国民的バイクのスーパーカブ。その中でも、原付2種のシリーズでもっともレトロ&スタンダードなスーパーカブ110が大幅リニューアルを遂げた。新型エンジン/キャストホイール+フロントディスク/ABSなどの現代的な装備を入手したのだ。本記事では、新たなスーパーカブが前モデルとどこが変わったのか、各部を比較して紹介する。
●文:ヤングマシン編集部(沼尾宏明) ●写真:長谷川徹 ●外部リンク:ホンダ
スタイリング:ひと目でわかるスタイルは踏襲するが、ビミョーな違いも
LED丸眼ヘッドライト/またがりやすいアンダーボーンフレーム/丸みを帯びた伝統的なカブらしいフォルムは共通。新型はキャストホイール化によって上級モデルのスーパーカブC125にやや印象が近づいた。また、よく見ると新型はフロントウインカーボディが長かったり、ハンドル下に開口部があったりと、細かな部分に違いがある。
ライディングポジション:シート高はプラス3mmアップ
テスターの体格だとライディングポジションはかなりコンパクト。ハンドルとの距離が近く、自然と上体が直立する。足を真下に下ろすとステップがあるのはネックだが、両足がベッタリが着き、低重心+軽量級なので何ら不安はない。新型はチューブレスタイヤ採用に伴い、シート高がプラス3mmの738mmとなったが、体感できるほどの差はなかった。[身長177cm 体重66kg]
エンジン:新設計で燃費も向上
新型の横置き空冷単気筒は、同系ユニットを積む現行モンキーやC125らと同様にロングストローク設定/圧縮比アップ/触媒の大型化などで令和2年排ガス規制に適合した。新型は1速がローギヤードとなり、ほかは若干ハイギヤード&ワイド化。燃費はWMTCモードで67→67.9km/Lを叩き出すが、タンク容量が微減したため、理論上の航続距離は9.71km減の278.39kmだ。
足まわり:キャスト+ディスクにABSで性能アップ
ワイヤースポークの旧型に対し、新型はC125と似たY字スポークのキャストホイールを履く。フロントのみディスクとABSも獲得した。タイヤは旧型がチューブ式のチェンシン製C6016。新型はチューブレスのIRC製NF63B/YとNR94Lに。バネ下重量の変化に伴い、前後サスペンションともスプリングレートと減衰力設定を最適化した。
メーター:一挙充実、これだけでも買う価値アリ?
旧型のメーターは超シンプル。全てアナログで、速度計/燃料計/積算計のみとなる。一方、新型は液晶パネルを採用。メーター画面左上のボタンを押すごとに、オド→トリップ→時計→平均燃費と表示を切り替え可能。ツーリングがはかどること必至だ。加えてバー式の燃料計とギヤポジションを常時表示。特にギヤポジションは旧型オーナーにとって垂涎の装備だろう。指針は透過式となり、メインスイッチをオンにすると針が振り切れる演出が。また最高速が120→140km/h表記となった。
主要装備比較
ブレーキレバーまわりも地味に変わっている
フロントのディスク化によってマスターシリンダーが追加され、カバー上に露出。これに伴い、ミラーの取り付け位置などが手前になった。ブレーキレバーも変更されている。
ブラックキャリアで一段と都会的な雰囲気に
C125より大型で使い勝手が優秀なリヤキャリアは、銀→ブラック仕上げに。新旧クロスカブ110と共通品だ。ビジネスバイク的な雰囲気が薄らぎ、よりオシャレになった。
キックアームやタンデムステップも新形状
C125で非装備のキックアームを標準で備える。新型ではラバー付きで滑りにくくなり、形状も変わった。タンデムステップは角型のシェイプ形状から、やや長い棒タイプに変更。
タンク容量は排ガス対策機構の設置で微減
ロックのないシート下に燃料タンクが鎮座。容量は旧型4.3Lに対し、新型は4.1L。燃料蒸発ガスの回収機能を追加したため、容量が若干減少している。
※本記事は“ヤングマシン”が提供したものであり、文責は提供元に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
スーパーカブ110/プロ 概要 世界生産累計1億台を超えるワールドワイドなベストセラー。'18年に丸みを帯びたデザインに回帰し、丸目のライトはLED化。次ぐ'22年のモデルチェンジではグロム/モンキー[…]
あなたにおすすめの関連記事
ファンバイクは平均点より"個性"。じつはけっこう選びやすい 上の分布図、じつは横置き125エンジンのファンバイクのみ。他にもホンダには本格スポーツのCB125Rがあるし、原付二種まで範囲を広げたらクロ[…]
2人で操縦するかのように、息を合わせて! バイクを“単車”と呼ぶことがあるのをご存じの方も多いだろう。別に単気筒エンジンを搭載しているからとかではなく、実はバイクはサイドカー付きのほうが一般的だった時[…]
動画はコチラ→旧型オーナー、思わず涙目!? ホンダ スーパーカブ110新旧比較【より乗りやすく上質に】[…]
家から50kmの大アドベンチャー 少し前に終わったNHK朝の連続テレビ小説、え〜と、『カムカムカムギアトレーン』みたいな題名だったか。大正から令和まで3代のヒロインにまつわる物語で、その時代時代に合わ[…]
ガンナーは50cc版も大人気! [◯] 車体との相性が良好に。100cc化は大正解! 日本人チューナーが設計に関与しているというフェニックスエンジニアリングの「ガンナー」。車体サイズはホンダのグロムや[…]
最新の記事
- スズキ「Vストローム250SX」と「Vストローム250」は何が違う? 身近な兄弟車を比較!
- 【2024年11月版】150~250cc軽二輪スクーター 国内メーカーおすすめ7選! 125ccの双子モデルからフルサイズまで
- SHOEIがシステムヘルメットのド定番モデル「ネオテック3」に新グラフィック「ANTHEM」を発表!
- SHOEIが「Z-8 YAGYO」を発表! 百鬼夜行をイメージしたバイクパーツ妖怪が目印だ!!
- 【SCOOP!】ついに「GB500」登場へ?! ホンダが海外で商標を出願!
- 1
- 2