MotoGPヘルメットメーカー 2023年勢力図!! クアルタラロ×HJCの巨額契約にアルパインスターズの新規参入も

●文:[クリエイターチャンネル] 風間ナオト
クアルタラロがHJCと巨額契約! アレイシはカブトのユーザーに
スズキの撤退もあって、活発だった2023年に向けてのMotoGPストーブリーグ。それに呼応してか、チームの移籍に加え、被るヘルメットを変更するライダーが、例年に比べて多く見られます。
2021年のチャンピオン、ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハ・MotoGP)は、2019年のMotoGP昇格以来使っていたスコーピンから韓国のHJCにスイッチ。2年契約で、手にする契約金は年間75万ユーロ(約1億800万円)だとか……。
使用するモデルは『RPHA 1』で、3月にはレプリカヘルメットの発売が予定されています。
ちなみに世界選手権への参戦を開始したMoto3クラスの2015年からMoto2初年度の2017年まではSHOEI、Moto2での2年目を戦った2018年はKYTだったので、クアルタラロが選んだメーカーは、これで3社目となリます。
ブラッド・ビンダー(レッドブル・KTM・ファクトリー・レーシング)、ヤマハのテストライダー、カル・クラッチローもHJCのヘルメットで走ります。
ファビオ・クアルタラロは韓国のHJCと年間75万ユーロ(約1億800万円)の2年契約を締結した
その代わり、これまでイタリアのNOLANを愛用してきたアレックス・リンス(LCRホンダ・カストロール)が、スズキからの移籍のタイミングでスコーピオンの顔となり、『Exo-R1 FIM racing #1』を被って心機一転のシーズンに臨みます。
NOLANを愛用してきたアレックス・リンスはホンダに移籍したタイミングでスコーピオンの顔に
2022年に初勝利を挙げ、ランキング4位を獲得したアレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング)は、新たにオージーケーカブトと契約。
大の自転車の好きとして知られるアレイシだけに、自転車用ヘルメットでも知られる“カブト”ブランドには、もともと馴染みがあったのかも?
昨年、MotoGPクラスを走り、今年はWSBK(スーパーバイク世界選手権)へと戦いの場を移したレミー・ガードナーに続く世界最高峰の舞台へのサポートは、日本国内で確実にシェアを伸ばし、世界市場への切り込みを狙うメーカーの強い意気込みを感じさせます。
アレイシ・エスパルガロは新たにオージーケーカブトと契約。レーシングフラッグシップモデル『F-17』を使用する(写真:Kabuto)
アルパインスターズ『Supertech R10』の日本販売は現在未定
アルパインスターズの『Supertech R10』を掲げるジャック・ミラー。レーシングスーツ、グローブ、ブーツも同社製を着用
アルパインスターズの新規参入にも熱視線が集まっています。
ジャック・ミラー(レッドブル・KTM・ファクトリー・レーシング)がAGVから、ホルヘ・マルティン(プリマ・プラマック・レーシング)がシャークからそれぞれ移籍。レーシングスーツ、グローブ、ブーツも同社製を着用します。
昨年引退したアンドレア・ドヴィツィオーゾが開発を進めていたという『Supertech R10』はファンからの注目度が高く、アルパインスターズの正規輸入代理店を務める岡田商事によると、販売店やユーザーから市販を望む声が多く寄せられているそう。
まずはヨーロッパにて販売されるようで、日本規格を取得するかどうかはメーカーで検討段階とのこと。日本で販売されるかは、現在のところ未定だ。
※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
あなたにおすすめの関連記事
2000年代に入って勢力を急拡大したスターライン MotoGP・第14戦サンマリノGPでアンドレア・ドヴィツィオーゾ(WithU ヤマハ RNF・MotoGPチーム)が20年にわたる世界GPでのキャリ[…]
世界的な人気を持つサッカーとモーターサイクルロードレースは、ヨーロッパを中心に発展してきたという共通点を持っています。 産業構造によって状況は異なり、特にたくさんの費用がかかるモータースポーツ人口は、[…]
「ドゥカティがベストなうちはマシンを変えるつもりはない」 近い将来、バレンティーノ・ロッシ率いるVR46レーシングチームがヤマハのサテライト・チームになると噂され、それについて問われた際にロッシが答え[…]
第二次世界大戦時に女性部隊へ入隊、バイクに乗る初めての王女に! 2022年9月8日、イギリスのエリザベス2世(エリザベス女王)が、96歳で亡くなられました。世界中から集まったVIPが参列した国葬の様子[…]
総合トップはドゥカティ3年目のルカ・マリーニ! 3日間に渡って開催されたオフィシャルライダーのセパンテストが終了。3日目トータルで速さを見せたのはドゥカティ、最終日もドゥカティ&アプリリアが圧倒的な速[…]
最新の関連記事(モトGP)
全日本、そしてMotoGPライダーとの違いとは 前回は鈴鹿8耐のお話をしましたが、先日、鈴鹿サーキットで行われた鈴鹿サンデーロードレース第1戦に顔を出してきました。このレースは、鈴鹿8耐の参戦権を懸け[…]
予選PP、決勝2位のクアルタラロ MotoGPもいよいよヨーロッパラウンドに突入しました。今はヘレスサーキットでの第5戦スペインGPが終わったところ。ヤマハのファビオ・クアルタラロが予選でポールポジシ[…]
1位:スズキ『MotoGP復帰』&『850ccで復活』の可能性あり?! スズキを一躍、世界的メーカーに押し上げたカリスマ経営者、鈴木修氏が94歳で死去し騒然となったのは、2024年12月27日のこと。[…]
XSR900GPとの組み合わせでよみがえる”フォーサイト” ベテラン、若手を問わずモリワキのブースで注目したのは、1980年代のモリワキを代表するマフラー、「FORESIGHT(フォーサイト)」の復活[…]
上田昇さんとダニと3人で、イタリア語でいろいろ聞いた 先日、ダイネーゼ大阪のオープニングセレモニーに行ってきました。ゲストライダーは、なんとダニ・ペドロサ。豪華ですよね! 今回は、ダニとの裏話をご紹介[…]
最新の関連記事(ヘルメット)
高品質な『ラメ感』を演出する特殊塗装を用いたデラックス仕様 『CLASSIC AIR』は、フェイスガードを持たないオープンフェイスヘルメットで、帽体部にベンチレーションホールやスポイラーをいっさい装備[…]
イギリスやヨーロッパのレースファンが待望するIOMTT 2025年モデルが登場 アライヘルメットはマン島TT(IOMTT)を40年にわたってスポンサードしており、ライダーの安全を守り続けてきた。そのた[…]
小椋藍選手のレプリカグラフィックがオープンフェイス『VZ-RAM』に登場 小椋藍選手は昨年のMoto2でチャンピオンを獲得し、今季よりトラックハウスMotoGPチーム(アプリリア)と契約、MotoGP[…]
兎にも角にも“ヤマハ純正”のデザインがポイント!! フルフェイスヘルメット「Z-8 YAMAHA RACING」最大の特徴は、なによりヤマハが手がけた正真正銘の“ヤマハオリジナル”なカラー&グラフィッ[…]
Amazon1位のスマートモニターの進化版が登場! ベーシックモデルは驚異の低価格 大事なiPhoneやAndoroid端末が振動や落下などで壊れずに済むようになるスマートディスプレイは最近でも一番話[…]
人気記事ランキング(全体)
4気筒CBRシリーズの末弟として登場か EICMA 2024が盛況のうちに終了し、各メーカーの2025年モデルが出そろったのち、ホンダが「CBR500R FOUR」なる商標を出願していたことがわかって[…]
インフレの今、価格破壊王のワークマンがまたやってくれた! 春から初夏にかけ、ツーリングのシーズンがやってきた。爽やかな空気を全身に浴びてのライディングは最高だ。しかし…この期間はジメジメ・シトシトの梅[…]
ネオクラシックながら”新しさ”で対抗 ヘリテージやネオクラシックと呼ばれるカテゴリーで、登場以来絶対的な人気を誇るカワサキのZ900RSシリーズ。現代スポーツネイキッドをベースに、名車Z1を絶妙にアレ[…]
実は”ホンダエンジン”時代からの愛車だった マンセルがF1のパドックで乗っていたのは、ホンダのダックス70(CT70)でした。1988年モデルとも、1987モデルとも言われていますが、いずれにしろ当時[…]
◆今回のPRO解説者:以前にはネオクラ車の解説記事もお願いしたバイクデザインのプロフェッショナル。1980年代前半に某社に入社したベテランで、オンロード系をメインに排気量の大小を問わずさまざまな機種を[…]
最新の投稿記事(全体)
総合力を高めたスポーツツーリング 欧州でのみ販売される「TRACER 7」および「TRACER 7 GT」の2025年モデルが登場した。マイナーチェンジを受け、心臓部を共有する最新MT-07と同様に電[…]
二輪事業では、世界6000万台の時代に世界シェア5割を狙う! ホンダが発表した2025年3月期における二輪販売台数は、世界シェア約40%の2057万台。37の国と地域において過去最高を達成したという。[…]
空冷Zと日産のL型エンジンに特化したパムス カワサキのZ1やZ2など空冷Zのオーナー、あるいはファンの方にとってパムスは有名すぎるほどのファクトリーに違いありません。 レース畑だった私(今井伸一朗)で[…]
RZ誕生の契機は「北米から欧州市場への転換」 ──1979年にプロトタイプが公開され、1980/1981年から発売が始まったRZ250/350は、当時としては非常にエポックメイキングな車両だった。まず[…]
構造もデザインも新設計! アールズ・ギアでは、すでにホンダGB350/S用のスリップオンマフラーを販売しているが、よりクラシックテイストのGB350Cがラインナップに追加されたことを受け、C専用のマフ[…]