
国民的バイクのスーパーカブ。その中でも、原付2種のシリーズでもっともレトロ&スタンダードなスーパーカブ110が大幅リニューアルを遂げた。新型エンジン/キャストホイール+フロントディスク/ABSなどの現代的な装備を入手したのだ。本記事では、新たなスーパーカブが前モデルとどこが変わったのか、各部を比較して紹介する。
●文:ヤングマシン編集部(沼尾宏明) ●写真:長谷川徹 ●外部リンク:ホンダ
スタイリング:ひと目でわかるスタイルは踏襲するが、ビミョーな違いも
LED丸眼ヘッドライト/またがりやすいアンダーボーンフレーム/丸みを帯びた伝統的なカブらしいフォルムは共通。新型はキャストホイール化によって上級モデルのスーパーカブC125にやや印象が近づいた。また、よく見ると新型はフロントウインカーボディが長かったり、ハンドル下に開口部があったりと、細かな部分に違いがある。

【’22 HONDA SUPER CUB 110】■空冷4スト単気筒SOHC2バルブ 109cc 8.0ps/7500rpm 0.9kg-m/7500rpm ■車重101kg(装備) シート高738mm 4.1L ■タイヤサイズF=70/90-17 R=80/90-17 ●色:グリントウェーブブルーメタリック タスマニアグリーンメタリック パールフラッシュイエロー バージンベージュ クラシカルホワイト●価格:30万2500円 [写真タップで拡大]

【’20 HONDA SUPER CUB 110】■空冷4スト単気筒SOHC2バルブ 109cc 8.0ps/7500rpm 0.87kg-m/5500rpm ■車重99kg(装備) シート高735mm 4.3L ■タイヤサイズF=70/90-17 R=80/90-17 ●色:グリントウェーブメタリック アーベインデニムブルーメタリック クラシカルホワイト パールフラッシュイエロー タスマニアグリーンメタリック バージンベージュ ●価格:28万500円 ※発売当時価格 [写真タップで拡大]
ライディングポジション:シート高はプラス3mmアップ
テスターの体格だとライディングポジションはかなりコンパクト。ハンドルとの距離が近く、自然と上体が直立する。足を真下に下ろすとステップがあるのはネックだが、両足がベッタリが着き、低重心+軽量級なので何ら不安はない。新型はチューブレスタイヤ採用に伴い、シート高がプラス3mmの738mmとなったが、体感できるほどの差はなかった。[身長177cm 体重66kg]
エンジン:新設計で燃費も向上
新型の横置き空冷単気筒は、同系ユニットを積む現行モンキーやC125らと同様にロングストローク設定/圧縮比アップ/触媒の大型化などで令和2年排ガス規制に適合した。新型は1速がローギヤードとなり、ほかは若干ハイギヤード&ワイド化。燃費はWMTCモードで67→67.9km/Lを叩き出すが、タンク容量が微減したため、理論上の航続距離は9.71km減の278.39kmだ。
足まわり:キャスト+ディスクにABSで性能アップ
ワイヤースポークの旧型に対し、新型はC125と似たY字スポークのキャストホイールを履く。フロントのみディスクとABSも獲得した。タイヤは旧型がチューブ式のチェンシン製C6016。新型はチューブレスのIRC製NF63B/YとNR94Lに。バネ下重量の変化に伴い、前後サスペンションともスプリングレートと減衰力設定を最適化した。
メーター:一挙充実、これだけでも買う価値アリ?
旧型のメーターは超シンプル。全てアナログで、速度計/燃料計/積算計のみとなる。一方、新型は液晶パネルを採用。メーター画面左上のボタンを押すごとに、オド→トリップ→時計→平均燃費と表示を切り替え可能。ツーリングがはかどること必至だ。加えてバー式の燃料計とギヤポジションを常時表示。特にギヤポジションは旧型オーナーにとって垂涎の装備だろう。指針は透過式となり、メインスイッチをオンにすると針が振り切れる演出が。また最高速が120→140km/h表記となった。
主要装備比較
ブレーキレバーまわりも地味に変わっている
フロントのディスク化によってマスターシリンダーが追加され、カバー上に露出。これに伴い、ミラーの取り付け位置などが手前になった。ブレーキレバーも変更されている。
ブラックキャリアで一段と都会的な雰囲気に
C125より大型で使い勝手が優秀なリヤキャリアは、銀→ブラック仕上げに。新旧クロスカブ110と共通品だ。ビジネスバイク的な雰囲気が薄らぎ、よりオシャレになった。
キックアームやタンデムステップも新形状
C125で非装備のキックアームを標準で備える。新型ではラバー付きで滑りにくくなり、形状も変わった。タンデムステップは角型のシェイプ形状から、やや長い棒タイプに変更。
タンク容量は排ガス対策機構の設置で微減
ロックのないシート下に燃料タンクが鎮座。容量は旧型4.3Lに対し、新型は4.1L。燃料蒸発ガスの回収機能を追加したため、容量が若干減少している。
※本記事は”ヤングマシン”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。
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