スーパーバイク世界選手権の最終戦が終わり、ドゥカティのアルヴァロ・バウティスタが年間タイトルを獲得。その翌日には来シーズンのテストへ向けて準備がはじまり、火曜日には移籍組も含めて来季に乗るマシンのテストを開始した。テストに先立って公開されたジョナサン・レイ選手の姿をお届けしよう!
●文:ヤングマシン編集部(ヨ)
ヤンマシの予想CGじゃなくて本物だぁ!
カワサキで2015年~2020年に6連続のスーパーバイク世界選手権チャンピオンを獲得してきたジョナサン・レイ選手は、2024年シーズンから『Pata Yamaha Prometeon WorldSBK』へ移籍し、新たにヤマハYZF-R1を駆る。
2023年シーズンは、ドゥカティのアルヴァロ・バウティスタ選手が628ポイントを稼いでチャンピオンになり、2021年王者・ヤマハのトプラック・ラズガットリオグル選手(来季はBMWに移籍)が552ポイントで2位に。レイ選手は370ポイントの3位となり、これを最後に乗り慣れたニンジャZX-10RからYZF-R1へと乗り換えることになった。
そんなスーパーバイク世界選手権だが、最終戦が終幕したのは10月29日で、来シーズンに向けたテストは早くも週明け10月31日にはじまっている。そんなシーズン末テストを前に、レイ選手は新たなマシンとレーシングスーツ姿を公開した。
マシンはゼッケン65仕様になっているものの、まだテストのためスポンサーカラー等はなし。というかこれ、そのままこのカラーリングで市販車が出たら買う人も多いのではというクールさだ。艶消し黒に塗られ、シンプルな白のストライプが施されたほかは、オーリンズ製レーシングサスペンションやアクラポヴィッチ製マフラーなどが目立つのみ。また、レーシングスーツも同様に黒と白だが、レイ選手らしく足元などに赤の差し色が入っている。
新天地で“絶対王政”が蘇るのか、そして新たに適用される重量規定(マシン+ライダーの重量を基準にイコールコンディションを図るというもの)の効果のほどは……?
今シーズンは、MotoGPもスーパーバイク世界選手権もトップライダーの移籍が話題になっている。来シーズン開幕まで興味は尽きないぞ!
ジョナサン・レイ選手のコメント
「信じられないような初日だったよ。Pata Yamaha Prometeon WorldSBK のポロシャツに袖を通すのは素晴らしい体験で、僕がチームのピットボックスに入ったとき、誰もがとても興奮していた。すでにたくさんの愛とサポートを感じたよ。すべてのディテールへの配慮は素晴らしく、どこを見ても僕のパーソナルロゴが入っていて、バイクに完璧にフィットするまで、そのプロセスと細部へのこだわりは信じられないほどだった。R1で最初のラップに出るのが待ちきれない。このバイクはコース上で間近に見たことはあっても乗る機会はなかったので、最初はバイクに快適に乗ることが目標になるだろうね。クルーを理解し、彼らに僕を理解してもらい、ポジティブな結果を得るよう学ぶ必要がある開幕戦まではまだ時間があるけど、重要な第一印象はとてもよかった。この“はじまり”にとてもエキサイトしているし、この機会を与えてくれたクレセントレーシング、ヤマハモーターヨーロッパ、そしてすべてのスポンサーに感謝したい。素晴らしいパートナーシップになると思うし、それを楽しみにしている」
Pata Yamaha Prometeon WorldSBK チーム代表 ポール・デニング氏のコメント
「私たちは昨日の午後、スーパーバイク世界選手権の歴史で最もエキサイティングなレースパフォーマンスのひとつを目撃しました。そしてわずか24時間後、現実とは思えない瞬間が訪れる。正直、ジョナサンほどのライダーがチームに加わるとは夢にも思っていなかったし、今日彼が満面の笑みを浮かべてR1に跨る姿を見て、信じられないほどの素晴らしい雰囲気と大きな希望が生まれました。2024年シーズに向けて、これからの2日間はとても興味深いものになるでしょう。プレッシャーを感じることなく、ステップバイステップで進めていきたいですね。目標は、ジョナサンが何年も別のバイクに乗ってきた後、R1へのファーストタッチを成功させ、ここから一緒に構築していけるようにすること。JR(ジョナサン・レイ)は歴史が証明するように、常に良い結果を届けてくれるライダーです。私たちはこのジャーニーを共に始めるのを待ちきれません」
#65 Pata Yamaha Prometeon WorldSBK
Xより ジョナサンのメッセージとR1の咆哮
First day of test in blue for @jonathanrea 🤩💙
— WorldSBK (@WorldSBK) October 31, 2023
Curious about what’s happening on track? 🕵️ Check the live timing on https://t.co/Dhenfg3QjA ⏱️#WorldSBK pic.twitter.com/vy3dLFsHw8
You can follow the Jerez #WorldSBK test via live timing here 👉🏻 https://t.co/oRY0Et27QN pic.twitter.com/Gt8IRe5wvI
— Yamaha Racing (@yamaharacingcom) October 31, 2023
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
あなたにおすすめの関連記事
WorldSBKオフィシャルサイトで公表 スーパーバイクコミッションを構成するドルナ、FIM、MSMAは、幾度にもわたる会合を経て2024年からスーパーバイク世界選手権のレギュレーションを変更すること[…]
キャリア勝利数119は史上最高記録 ジョナサン・レイ選手がヤマハに移籍する?! そんな噂が出回り始めたのは最近のことだったが、シーズン途中にして正式発表に至った。2024年末までだったカワサキレーシン[…]
34歳ジョナサン・レイ選手、バイクの運転免許を取得す カワサキZ650のメーター前方に大きく掲げられた、赤い文字で「L」が入った標識プレート。これが示すのは、イギリスなどの免許取得時に必要になるラーナ[…]
'93年以来、26年ぶりに鈴鹿8耐優勝を遂げたカワサキ。そのクライマックスは、劇的と呼ぶにもあまりに劇的だった。ファイナルラップでカワサキは転倒。赤旗のまま終わった決勝レース。いったんはヤマハの勝利と[…]
手作業で組み立てられる、可能な限り世界選手権に近い使用 トップライダーのトプラック・ラズガットリオグル選手と同じプロセスで個々のライディングスタイルに合わせたセットアップをしてくれるという、幸運な25[…]
最新の関連記事(レース)
元世界チャンピオンが全日本トライアルに参戦、先行して参戦しているヤマハに挑む ホンダが開発中の電動トライアルバイク「RTLエレクトリック」で、藤波貴久さんが全日本トライアル選手権に参戦する。そんなニュ[…]
Moto2チャンピオンに向かってまっしぐら。2009年の青山博一以来の日本人世界チャンピオン誕生までカウントダウンに入った。 厳しいコンディションでもレコード更新する凄まじさ MotoGP日本グランプ[…]
現地だからこそわかるMotoGPライダーの凄さ MotoGPは第16戦日本GP(モビリティリゾートもてぎ・10月4日~6日)を迎え、北関東は大いに盛り上がっている。ワタシももちろん現地におり、さらにマ[…]
レース直前でも買える席はココ! それぞれのポイントは? 9月末現在で残っているシートはのは、ビクトリースタンド(V席)/グランドスタンド(A席)/V字コーナー席/Z席/G席の5種類。オーバルサイドコー[…]
国内チーム応援メニューがズラリ! ボリュームたっぷりで大満足間違いなし ※今回ご紹介するメニューは取材時点の試作品につき、一部変更される可能性があります。 レプソルホンダ応援バーガー(カフェレストラン[…]
最新の関連記事(ヤマハ [YAMAHA])
各国の手本となるマザー工場・磐田ファクトリー 2024年10月現在、ヤマハ発動機は世界各国に2輪の生産拠点を有しており、その多くが需要伸長の著しい東南アジアに集中している。2023年、ヤマハが全世界で[…]
ヤマハの3気筒スーパースポーツがついに登場! ヤマハは、欧州および北米で正式発表されたYZF-R9を日本国内にも2025年春以降に導入すると明らかにした。価格や諸元については国内未発表だが、欧州仕様の[…]
CYBER LEATHER グローブシリーズの特徴 ライダーの基本的な要求である、「怪我から身を守ること」「清潔感を保持すること」「ストレスフリーで快適に走行できること」に基づいて作られたスタンダード[…]
最小クラスのRシリーズも元気いっぱい! 欧州では新型モデルの「R9」「R3」と同時に2025年型の「R125(日本名:YZF-R125)」、そして北米では「YZF-R7」が発表された。これらはニューカ[…]
ヤマハの3気筒スーパースポーツがついに登場! ヤマハは欧州でR9、北米でYZF-R9を発表した。車名は仕向け地によって『YZF』を省略しているようだが、基本的には(細かな違いはあるとしても)同じマシン[…]
人気記事ランキング(全体)
日本で登場したときの想定価格は60万円台か カワサキはタイに続き北米でも「W230}を発表。空冷233cc単気筒エンジンはKLX230のものをベースとしているが、レトロモデルにふさわしいパワー特性と外[…]
ヤマハの3気筒スーパースポーツがついに登場! ヤマハは欧州でR9、北米でYZF-R9を発表した。車名は仕向け地によって『YZF』を省略しているようだが、基本的には(細かな違いはあるとしても)同じマシン[…]
ライダーを魅了してやまない「ハイパーVTEC」 CB400SF(スーパーフォア)に採用されていることでも有名な、バルブ制御システム「ハイパーVTEC(HYPER VTEC)」。この口コミを検索してみる[…]
燃料タンクも新作! サスペンションカバーやディープフェンダーも特徴 ホンダは、昨年11月に車両の姿を公開し、後日国内で発売予定としていた新型モデル「GB350C」をついに正式発表、2024年10月10[…]
1441cc、自然吸気のモンスターは北米で健在! かつてZZ-R1100とCBR1100XXの対決を軸に発展し、ハヤブサやニンジャZX-12Rの登場からのちにメガスポーツと呼ばれたカテゴリーがある。現[…]
最新の投稿記事(全体)
各国の手本となるマザー工場・磐田ファクトリー 2024年10月現在、ヤマハ発動機は世界各国に2輪の生産拠点を有しており、その多くが需要伸長の著しい東南アジアに集中している。2023年、ヤマハが全世界で[…]
全国から70名を超えるベネリスタがバイカーズパラダイスに集結 1911年に生まれた、イタリア伝統のメーカーであるベネリ。現在はボルボ、ロータスなどを傘下に収めるGEELYの資本参加を受け、「新生ベネリ[…]
唱えてますか?「ネンオシャチエブクトウバシメ」 突然ですが、愛車の点検していますか? 「車検パスしてるから問題なし」「普通にエンジンかかって走っているから大丈夫」・・・と思っている、そんな貴方にこそぜ[…]
元世界チャンピオンが全日本トライアルに参戦、先行して参戦しているヤマハに挑む ホンダが開発中の電動トライアルバイク「RTLエレクトリック」で、藤波貴久さんが全日本トライアル選手権に参戦する。そんなニュ[…]
水冷GVシリーズのGV125S/GV300Sに加え、250モデル×3機種を追加 ヒョースンモータージャパンは、新型水冷250cc・V型2気筒エンジンを搭載したクルーザーモデル「GV250」シリーズ3機[…]
- 1
- 2