カワサキ、スズキ、ホンダ、ヤマハ、トヨタからなる技術研究組合水素小型モビリティ・エンジン研究組合(HySE: Hydrogen Small mobility & Engine technology)は、2024年1月5日~19日にサウジアラビアで開催される「ダカール 2024」(ダカールラリー)の新カテゴリー“ミッション1000”に水素燃料エンジン車「HySE-X1」で参戦すると発表した。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ) ●外部リンク:HySE
もっとも厳しいレース環境で水素小型モビリティの課題抽出へ
1978年から毎年開催されており、地上でもっともマシンと乗り手が試される過酷なモータースポーツスとして熱烈なファンも多いダカールラリー(当初はパリ・ダカールラリー。のちに南米開催、2020年より中東・サウジアラビアで開催)に、日本メーカー4社とトヨタからなる技術研究組合水素小型モビリティ・エンジン研究組合(HySE: Hydrogen Small mobility & Engine technology)が参加する。
出場するマシンは、もちろんHySEが研究活動に用いているモーターサイクル用水素エンジン(スーパーチャージド!)を搭載しており、車体は協力会社であるオーバードライブレーシング(ベルギー)のフレームをベースに、水素燃料タンクや燃料供給系統の設置のためのレイアウト変更を行ったもの。その名も「HySE-X1(ハイス エックスワン)」である。
出場するのは、ダカールラリーに新たに導入される“ミッション1000”というカテゴリーで、水素エンジンや電動およびバイオフューエルとのハイブリッドなど、カーボンニュートラルに向けた次世代パワートレインの技術開発を自動車&モーターサイクルメーカーに促す、「Dakar Future Program」の一環とされる。
HySEはこのミッション1000に参加し、世界一過酷なモータースポーツと言われる厳しい環境条件下で、研究中の水素燃料エンジンを搭載した「HySE-X1」を実走行させ、そこで小型モビリティ(二輪、軽四輪、小型船舶、建設機械、ドローンなどを含む総称)における現状未知で容易に想像できない課題を早期に抽出し、水素エンジンの基盤技術構築を加速するものとしている。
また、世界で注目されるダカールラリーに参戦することで、HySEのプレゼンスや取り組みをアピールし、小型水素モビリティの実現に向けたグローバルで業界の垣根を越えた仲間づくりを図っていく。
なお、10月28日より東京ビッグサイトで開催されるジャパンモビリティショー2023のモータースポーツプログラムブースにて、「HySE-X1」のモックアップが展示される予定だというから楽しみだ。水素という研究途上のエネルギーを用いた冒険車の姿を見て、年始はその活躍を心から応援したい。
HySE理事長:小松 賢二氏(ヤマハ発動機 執行役員 技術・研究本部長)のコメント
「このたび、歴史と伝統のあるダカールラリーに参加することとなりました。研究の成果を分かりやすい形で伝えたいという思いがあり、今回のラリー参加を決断しました。過酷な環境下での課題を洗い出し、技術を磨くことで、一日も早く水素エンジン小型モビリティ成立に必要な技術テーマを解決するべく、組合員一同力を合わせて頑張っていきますので、応援の程よろしくお願いいたします。」
水素燃料エンジン車「HySE-X1」の概要
HySE の概要
【名 称】技術研究組合 水素小型モビリティ・エンジン研究組合
(HySE: Hydrogen Small mobility & Engine technology)
【所在地】東京都中央区八重洲 2 丁目 2 番 1 号 八重洲セントラルタワー
【設 立】2023 年 5 月 17 日
【組合員】正組合員:カワサキモータース、スズキ、本田技研工業、ヤマハ発動機
特別組合員:川崎重工、トヨタ自動車 ※2023 年 10 月 01 日現在
【理事長】小松 賢二(ヤマハ発動機 執行役員)
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