった1986年 滑走路で戦闘機と加速競争する姿、美人教官とのタンデム、苦悩を抱えて丘の上に佇む夕暮れ──。数々の印象的なシーンに初代ニンジャ=GPZ900Rがいた。 1986年に公[…]
SHOWAハイパフォーマンスシリーズキット体感試乗キャンペーン 東京都練馬区のK’s STYLE(ケイズ・スタイル)では、カワサキZ900/Z900RS用の高性能サスペンション「SHOWAハイパフォー[…]
250と共通設計としたことでツアラーから変貌した400 2019年モデルの発売は、2018年10月1日。250ccと基本設計を共通化した2018年モデルにおけるフルモデルチェンジ時のスペックを引き継ぐ[…]
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外[…]
人気記事ランキング(全体)
振動の低減って言われるけど、何の振動? ハンドルバーの端っこに付いていいて、黒く塗られていたりメッキ処理がされていたりする部品がある。主に鉄でできている錘(おもり)で、その名もハンドルバーウエイト。4[…]
エクステリアはより力強く、そして個性的に 今回のモデリスタのコンセプトは、その名も「Dandy mode(ダンディモード)」だ。彫刻的な立体表現を随所に用い、街中はもちろんのこと、オフロードにおいても[…]
一回の違反で免許取消になる違反 交通違反が点数制度となっているのは、よく知られている。交通違反や交通事故に対して一定の基礎点数が設定されており、3年間の累積に応じて免許停止や取消などの処分が課せられる[…]
動きが渋い鍵穴に潤滑剤はNG! ・・・の前に ちょっと前に「キーの回りが渋くなってきた鍵穴に、潤滑剤を吹きつける(注入する)のはNG!」という情報がネット上で広く流れました。その理由は一時的に動きが滑[…]
足着きがいい! クルーザーは上半身が直立したライディングポジションのものが主流で、シート高は700mmを切るケースも。アドベンチャーモデルでは片足ツンツンでも、クルーザーなら両足がカカトまでベタ付きと[…]
最新の投稿記事(全体)
【本田技研工業 電動事業開発本部 二輪・パワープロダクツ電動事業開発統括部 CUV e: LPL(開発責任者) 後藤香織さん】2006年入社。以来一貫して2輪車開発に従事し、おもに車体設計としてEV-[…]
スズキRG250Γ(ガンマ):レーサーそのものの仕様に大歓喜 1983年、ようやく運輸省(当時)がカウリングとセパレートハンドルを認可。Γ(ガンマ)は、その恩恵を受け、車体を一気に”近代化”した第1号[…]
クラッチレバーをグリップに当るまでフルに切るのは丁寧なのではなく、ギヤに衝撃を与えるラフな操作になってしまう! 大切な愛車、バイクの運転はまだ慣れていないので上手くはないけれど、操作は慎重で丁寧であり[…]
走り続けるため、戦い続けるためのエンジンカバーセット 「F.C.C./TSR エンジンカバーセット CBR1000RR-R(SC82)」は、世界耐久選手権(EWC)で戦い続けてきたTSRならではの製品[…]
従順で力強いエンジンと軽快な旋回性を生む車体 2024年はついに全日本ロードレース選手権で表彰台に立ち、次の目標はもちろん初優勝なのですが、先輩たちから「レースは積み重ねが大事。開幕から優勝狙いではな[…]