
ホンダは、「Adventure Touring 日常から世界一周までを叶える、新世代ジャストサイズオールラウンダー」をコンセ プトとするアドベンチャーモデル「XL750トランザルプ」を国内で正式発表した。ユニカム4バルブの270度クランク並列2気筒エンジンを搭載し、どこまでも走りたくなるようなツーリング性能を追求している。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ) ●外部リンク:ホンダ
ツーリングライダーに愛されたビッグネームが復活!
ホンダが新型アドベンチャーモデル「XL750トランザルプ(XL750 TRANSALP)」を発表した。前21/後18インチの本格的なオフロード寄りのホイールサイズを採用し、新世代ジャストサイズオールラウンダーを謳う。
車名の由来は「Trans+Alpen」で、つづら折れの荒れた道を走ってアルプスの山を越えるというコンセプトをあらわしたもの。日本でもかつては400/600が販売されていたが、欧州も含めしばらくの間カタログから車名が消えていた。その復活となる新生トランザルプは、完全新設計の754cc・270度クランク並列2気筒エンジンを搭載し、常用域の扱いやすさと高回転域のパワフルさを両立している。
並列2気筒かつユニカム方式の動弁系を採用することから、CRF1100Lアフリカツインを扱いやすいサボリュームにダウンサイジングしたと見ることもできるだろうか。ダウンドラフト吸気や車体左右に配置した新採用のヴォーテックスエアフローダクト(渦ダクト)により低中速域の吸入効率を向上、スロットルバイワイヤを採用し、スポーツ/スタンダード/レイン/グラベルおよびユーザーセッティングと5つのライディングモードを備える。これはパワーモードやホンダセレクタブルトルクコントロール(トラコンに相当)、ABS、エンジンブレーキのレベルを切り替えられる統合して切り替えられるものだ。このほか、アシスト&スリッパークラッチにより、レバー操作力は一般的なものよりも30%低減されている。
フレームは軽量なスチール製ダイヤモンドタイプで、フロントにはショーワ製φ43mmSFF-CA倒立フロントフォーク(ストローク200mm)を新たに採用。リヤにはプロリンクサスペンションと軽量高剛性のアルミスイングアームを装備する。
5インチTFTカラーメーターを搭載し、スマートフォンとBluetooth接続することで、ハンドルスイッチおよび音声入力により音楽再生や通話などの操作を可能とするホンダスマートフォンボイスコントロールシステム(HSVCS)を採用。オートウインカーキャンセルやエマージェンシーストップシグナルといった利便性や安全せいに寄与する装備が揃う。
大阪/東京/名古屋モーターサイクルショーでは、ガードパイプやパニアケースセットを搭載したアクセサリー装着車も展示される。発売は2023年5月25日だ。
HONDA XL750 TRANSALP[2023 model]
HONDA XL750 TRANSALP[2023 model]
HONDA XL750 TRANSALP[2023 model]
通称名 | XL750 TRANSALP |
車名・型式 | ホンダ・8BL-RD16 |
全長×全幅×全高 | 2325×840×1450mm |
軸距 | 1560mm |
最低地上高 | 210mm |
シート高 | 850mm |
キャスター/トレール | 27°00′/111mm |
装備重量 | 208kg |
エンジン型式 | 水冷4ストローク並列2気筒SOHC4バルブ |
総排気量 | 754cc |
内径×行程 | 87×63.5mm |
圧縮比 | 11.0:1 |
最高出力 | 91ps/9500rpm |
最大トルク | 7.6kg-m/7250rpm |
変速機 | 常時噛合式6段リターン |
燃料タンク容量 | 16L |
WMTCモード燃費 | 22.8km/L(クラス3-2、1名乗車時) |
タイヤサイズ前 | 90/90-21 |
タイヤサイズ後 | 150/70R18 |
ブレーキ前 | φ310mmダブルディスク+2ポットキャリパー |
ブレーキ後 | φ256mmディスク+1ポットキャリパー |
乗車定員 | 2名 |
英国参考価格 | 126万5000円 |
発売日 | 2023年5月25日 |
HONDA XL750 TRANSALP[2023 model]アクセサリー装着車
※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
あなたにおすすめの関連記事
絶対まだあるでしょ! 新生ホーネットの派生展開 2022年秋の欧州で登場したホンダの新型CB750ホーネット。現在のところ日本での発売は未定だが、このマシンは世界的な流行を見せているコスパに優れた新世[…]
ドゥカティ デザートXとヤマハ テネレ700が強い! EICMA2022でまず感じたのは、ビッグアドベンチャーがあまり展示されていなかったこと。少し前はBMWのGS系が多かった印象だが、今回はニューモ[…]
次世代のCBとして計画されていた、ホンダのCB‐Fコンセプトが開発中止となってしまったのは非常に残念だが、次期CB計画そのものがなくなってしまったわけではない。それどころか、ヤングマシン編集部ではかな[…]
欧州で1998年に登場したホーネット600からライトウェイトスポーツのコンセプトを継承 ホンダは欧州で、従来“ホーネット コンセプト”と呼ばれていたニューマシンを正式発表した。その名も「CB750 ホ[…]
公式発表前のトランザルプを発見! イタリア語を話す協力者からヤングマシン編集部にタレ込みがあったのは9月上旬。スイスのactumoto.chに新型トランザルプのスクープ写真が掲載されていると言うので、[…]
最新の関連記事(新型アドベンチャー/クロスオーバー/オフロード)
見晴らしがいい! オンロードバイクとアドベンチャー/オフロード/クロスオーバーなどの大きな違いのひとつは、走破性をよくするために車高が高くなっていること(最低地上高も同時に高まる)だろう。加えて、ステ[…]
AMAスーパークロス2位の実績を持つモトクロッサーのエンデューロ仕様が上陸! トライアンフが開発したオフロードマシンには、250cc4ストローク単気筒エンジンを搭載するモデルと、450cc4ストローク[…]
GT+にはY-AMTを標準装備 ヤマハは、今夏発売と予告していた新型「TRACER9 GT+ Y-AMT」を2025年5月28日に発売すると正式発表。今世代のトレーサー9 GTシリーズでモーターサイク[…]
3/14発売:スズキ「Vストローム800/DE」127万6000円~ スズキが製造する、並列2気筒エンジン搭載のミドルアドベンチャーが「Vストローム800」「Vストローム800DE」だ。 2025年モ[…]
往年の名車をオマージュしたヘリテイジにアドベンチャーバイクの原点が登場! BMWは、1170cc空油冷水平対向2気筒エンジンを搭載するヘリテイジシリーズに、『R 12 G/S』を投入する。BMWのホー[…]
最新の関連記事(ホンダ [HONDA])
圧倒的! これ以上の“高級感”を持つバイクは世界にも多くない 「ゴールドウィング」は、1975年に初代デビューし、2001年に最大排気量モデルとして登場。そして2025年、50年の月日を経てついに50[…]
公道モデルにも持ち込まれた「ホンダとヤマハの争い」 1980年代中頃、ホンダNS250Rはヒットしたが、ヤマハTZRの人気は爆発的で、SPレースがTZRのワンメイク状態になるほどだった。 しかしホンダ[…]
実は大型二輪の408cc! 初代はコンチハンのみで37馬力 ご存じ初代モデルは全車408ccのために発売翌年に導入された中型免許では乗車不可。そのため’90年代前半頃まで中古市場で398cc版の方が人[…]
キーロック付きタンクキャップ:スズキGT380(1972) バイクの燃料キャップは、そもそもは転倒時の漏れ防止の安全対策からキーロック式が採用されるようになったが、その最初は1972年のスズキGT38[…]
長距離ツーリングがさらに楽しくなる進化 発売は、2021年2月25日。2021年モデルでは、大型二輪AT限定免許でも乗れるDCTのみのラインナップとなった。シリーズ共通で55Wスピーカーを採用。イコラ[…]
人気記事ランキング(全体)
カワサキ500SSマッハⅢに並ぶほどの動力性能 「ナナハンキラー」なる言葉を耳にしたことがありますか? 若い世代では「なんだそれ?」となるかもしれません。 1980年登場のヤマハRZ250/RZ350[…]
マーヴェリック号の燃料タンク右側ステッカー エンタープライズに配属された部隊 赤いツチブタは、「アードバークス」の異名を誇る米海軍「第114戦闘飛行隊(VF-114)」のパッチ。1980年代には第1作[…]
※この記事は別冊モーターサイクリスト2010年11月号の特集「YAMAHA RZ250伝説」の一部を再構成したものです。 ヤマハ RZ250のエンジン「2ストロークスポーツの純粋なピーキー特性」 ヤマ[…]
カラーバリエーションがすべて変更 2021年モデルの発売は、2020年10月1日。同年9月にはニンジャZX-25Rが登場しており、250クラスは2気筒のニンジャ250から4気筒へと移り変わりつつあった[…]
公道モデルにも持ち込まれた「ホンダとヤマハの争い」 1980年代中頃、ホンダNS250Rはヒットしたが、ヤマハTZRの人気は爆発的で、SPレースがTZRのワンメイク状態になるほどだった。 しかしホンダ[…]
最新の投稿記事(全体)
カワサキW800(2017) 試乗レビュー この鼓動感は唯一無二。バイクの原点がここに 1999年2月に発売されたW650は2009年モデルを最後に生産を終了。その2年後の2011年、ほぼ姿を変えずに[…]
旧車の開発に使われた”鉱物油”にこだわる 1992年に創業した絶版車ディーラーのパイオニア・ウエマツ。販売だけでなく、整備にも徹底して力を注いできた同社がそのノウハウをフィードバックし、旧車に特化した[…]
インパクト大なシリーズ初カラー 現代的ストリートファイターのMT-09をベースに、アルミタンクカバーなど金属の質感を活かした専用外装などでネオレトロに仕上げられた1台であるXSR900。3種のパワーモ[…]
イベントレース『鉄馬』に併せて開催 ゴールデンウィークの5月4日、火の国熊本のHSR九州サーキットコースに於いて、5度目の開催となる鉄フレームのイベントレース『2025 鉄馬with βTITANIU[…]
ロングツーリングでも聴き疲れしないサウンド 数あるアドベンチャーモデルの中で、草分け的存在といえるのがBMWモトラッドのGSシリーズ。中でもフラッグシップモデルのR1300GSは2024年に国内導入さ[…]
- 1
- 2