
ヤマハは、MotoGPマシン「YZR-M1」のテストライダーであるカル・クラッチロー選手が2023年9月29日~10月1日に開催される日本GPにワイルドカード出場することを決定。これにともない、参戦チーム名と特別グラフィックをまとったマシンの姿を公開した。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ) ●外部リンク:ヤマハ
代役はあったけど、初めてのワイルドカード参戦
2021年にヤマハのテストライダーに就任し、同年にはスティリアGP、オーストリアGP、イギリスGP、アラゴンGPに正規ライダーの代役としてレースに参戦、翌2022年にもアラゴンGP、日本GP、タイGP、オーストラリアGP、マレーシアGP、バレンシアGPと計10回の代役参戦を果たしているカル・クラッチロー選手が、2023年9月29日~10月1日にモビリティリゾートもてぎ(栃木県)で開催されるMotoGP世界選手権 第14戦 日本グランプリにワイルドカード出場することがわかった。
これにともない、参戦チーム名は「YAMALUBE RS4GP Racing Team」と発表され、鈴鹿8時間耐久ロードレースに出場する「YAMALUBE YART YAMAHA EWC Official Team」と同様、ヤマハの純正オイル「ヤマルーブ」の最高峰エンジンオイル「RS4GP」のボトルカラーをイメージした特別なグラフィックをまとうMotoGPマシン「YZR-M1」の姿も公開された。
前述のように代役参戦はしていたものの、ワイルドカード参戦は今回が初めてとのことで、YZR-M1を駆るクラッチロー選手の姿を見慣れていた気がするファンには少々意外だったかもしれない。
参戦の目的は、RS4GPのプロモーションというだけではなく、プロトタイプパーツのテストを兼ねる。ファビオ・クアルタラロ選手とフランコ・モルビデリ選手と一緒にスターティンググリッドに並ぶクラッチロー選手の姿が楽しみだ。そしてこれが2024年へ向けたマシン開発の飛躍に役立つよう願わずにはいられない。
関和俊氏(YMC MotoGPプロジェクトリーダー)のコメント
「この度のワイルドカード参戦が、YZR-M1のパフォーマンス向上のための重要なターニングポイントになると信じています。エンジニアたちは熱心に仕事に取り組んでおり、クラッチロー選手の日本GP参戦は、今シーズンだけでなく来シーズンに向けてのYZR-M1開発にも大きな成果をもたらすでしょう」
カル・クラッチロー選手(Yamaha Factory Racing MotoGP Test Teamライダー)のコメント
「YAMALUBE RS4GP Racing Teamとともに、もてぎでレースに出場するチャンスをいただいたことをうれしく思います。ヤマハのテストライダーとして、YZR-M1の開発に貢献すべく全力を尽くします。日本グランプリは、レース用セッティングでプロトタイプ・パーツをテストする絶好の機会です。8月のテストから始まるYAMALUBE RS4GP Racing Teamとの仕事を楽しみにしており、彼らと良い時間を過ごせると確信しています。ヤマハのために重要な情報をできるだけ多く集められるようハードワークに取り組みます」
YAMALUBE RS4GP RacingTeam YZR-M1
YAMALUBE RS4GP RacingTeam YZR-M1
YAMALUBE RS4GP RacingTeam YZR-M1
YAMALUBE RS4GP RacingTeam YZR-M1
YAMALUBE RS4GP RacingTeam YZR-M1
YAMALUBE RS4GP RacingTeam YZR-M1
※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
あなたにおすすめの関連記事
ヤマハ創立から10日後にレース活動を開始、1961年からWGPに参戦して通算511勝を重ねる ヤマハ発動機は1955年7月1日に創立されたバイクメーカー。なんと創立から10日後にはレース活動をはじめ、[…]
クアルタラロがHJCと巨額契約! アレイシはカブトのユーザーに スズキの撤退もあって、活発だった2023年に向けてのMotoGPストーブリーグ。それに呼応してか、チームの移籍に加え、被るヘルメットを変[…]
勢いに乗る欧州メーカー、苦戦する日本メーカー マレーシアは常夏の国だ。2月とはいえ気温は30度をやすやすと超え、強い日差しが降り注ぎ、じっとりとした湿気で少し歩くだけで全身から汗が噴き出てくる。 クア[…]
Andrea Dovizioso, Dutch MotoGP race, 26 June 2022 ヤマハは、来たるサンマリノGPを最後にアンドレア・ドヴィツィオーゾ選手がグランプリを引退すると発表し[…]
コンセッションは“あり”派。それには理由がある MotoGPでは日本メーカーの苦戦が続いています。第8戦オランダGP決勝も、7位までをドゥカティ、アプリリア、KTMのヨーロッパ勢が独占。ドゥカティ・フ[…]
最新の関連記事(モトGP)
クシタニが主宰する国内初のライダー向けイベント「KUSHITANI PRODAY 2025.8.4」 「KUSHITANI PRODAY」は、これまで台湾や韓国で開催され多くのライダーを魅了してきたス[…]
決勝で100%の走りはしない 前回、僕が現役時代にもっとも意識していたのは転ばないこと、100%の走りをすることで転倒のリスクが高まるなら、90%の走りで転倒のリスクをできるだけ抑えたいと考えていたこ[…]
電子制御スロットルにアナログなワイヤーを遣うベテラン勢 最近のMotoGPでちょっと話題になったのが、電子制御スロットルだ。電制スロットルは、もはやスイッチ。スロットルレバーの開け閉めを角度センサーが[…]
φ355mmとφ340mmのブレーキディスクで何が違ったのか 行ってまいりました、イタリア・ムジェロサーキット。第9戦イタリアGPの視察はもちろんだが、併催して行われるレッドブル・ルーキーズカップに参[…]
ブレーキディスクの大径化が効いたのはメンタルかもしれない 第8戦アラゴンGPでも、第9戦イタリアGPでも、マルク・マルケスが勝ち続けています。とにかく速い。そして強い。誰が今のマルケスを止められるのか[…]
最新の関連記事(ヤマハ [YAMAHA])
ヤマハFZ400R:ワークスマシンと同時開発 市販レーサーと同時開発したNS250Rがリリースされた1984年5月。 400クラスにも同様の手法で開発されたマシンが、ヤマハから世に放たれた。 FZ40[…]
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外[…]
ヤマハNMAX155試乗レビュー この記事では、ヤマハの原付二種スクーターから、NMAX ABS(125)の2018年モデルについて紹介するぞ。 ※以下、2018年7月公開時の内容に基づく 【NMAX[…]
あの頃の中型 青春名車録「2ストの台頭」(昭和55年) 1970年代(昭和45年~)、国内における250ccクラスの人気は低迷していた。車検がないためコスト的に有利だが、当時は車体設計が400ccと共[…]
欧州ヤマハとUSヤマハの連携で生まれたカスタムビルドのXSR900 GP ウェイン・レイニーがバイクでサーキットを走った! 往年のレースファンなら、それがどれほど特別なことか理解できるだろう。 199[…]
人気記事ランキング(全体)
脇を冷やすことで全身を効率的にクールダウン 年々暑さが増している夏。冷感シャツやメッシュジャケットなど様々な冷却アイテムが普及して久しいが、半端な対策ではツーリングが快適とはいかなくなってきた。 そこ[…]
嬉しい、楽しい、大好きダックス! ちょっとHondaのバイクに詳しい人なら知っていることかもしれませんが、じつは「ダックス」のペットネームを持ったバイクがはじめて誕生したのは、半世紀以上も前の1969[…]
脇を冷やすことで全身を効率的にクールダウン 「THERMO-GEAR BELT」の最大の魅力は、なんといっても「冷暖対応デュアルペルチェ搭載」という点だ。一台で夏場の猛暑対策はもちろんのこと、冬場の厳[…]
あの頃の中型 青春名車録「2気筒の時代」(昭和51~53年) 昭和50年(1975)10月1日、免許制度が改正され401cc以上のバイクに乗るためには大型免許(=限定なしの自動二輪免許)が必要になった[…]
原付スクーターは16歳から取得可能な“AT小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があ[…]
最新の投稿記事(全体)
ヤマハFZ400R:ワークスマシンと同時開発 市販レーサーと同時開発したNS250Rがリリースされた1984年5月。 400クラスにも同様の手法で開発されたマシンが、ヤマハから世に放たれた。 FZ40[…]
ヤングマシン主催“走行距離バトル” ヤングマシンがツーリングイベントを企画しました! それはズバリ、「走行距離バトル」です。 速さや巧さは関係ねえ!! とにかく走ったヤツがエライ!! そんな単純明快な[…]
50年の眠りから覚めたBSA、復活のファーストモデルがゴールドスター 世界最古クラスの英国ブランド、BSAが再び日本に上陸した。輸入を手掛けるウイングフットが「BSA ゴールドスター」を取り扱い“ほぼ[…]
シリーズ累計で約3万台を生産したW1の系譜 約9年に及んだ販売期間の中で、W1シリーズの人気が最高潮に達したのは、ペダルの配置が左:シフト/右:リヤブレーキに改められたW1SA。それに次ぐのはツインキ[…]
あの頃の中型 青春名車録「2気筒の時代」(昭和51~53年) 昭和50年(1975)10月1日、免許制度が改正され401cc以上のバイクに乗るためには大型免許(=限定なしの自動二輪免許)が必要になった[…]
- 1
- 2