ヤマハは北米でYZF-Rシリーズの2022年モデルを発表。WGP参戦60周年記念カラーを現行スーパースポーツにフルラインナップで揃える一方で、ひっそりと告知されたのは、2年振りとなるYZF-R6の復活だった。FRP外装に身を包み、サーキット専用モデルとしてその名を「YZF-R6 GYTR」に改め……。
公道版R6は、2020年モデルを最後に欧州からも北米からも撤退していた
日本では逆輸入車として2020年モデルが導入されたのを最後に、新車ラインナップから姿を消したYZF-R6。欧州や北米でも同様の動きとなったのはショッキングなニュースとして報じられたが、欧州ではサーキット専用の「R6 RACE」が2021年モデルとして登場していた。日本においてもYZF-R1とともにレースベース車が期間限定予約で販売され、サーキットを主戦場として生き残るという、尖りまくったR6らしい道を歩んでいる。
欧州の2021年モデルでは、併せてR6 GYTRキットなるものも発表された。これはGYTR(Genuine Yamaha Technology Racing)というヤマハ純正のキットパーツ群で、レース用カウルセット、アクラポヴィッチ製レーシングマフラー、ECU、ハーネスセット、フロントブレーキレバーガードといった、サーキットにおけるパフォーマンスをさらに向上するためのものだ。
ということで、もうおわかりだろう。今回、北米の2022年モデルとして発表された「YZF-R6 GYTR」の名が意味するのは、ストリートリーガルであることをやめ、その代わりにGYTRのキットパーツセットを組み込んだ戦闘力マシマシのYZF-R6が発売されるということなのだ。
YZF-R6 GYTRには下記のパーツ群がセットになる。
・白ボディの外装キット
・レース用シート
・GYTR-ECU
・インターフェース付きハーネスキット
・アクラポヴィッチ製フルエキゾースト
・520チェーン&スプロケット
・レーシングリアセット
・AISプラグセット
・削り出しブレーキレバーガード
・シャークフィン ドリブンスプロケットガード
・GYTR ABSエミュレーター
・GYTRレーシングタンクキャップ
・オン/オフスイッチ
・GYTRブレーキラインセット
・その他スペシャルパーツ
なお、YZF-R6 GYTRは非常に限られた数の販売とされ、北米のディーラーで2022年4月より取り扱うとのこと。価格は2020年の公道モデルから+6200ドルの1万8399ドル(日本円換算約201万円)と、こちらも破格だ。
日本における2022年レースベース車については情報を収集中。どんな形にせよYZF-R6が生き残ることは、ファンにとって嬉しいことに違いないが、いつか公道モデルとして復活する芽はあるのだろうか……?
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