’18年に国内販売が始まり、’20年モデルでビッグなマイナーチェンジを実施したカワサキZ900に、Z誕生50周年を記念した特別カラーが追加された。’80年代の空冷Zを代表するファイアークラッカーレッドを採用し、シュラウドとフロントフェンダーには記念ロゴも。価格はSTDに対して6万6000円高だ。
●まとめ:ヤングマシン編集部(大屋雄一) ●写真:真弓悟史 ●外部リンク:カワサキ
- 1 ’22 カワサキZ900 概要
- 2 [◯] 意のままに操れる快感。RSとの差別化は明確
- 3 ’22 カワサキZ900 ディテール解説
- 4 [△] この50周年カラーはZ1000よりも高い
- 5 [こんな人におすすめ] RSにはないスマホ接続やTFTメーターも
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’22 カワサキZ900 概要
[◯] 意のままに操れる快感。RSとの差別化は明確
高校時代に通った自動車学校。その教習車の中にまだCBX400Fが残っていた世代なので、Z400GPやGPz400Fを彷彿させるこのファイアークラッカーレッドは懐かしさを禁じ得ない。カワサキにとって、900ccは”マジック9″としてZ1誕生以来大切にされてきた排気量であり、この特別なカラーをまとうことには何ら違和感がない。
派生モデルのZ900RSが注目されがちだが、素のZ900は、トラクションコントロール以外にも’21モデルからインテグレーテッドライディングモードを備えており、電脳面でRSを一歩リードする。モードはスポーツ/ロード/レイン、そして任意に設定できるライダーの4種類で、スポーツとロードモードではフルパワーを発揮する。とはいえ、もっともレスポンスの良いスポーツモードでも低回転域から非常にスムーズで扱いやすく、スロットルを大きく開ければ7000rpmから一段と盛り上がる。最高出力はRSを14psも上回る125psで、エンジン特性は低中回転域でのトルク感を演出したRSとは対照的だ。
ハンドリングもいい。押し引きで感じる軽さは600ccや750cc並みであり、走り出すとその印象がさらに強まる。微速域からステアリングがスムーズに切れるので扱いやすく、これが本当に948ccもある水冷直列4気筒を載せているのかと疑うほどだ。そして、高速域に入っても倒し込みや切り返しなど操縦の軽快感はほとんど変化しないことから、おそらくマスの集中がかなり貢献しているように思う。これにレスポンスの忠実なエンジンとフロントに荷重をかけやすいライディングポジションが加わり、意のままに操れるマシンに仕上がっているのだ。
ブレーキは、Z900の上位版であるSEやZ900RSのようにラジアルマウント&ラジアルポンプではないものの、フロントは213kgの車体を急減速させるのに十分以上の効力を発揮し、さらに前後ともコントローラブルだ。ABS作動時のキックバックは少なめで、細かく油圧を制御している様子が伝わる。
攻撃的なルックスに見合うだけの俊敏な走りを得たZ900。この記念カラーにピンと来たら買いだ。
’22 カワサキZ900 ディテール解説
エンジン:すでに新排ガス規制適合済みのため、諸元は変更なし
足まわり:前後プリロード&伸び減衰力調整可
主要装備
[△] この50周年カラーはZ1000よりも高い
’21モデルでカワサキケアが追加されて、価格は5万5000円アップ。続く’22モデルはSTDカラーが色変更のみで4万4000円アップ。この50周年記念車はSTD+6万6000円なので、カワサキケアが付帯しない兄貴分のZ1000よりも3万円高額に。
[こんな人におすすめ] RSにはないスマホ接続やTFTメーターも
CB1000RやGSX-S1000がZ1000の対抗馬だとすると、MT-09が直接のライバルか。ライディングモードやスマホ接続機能など、電脳面ではZ900RSを上回っており、カワサキケアによる安心感も。このカラーリングはぜひ実車で確認を。
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