ホンダがインドで発表した新型モデル「CB300F」の公式ページがオープンし、スペックなどの詳細が判明したのでお伝えしたい。新作の油冷単気筒エンジンは293.52ccで、ボア×ストロークは77.0×63.0mmのショートストロークだった。
ブラジル向けモデル「CB250Fツイスター」の後継として誕生か
ホンダはインドでブランニューモデル「CB300F」を発表。近年になって伸長を見せている250~500ccのミドルレンジに、これまたインドで主流の座を奪いつつあるストリートファイターのスタイルで殴り込みをかける意欲作だ。
ヤングマシンスクープ班のネットワークから得た新たな情報としては、このCB300Fはブラジル向けに販売されているCB250Fツイスターというモデルの後継機種として生まれた模様。それがなぜインドで先行発表に至ったのかは不明だが、前述のようにミドルクラスおよびストリートファイター系が人気なことに加え、インドのマーケットが持つ大きなポテンシャルがニューモデルを渇望していたことが、このCB300Fを呼び寄せた要因であることは間違いないだろう。
そんなCB300Fの詳細が、オンライン発表会での公開から数時間経って明らかになった。インドで公式ページがオープンしたのである。
まずは価格だ。CB300Fには標準モデルのDLXと豪華版のDLX PROが存在(これはハイネスCB350と同様のバリエーション構成)し、DLXは22万5900ルピー、DLX PROは22万8900ルピーとされた。これはクラシックモデル・ハイネスCB350(日本名はGB350)の現行価格19万8179ルピー~20万5679ルピーよりも高く、CB300R(日本仕様CB250Rの兄弟車)の27万7000ルピーよりはかなり安いという立ち位置だ。日本へ導入される可能性は薄いと思われるが、仮に発売された場合はハイネスCB350との価格比から63万円程度になるものと思われる。国内CB250RはGB350の55万円に近い56万4300円だが、これは生産地などとの兼ね合いもあると思われ、一概に参考にはしにくいかもしれない。
さて、スペックである。オンライン発表会で言及されたとおり、新作エンジンはなんと油冷4バルブの単気筒(おそらくSOHC)だ。ホンダがエンジンを油冷と称するのは筆者の記憶の限り初めてのことであり、これはかなりのインパクトといえよう。……とはいうものの、シリンダーに刻まれたフィンの姿などからは、空冷+油冷の空油冷と見る方が妥当だろうか。ボア×ストロークは77.0×63.0mmのショートストロークで、24.4ps/7500rpmの最高出力と2.61kg-m/5500rpmの最大トルクを発生する。
一方でホイールベースは1390mmと比較的コンパクトで、装備重量も153kgと扱いやすそう。燃費についての言及はないが、燃料タンク容量14.1Lは長距離でも安心だろう。前後ディスクブレーキは前φ276mm/後φ220mmでデュアルチャンネルABSを装備。前後タイヤはラジアルを奢る。そして既報のとおり、USB充電ソケットやホンダスマートフォンボイスコントロールシステム(HSVCS/DLX PROのみ装備)、フルLED灯火類、フルデジタルメーター、ホンダセレクタブルトルクコントロールも採用している。
マーケット規模の大きいインドで人気モデルとなるのか、そしてグローバルでの展開は──。今後の続報にも注目していきたい。
Honda CB300F DLX / DLX PRO[India model]
主要諸元■2084 全幅765 全高1075 軸距1390 最低地上高177 シート高789(各mm) 車重153kg(装備)■油冷4ストローク単気筒4バルブ 293.52cc 24.4ps/7500rpm 2.61kg-m/5500rpm 変速機6段 燃料タンク容量14.1L■タイヤサイズF=110/70R17 R=150/60R17 ●インド参考価格:CB300F DLX=22万5900ルピー/CB300F DLX PRO=22万8900ルピー
【動画】#CB300F
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