
ハーレーダビッドソンが日本国内で発売した、“普通二輪免許で乗れるハーレー”こと「X350」のオーナーズマニュアルに記された謎の『RA』モデルの存在。これを我々は教習車仕様もしくはアドベンチャーモデルと踏んでいたが、すでに海外の一部で答えが判明していたのでお伝えしたい。いやぁ、ちょっと勇み足でした……。
●文:ヤングマシン編集部
まさかのパンアメリカX350か!? と騒いでみたものの……
353cc並列2気筒エンジンを搭載し、”普通二輪免許で乗れるハーレー”として話題のX350にバリエーションモデルが存在する……?! ヤングマシンの姉妹誌であるハーレーダビッドソン専門誌「WITH HARLEY(ウィズ ハーレー)」がX350を購入した際、『2024年式ハーレーダビッドソンオーナーズマニュアル』に記された機種名にザワついたのは先週のことだった。
X350に加えて記載されていたのは「X350RAモデル」。マニュアルにあったスペック表では+8kgの200kgとなった車重、36ps→23psのエンジン出力、装着タイヤのラジアル→バイアス化が判明した。
この車名について推理を試みた我々は、パンアメリカ1250の『RA1250』をヒントにアドベンチャーモデルのバリエーション展開か、または教習車として登場するのでは……と予想した。
しかし、である。さらなる情報を収集し始めてすぐに、2023年春の時点でX350RAの車名が一部で話題になっていたことが判明。RA=Riding Academy、つまりライディングアカデミー仕様のX350で、教習車のほうの予想は当たらずとも遠からずであったことがわかった。うーむ、しっかりと調べてから記事化すべきであったと反省しきりである。
そんなこんなで、別の筋からX350RAの画像もゲットできたので紹介したい。
【Harley-Davidson X350RA】オレンジ色のエンジンバンパー、アクスルスライダー、ハンドルバーエンドスライダー、エンジン停止用の転倒センサーが追加されているほか、上記のスペック変更を受けている。
なぜ日本販売モデルのオーナーズマニュアルに?
そもそも米国では、ベースモデルのX350は販売されておらず、前述のライディングアカデミーのために専用仕様がラインナップされている。各州のライディングアカデミーのレポートなどでその姿を見ることはできるものの、公式HPにも基本的には掲載されていない。
ここで気になるのは、なぜ日本販売モデルのオーナーズマニュアルにそんなニッチなモデルの名が掲載されているのかということだ。
全てを日本語訳してそのまま掲載しているだけと言われればそれまでだが、他メーカーなどではその国にラインナップしない仕様はマニュアル等にも掲載しないケースが多い。そう考えると、日本でもハーレーダビッドソン主宰のライディングアカデミーを立ち上げるのか、それとも教習車仕様として各都道府県の教習所に納入する計画が検討されているのか、といった可能性も浮上する。
日本でこんな場面を見る機会も訪れる?
これに関する答えは我々もまだ持っていないが、各方面への情報収集は今後も続けていきたい。前回の記事にも書いたように、ハーレーダビッドソンジャパンの野田社長は、水冷ナイトスターを大型二輪免許の教習車に仕立てることも検討していると発言したことがあり、ミドルクラスへの展開も絵空事とは言い切れまい。……たぶん。
※米国内で開催されるハーレーダビッドソン ライディングアカデミーは22年の歴史を持ち、延べ90万人以上がトレーニングを体験してきた。これからライセンスを取得する方、リターンの方などを対象とした3クラスが設定されている。
【ウィズハーレー編集部動画】X350を新車購入! カスタムプロジェクトを始動
【ウィズハーレー編集部動画・その2】X350に早くもニューバージョン登場?! 教習車か、それとも…
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
あなたにおすすめの関連記事
取扱説明書に書かれた「X350RAモデル」の文字……! ハーレーダビッドソンとしては異例の353cc並列2気筒エンジンを搭載し、"普通二輪免許で乗れるハーレー”として話題沸騰のX350は、同時発表のX[…]
ギュッと身の詰まった佇まいはクラスを超えた存在感 思った以上にちゃんとしているなぁ……。そんなふうに言ったら失礼かもしれないが、Vツインエンジンでもなければ大型バイクでもないX350は、ともすればデザ[…]
ファニーな佇まいに隠された、名作と呼ばれ得る資質 ブサカワである。ハーレーダビッドソンらしいディテールを持ちながら前後に寸詰まったようなプロポーションで、不格好にも思えるのに不思議とカワイイ。犬だった[…]
ハーレーダビッドソン「X440」の写真をまとめて見る(全26点) 350ccのライバル勢に対し440ccシングルで対抗 ハーレーダビッドソンのブランニューモデル「X440」がインドで発表された! エン[…]
水冷単気筒398ccで40psを発揮するトライアンフの400 トライアンフが6月28日に世界同時発表したミドルクラスのモダンクラシック「スピード400」と「スクランブラー400X」。インド生産の両車は[…]
最新の関連記事(ハーレーダビッドソン)
先進的な3Dスキャナーや3Dプリンターを駆使しながら、熟練工によるハンドメイドにてひとつずつ丁寧に仕上げられるプロダクツはクオリティが高く、スポーツスター乗りからも絶大な人気を誇っている。ハーレー専門[…]
世界トップレベルのカスタムプロショップ 全国ハーレーダビッドソン正規ディーラーの中で、カスタム日本一を決める大会『バトルオブザキングス』では、ハーレーダビッドソン静岡として2年連続チャンピオン(201[…]
キャロル/矢沢永吉/クールス…あの頃の僕たちのヒーロー 日本が誇る永遠のロックスター・矢沢永吉。社会現象をも巻き起こしたロックバンド「キャロル」の解散後、すぐに発表したソロデビュー曲が『アイ・ラヴ・ユ[…]
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外[…]
仲間たちと語らう最高のひととき。ハーレー乗りでよかった 世界には1400以上のH.O.G.(ハーレーオーナーズグループ)チャプターがあり、ハーレーダビッドソン正規ディーラーがそれぞれを運営している。ハ[…]
最新の関連記事(新型小型二輪 [251〜400cc])
2021年モデル:無印3種、Sに2種のカラーを設定 丸型ケースに収められたLEDヘッドライトにシンプルな造形の燃料タンク、そしてダブルシートへの流れるような水平ライン。ほぼ垂直に立った単気筒エンジンの[…]
レトロな容姿になってもやっぱり走りはイマドキ 2024年の全日本ロードレース選手権最終戦で、鈴鹿サーキットに対する苦手意識をようやく克服しました。日曜日朝のフリー走行で、走り方の意識を変えたことがその[…]
燃料タンク/サスペンションカバー/ディープフェンダーも新作! ホンダは、2023年11月に車両の姿を公開し、後日国内で発売予定としていた新型モデル「GB350C」を2024年10月10日に発売した。開[…]
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外[…]
そもそも”アメリカン”バイクとは? 一般にクルーザーとも呼ぶが、車体の重心やシート高が低く、長い直線をゆったり走るのに適した設計のバイク。ハーレーダビッドソンなどのアメリカ車に代表されることから、アメ[…]
人気記事ランキング(全体)
オーディナリーホワイトとアーティザンレッドの組み合わせ カブハウスのSNSでスーパーカブC125の新色が公開された。詳細は記されていないが、1958年以来の“Sシェイプ”デザインに新たなカラーデュオを[…]
Z1、GPz900R、Ninja ZX-9Rから連なる“マジックナイン”の最新進化系 カワサキは昨秋、欧州でZ750→Z800に連なる後継車として2017年に948cc並列4気筒エンジンを搭載したスー[…]
通勤からツーリングまでマルチに使えるのが軽二輪、だからこそ低価格にもこだわりたい! 日本の道に最適なサイズで、通勤/通学だけでなくツーリングにも使えるのが軽二輪(126~250cc)のいいところ。AT[…]
オイルの匂いとコーヒーの香り。隠れ家へようこそ。 56designが4月12日に奈良県奈良市にオープンさせる「56design NARA」。以前から要望が多かったという、同社初となる関西圏の新店舗だ。[…]
自分のミスではないアクシデントで運命を分ける空気圧! タイヤの空気圧は大事……わかっちゃいるけど、つい面倒でチェックが疎かになりがち。 しかし脅かすワケではないけれど、実は空気圧が適正に保たれていない[…]
最新の投稿記事(全体)
カワサキモータースジャパンは、2025年3月に開催予定の「第41回大阪モーターサイクルショー2025」「第52回 東京モーターサイクルショー」、4月に開催予定の「第4回名古屋モーターサイクルショー 」[…]
論より証拠! 試して実感その効果!! 老舗カー用品ブランド・シュアラスターが展開するガソリン添加剤「LOOP」シリーズ。そのフラッグシップアイテムである「パワーショット」をさまざまなバイクやクルマに実[…]
今回のテーマは、モーターサイクル史を振り返り、ヘリテイジモデルを中心に展示 今回の車両展示は、モーターサイクル史を振り返りながら、今に引き継がれている現代のヘリテイジモデルを中心にラインナップ。ベネリ[…]
マジックフォームとは? 「マジックフォーム」とは、シャンプーを泡状にして広範囲に噴霧する、プロのような洗車を自宅でも実践できるアイテムです。 泡噴射ができるフォームガン2種(蓄圧タイプ/高圧タイプ)と[…]
“つながる”機能搭載新の7インチTFTディスプレイほか変更多数 ヤマハが新型「トレーサー9 GT」を発表した。これまで上位グレード『GT+』の専用装備だった7インチTFTディスプレイを採用したほか、先[…]
- 1
- 2