
川崎重工業株式会社は、120年以上にわたって培ったものづくり技術を踏襲しつつ、AI/IoTの積極的な活用によるさらなる生産性の向上に努めている。今回、株式会社フツパーと協力し、関連会社であるカワサキモータース株式会社のバイク組み立てラインにおける、作業分析AIの構築およびその実証実験を行った。
●文:ヤングマシン編集部 ●外部リンク:カワサキモータースジャパン フツパー
業務の最適化を最新の技術で
従来のカワサキモータースにおける製造工程では、モビリティの種別/製造時期など、環境に合わせて生産工程の最適化を実施していた。しかし、特に組み立てなどの作業自体は人手に依存しているという実情があり、ラインバランスを踏まえた工程の最適化を行うには、各個人の作業時間などを手動で計測する必要があるなど、管理者側の負担が大きくなっていた。
そこで目を付けたのがAI技術だ。ネットワークカメラで撮影した作業者の行動を分析し、生産プロセスの最適化に繋がる知見を得ることを目的として、今回の導入に踏み切ったという。
物と物の関係性から作業者の公道を読み解く
通常、組み立てラインは場所によって作業者の人数が異なるうえに、ドリルや工具箱等のツールが置いてあるため、作業者の手や姿が隠れてしまうケースが多く、従来の技術では作業者がどのような行動をとっているのか、分析が困難だった。
論文や上記の現場環境の課題をベースに、川崎重工とフツパーが最新技術の応用方法について協議を重ね、たどり着いた答えは“人そのもの”ではなく、“バイクと人/人とツール”といった物と物の関係性。それらを読み取ることで作業者の行動が分析可能になったという。
AIを用いた今回の分析技術があれば、手動での計測を必要としない上に、動的に作業の時間割合を自動で集計することができる。そのため、たとえば遅延が発生した箇所にアラートを出す即時のサポートをしたり、上記の集計結果を踏まえ、個人のスキルや人員配置の組み合わせにより、前後してしまう工程ごとの作業完了時間を平均的に抑える最適な人員配置を目指すことも可能となるのだ。
すでに川崎重工ではこの実証実験を一部の現場にて完了しており、今後の本番導入に向けて施策を進めているという。
コロナ禍やロシア/ウクライナ問題等による世界的な半導体不足や流通経路の問題もあり、遅れている新車の納車。こうした生産現場のさらなる効率化が、ユーザーにバイクをタイムリーに届ける糸口となってくれるかもしれない。
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