
世界で生産されるバイクの1割弱を生産し、国内ではホンダに次ぐバイクメーカーとして認知されているヤマハ。そんな同社について、2025年2月はどんなニュースがあったのかだろうか。ヤングマシンの記事から厳選して注目トピックをお伝えする。
●文:ヤングマシン編集部
ヤマハがY-AMT搭載の新型「MT-07」を発表
ヤマハは、欧州で先行発表されていた新型「MT-07」の国内モデルを2025年2月26日に発売。クラッチ操作とシフト操作を必要としない『Y-AMT』仕様をラインナップするのが最大のトピックで、車体もフレームとスイングアームを再設計し、倒立フロントフォークを採用するなど全身に大かかりな変更を受けた。
Y-AMT(ヤマハオートメイテッドマニュアルトランスミッション)は、通常のMT機構をベースとしながらクラッチ操作とシフト操作を電動アクチュエータに任せるオートマチック機構の一種。クラッチレバーとシフトペダルは廃止されているが、左手元のレバースイッチで手動シフトも可能だ。タイムラグのないギヤシフトでスポーツ性の高い走りを実現する一方で、ビギナーやクラッチ/シフト操作がしにくい事情を持った方にモーターサイクルの門戸を開くメカニズムでもある。
Y-AMTの採用にともない、スタンダード仕様とともにシフトダウン時のブリッピングを可能とする電子制御スロットル(YCC-T=Yamaha Chip Controlled Throttle)を投入。さらにY-AMT仕様にはクルーズコントロールも実装された。
2気筒にもオートマチック『Y-AMT』を投入!! ヤマハは、欧州で先行発表されていた新型「MT-07」の国内モデルを正式発表した。発売済みの最新MT-09と同様に、クラッチ操作とシフト操作を必要としな[…]
Y-CCT採用でアップグレード! ヤマハ新型「テネレ700」登場
MT-07系270度クランクの並列2気筒エンジンを継承した新型テネレ700。Y-CCT(電子制御スロットル)を採用したことで、走行モード切替システムやトラクションコントロール、双方向対応のクイックシフター(アクセサリー設定)などの走行支援テクノロジーの実装を可能にした。
また前後サスペンションの最適化、一体型フラットシートの新採用&タンク形状変更などによるライディング自由度向上、スマートフォン連携機能搭載の専用設計6.3インチTFTメーター、新作ヘッドライトなどアップデート箇所は多岐にわたる。
スペックの数値でいえば、全幅が905→935mmになったほか、車重は205kg→208kgに。WMTCモード燃費は23.8km/L→24.6km/Lと3%強の改善を達成した。
ヤマハの代表取締役社長に設楽元文氏が就任
2025年3月25日付で新社長に就任する設楽氏は、1962年生まれ。ヤマハ入社は1986年で、以来、国内の2輪営業や商品企画/事業計画/ブランド推進事業などを歴任。2018年にはインド法人の最高責任者も含め、マリン事業の経験も持つなど、ヤマハ発動機の基幹事業に数多く関わってきた。
また、2000年代にはカスタムトレンドを取り込んだプロモーション戦略を展開。あのTW200ブームの火付け役は設楽氏なのだという。決算説明会に出席した渡部社長は、設楽氏の選出理由について「幅広い業務経験に加え、プライベートでは自社の2輪製品を楽しみ、ヤマハの企業目的“感動創造”を享受する生活を送っており、誰にも負けない熱烈なヤマハファンであるため」と説明。
このタイミングでの社長交代については、2024年9月30日の前社長・日髙祥博氏の急な退任に際し、当時会長職だった渡部氏が社長を兼務し、設楽氏を副社長とした体制は当面のものだったことも明かされた。
ヤマハがモーターサイクルショーの出展概要を発表
ヤマハが、「第41回 大阪モーターサイクルショー2025」「第52回 東京モーターサイクルショー」「第4回 名古屋モーターサイクルショー」にワイズギアと共同で出展することを発表。今回は、“ヤマハとならもっと特別な休日に”、“ヤマハとならもっと楽しい移動”を提案し、来場者とともに楽しみと遊びのイメージを膨らます「ヤマハと遊ぼう」をテーマに展開するとしている。
注目の展示車両は、2025年夏以降に登場予定とされる「トレーサー9 GT+ Y-AMT」「YZF-R9」、国内モデルが正式発表されたばかりの「MT-07/MT-07 Y-AMT」のほか、YZF-Rシリーズ、MTシリーズ、XSRシリーズそれぞれを展開予定だ。また、アクセサリー装着車両やヘルメット、アパレルなどワイズギアの展示も充実する。
また、スペシャルサイトでは出展モデルリストを公開中だが、その中に「Coming Soon.」もあり、なんらかの隠し玉がある模様。どんなモデルが来るか、今から楽しみだ。
シフトダウン可能!ヤマハ「NMAX155」がモデルチェンジ
ヤマハの軽二輪スクーター「NMAX155」がビッグマイナーチェンジし、2025年3月21日に発売。外観を刷新するとともに、「走行モード切替」や「シフトダウン」を可能にするYECVT(電子制御CVT)を新たに採用した。
大注目は、インドネシア仕様で“ターボ”と名付けられた電子制御CVT。まず、従来のようにエンジン回転数に応じて自動的に減速比が変化していくだけではなく、燃費がよくスムーズな市街地走行に向く「Tモード」と、ワインディングロードなどでレスポンスのいい走行を楽しめる「Sモード」の2つの走行モードを選択できる「走行モード切替」機能を実現している。
さらに、任意のタイミングでマニュアルトランスミッション車のシフトダウンのように減速比を換えられる「シフトダウン」機能により、スムーズな追い越しや下り坂でのエンジンブレーキ強化、コーナー進入のリズム取りや脱出時の気持ちいい加速が得られるようになった。加速/減速状態に応じて、最大3段階までシフトダウンが可能だという。
[SCOOP!!] 伝説のマフラー復活で“モリワキ・ヤマハ”が爆誕?!
日本を代表するレーシングコンストラクター・モリワキエンジニアリング。彼らがオリジナルのアルミフレームにホンダ製エンジンを搭載した“モリワキ・ゼロ”で全日本選手権を戦っていた1980年代中盤、それらのマシンには断面がT字型となるフィンを持つ、独創的な形状のサイレンサーが装着されていた。
このマフラーこそ、モリワキ絶頂期を象徴する「フォーサイト」だ。考案者はモリワキの創始者・森脇護氏といわれており、他にはない、独特きわまりない形状はサイレンサーの冷却効果を高めることで消音効果を狙ったものだった。
そんな伝説のマフラーがなんと! 2025年春の東京モーターサイクルショーで復活することが判明。その第1弾は、ヤマハXSR900GP用になるという。モリワキといえばホンダのイメージがとても強い中、初弾が“モリワキ・ヤマハ”なのはなんとも意表を突くセレクトだ。その仕上がりは東京モーターサイクルショーで確認しよう!
復活第1弾はヤマハXSR900GP用! 日本を代表するレーシングコンストラクター・モリワキエンジニアリング。彼らがオリジナルのアルミフレームにホンダ製エンジンを搭載した“モリワキ・ゼロ”で全日本選手権[…]
【SCOOP!】ヤマハ版ハンターカブが軽二輪に!?
2023年末にタイで、続く2024年明け以降にはベトナムやフィリピンでも発表された、ヤマハの新型モデル「PG-1」。日本にも一部で並行輸入されたりしたが、いまだ正式な国内導入はないまま。とはいうものの、エンジンは現地の排出ガス規制に合わせたキャブレター仕様であり、ヤマハへの要望は多いと言われるものの実際の導入には壁があるようだ。
そこで我々が発案(?)したのが、「PG-155」。YZF-R15の155cc水冷単気筒を移植した、その名も「PG-155」。エンジン換装で日本の規制に適合させ、あえて軽二輪枠に投入することでハンターカブが取りこぼす層をすくい上げる作戦だ。
ヤマハファンにとって、ホンダ・アイコニック系(CT125ハンターカブ、ダックス125、モンキー125、スーパーカブC125)の対抗馬となり得るPG-1に、プラスαの魅力を与えての日本導入…あるといいな。
エンジン積み替えで規制対応!? なら水冷縦型しかないっ! 2023年末にタイで、続く年明け以降にはベトナムやフィリピンでも発表された、ヤマハの新型モデル「PG-1」。日本にも一部で並行輸入されたりした[…]
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
最新の関連記事(ヤマハ [YAMAHA])
ライバル勢を圧倒する抜群のコーナリング性能 ’80年代初頭のヤングマシン紙面には何度もRZが登場しているが、デビュー当初のRZ250の実情を知る素材としてここで選択したのは、’80年11月号に掲載した[…]
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外[…]
デザイナーの“眼”は何を捉えたか? 今回紹介するのは、ただのロゴ入りTシャツではない。なんと「数々のヤマハ車を手掛けてきた車体デザイナー本人が描き下ろした」という、正真正銘のデザイナーズスケッチTシャ[…]
50ccクラスは16歳から取得可能な“原付免許”で運転できるほか、普通自動車免許でもOK バイクを運転するための免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大[…]
TZの技術を転用しながら独創的な思想を随所に注入 伝統の2サイクルパラレルツインという構成を維持しつつも、数多くの新技術を導入したRZ。中でも最もインパクトが大きかったのは、市販レーサーTZを踏襲する[…]
最新の関連記事(ニュース&トピックス)
12億リーチの衝撃! バイクとロボットの融合 CORLEOは、2025年の大阪・関西万博で披露され、SNSでは累計約12億リーチという驚異的な注目を集めたモビリティだ。 その名の由来はラテン語で「獅子[…]
Q:雪道や凍結路は通れるの? チェーンやスタッドレスってある?? 一部の冒険好きバイク乗りと雪国の職業ライダー以外にはあまり知られていないが、バイク用のスノーチェーンやスタッドレスタイヤもある。 スタ[…]
驚愕の650ccツイン×2基搭載! 魔改造すぎる怪物「VITA」爆誕 まず会場の度肝を抜いたのが、滋賀県を拠点に世界の名だたるショーでアワードをかっさらってきた実力派「CUSTOM WORKS ZON[…]
大型バイクのカスタムはクルーザーからアドベンチャーまで 台湾から世界的なカスタムビルダーも登場したこともあって、カスタムエリアでは車種を問わずさまざまな仕様が展開されていた。「SPEED&CRAFTS[…]
上旬発売:アライ アストロGXオルロイ アライヘルメットからは、ツーリングユースに特化したフルフェイス「アストロGX」のニューグラフィック「ORLOJ(オルロイ)」が12月上旬に登場する。この独特なネ[…]
人気記事ランキング(全体)
インカムが使えない状況は突然やって来る!ハンドサインは現代でも有効 走行中は基本的に1人きりになるバイク。たとえ複数人でのマスツーリングだとしても、運転中は他のライダーと会話ができないため、何か伝えた[…]
ナンバー登録して公道を走れる2スト! 日本では20年以上前に絶滅してしまった公道用2ストローク車。それが令和の今でも新車で買える…と聞けば、ゾワゾワするマニアの方も多いのではないか。その名は「ランゲン[…]
止められても切符処理されないことも。そこにはどんな弁明があったのか? 交通取り締まりをしている警察官に停止を求められて「違反ですよ」と告げられ、アレコレと説明をしたところ…、「まぁ今回は切符を切らない[…]
ライバル勢を圧倒する抜群のコーナリング性能 ’80年代初頭のヤングマシン紙面には何度もRZが登場しているが、デビュー当初のRZ250の実情を知る素材としてここで選択したのは、’80年11月号に掲載した[…]
寒暖差が大きくても着替えずに対応できる! ワークマンのヒーターウエア『WindCore(ウインドコア)』シリーズは、電熱ヒーターを内蔵する防寒アイテム。別売りのバッテリー(4900円)は必要だが、もの[…]
最新の投稿記事(全体)
瞬時に色が変化! 防曇シートに調光機能を加えた「e:DRYLENS」 SHOEIが、ライディング中のクリアな視界を実現するための新たなアイテムをリリースする。その名も「e:DRYLENS」は、ベースと[…]
ハイエンドユーザーに向けたスーパーフラッグシップは何と乗りやすく調教済み! 1980年代に入ると、ホンダが切り札としていたV型4気筒は世界のレースで圧倒的な強みを発揮、それまでの主流だった並列(インラ[…]
バイク乗りが作ったからこそ、痒い所に手が届く インカムの代名詞「B+COM(ビーコム)」でおなじみのサイン・ハウスが送り出した、SPICERR(スパイサー)ブランドの「ポケッタブル高圧洗浄機」。 20[…]
ひと目でわかる「コイツはタフだ」という機能美 アドベンチャーバイク(ADV)ブームが定着して久しいが、オーナーの悩みどころといえばやはり「タイヤ選び」だろう。オンロードの快適性は捨てがたいが、せっかく[…]
昔ながらの構成で爆発的な人気を獲得 ゼファーはレーサーレプリカ時代に終止符を打ち、以後のネイキッドの基盤を構築したモデルで、近年のネオクラシックブームの原点と言えなくもない存在。改めて振り返ると、’8[…]
- 1
- 2















































